フォルクスワーゲンゴルフGTI

 

<まさかの、進化型エンジンを搭載し10psアップし、燃費は0.2㎞/L向上!>

フォルクスワーゲンゴルフGTI フォルクスワーゲンのスポーツモデルであるゴルフGTIに、ゴルフの誕生40周年を記念した特別限定モデル「ゴルフ GTI パフォーマンス」が設定され発売が開始された。このゴルフGTIパフォーマンスは、合計500台の限定モデル。専用ボディカラーのカーボンスチールグレーメタリックが300台。標準仕様のゴルフGTIでも人気の高いピュアホワイトが200台。合計500台の限定で、2色のボディカラー設定となっている。

この限定車、ゴルフGTIパフォーマンスは、2.0L直4ターボで230ps&350Nmという出力を誇るモデルだ。標準仕様のゴルフGTIが220ps&350Nmなので、最大トルクは同じものの10psのアップとなっている。一般的にターボモデルのパワーアップは比較的容易で、ターボの過給圧を上げれば10psくらいなら簡単にアップする。BMW3シリーズなどは、そうしたチューニング違いのエンジンを用意し、通常モデルを320iとし、ハイパワーモデルを328iとしてグレードを分けていたりする。

ただし、ターボは過給圧を上げれば当然、燃費が悪化する傾向になる。ところが、このGTIパフォーマンスは、10psアップさせながら、燃費を16.1㎞/Lとして、ゴルフGTIに比べ0.2㎞/L向上させている。つまり、パワーアップと燃費向上を同時に達成しているのだ。燃費アップの数値は、わずかで多少微妙だが、これはこれで評価すべきテクノロジーの真価と言える。

この進化を達成したテクノロジーは、ターボチャージャーにつながる水冷式のEGRクーラーをシリンダーヘッドと完全に一体化。2本のカムシャフトの調整機能と可変バルブタイミングを備え、さらに排気側のバルブリフトは、2段階調節式を採用している。こうした追加的な制御により、性能の向上、燃費の改善、低排出ガス化を実現しているのだ。

また、10psアップと出力向上はわずかだが、ブレーキ性能も強化。ゴルフGTIパフォーマンスは、フロントが340mmX30mm、リヤは310mmX22mmと、ひと回り大きなサイズのディスクローターを装備。ブレーキローターのサイズアップだけではなく、放熱性に優れたベンチレーテッドディスクがゴルフ GTIがフロントのみなのに対し、ゴルフGTIパフォーマンスには、四輪のすべてに装着した。こうしたブレーキの強化は、サーキット走行などスポーツ走行を好む顧客にとっては、パワーアップと同じくらい重要。サーキット走行中などで、ブレーキ性能が落ちてくると、スポーツ走行そのものが楽しくなくなるだけでなく、危険でもあるからだ。

さらに、足回りもグレードアップされた。電子制御油圧式フロントディファレンシャルロックが標準装着となった。この機能は、コーナリング中に前輪の左右いずれかの空転を検知すると、ディファレンシャル内部のマルチプレートクラッチが作動。ホイールの回転数や車速などの状況に応じて、トラクションの低いホイールから高いホイールに駆動トルクを 0~100%の間で再配分する。フロントタイヤのトラクションを最大限発揮できる仕組みを得たことで、より高いコーナーリングスピードを実現した。

フォルクスワーゲンゴルフGTI また、標準のゴルフGTIにはオプションだった電子制御式サスペンションシステム、アダプティブシャシー
コントロール“DCC”も標準装備された。DCCは、ダンパーの減衰力や電動パワーステアリングの特性を瞬時にコントロールできる機能をもつ。ドライバーは、スイッチひとつで、「ノーマル」「コンフォート」「スポーツ」と3つのドライビングモードから選択できるようになった。つまり、自分の好みやシチュエーションにより、快適な乗り心地とパフォーマンス重視というサスペンション設定が自由に選べるのだ。こうしたシャシやブレーキ性能の向上により、タイヤ&ホイールも1サイズ以上アップとなる225/35R19が装着された。

さて、ゴルフGTIパフォーマンスの価格は、435万円。ゴルフGTIの価格が約383万円なので、約52万円のアップとなっている。装備差を考えると、これは、なかなかお買い得。ゴルフGTIでは、DDCとナビ、レザーシートのセットで約67万円のオプション。ゴルフGTIパフォーマンスは、ファブリックとアルカンターラのシートで若干レザーシートよりは安くなるとはいえ、タイヤは19インチ。豪華さより走りの質が重要と考えるのなら、お買い得感は高いのでお勧めできる限定車といえるだろう。

ただし、価格視点では手放しでお勧めできないこともある。ゴルフGTIパフォーマンスは、限定車ということなので、値引きはほぼゼロとなるからだ。対して、ゴルフGTIは一定の値引き額が引き出せる。予算という視点で見れば、標準のゴルフGTIが安くなるはずだ。しかし、これだけ通常のゴルフGTIと違うと、走りの質を重視するのであればゴルフGTIパフォーマンスを選んだほうが満足度は高い。

燃費とパワーを両立した改良型エンジンを積んでいることから、いずれ標準のゴルフGTIもGTIパフォーマンスのエンジンを搭載されることが予想できる。価格や装備はGTIパフォーマンスレベルになるかは分からないが、急いでいないのなら、マイナーチェンジされるのをしばらく待ってみるのもいいだろう。

■フォルクスワーゲン ゴルフGTIパフォーマンス価格:4,350,000円