アウディA4オールロードクワトロ

 

<ユニークな存在感と高級感をもつクロスオーバーワゴンだが、モデル末期なのが悩みどころ>

アウディA4オールロードクワトロアウディA4オールロードクワトロが発売された。A4オールロードクワトロは、ワゴンのクロスオーバー車だ。今まで、A4オールロードクワトロは、毎年販売される限定車として設定されていた。国内では2010年に250台、2011年300台、2012年200台、2013年250台が導入されている人気モデルだ。そんな限定車だったA4オールロードクワトロが、2014年に、ついに通常販売モデルとなった。

A4オールロードクワトロのエクステリアは、垂直方向のラインを強調したシングルフレームグリルを装備。バンパーは、艶消しブラックのバンパーとし、中心部にはステンレスのアンダーガードを装備。さらに、大型ホイールアーチ、アルミニウムサイド大型ドアアンダープロテクター、アルミニウムルーフレールなど多くのオールロードクワトロ用専用部品を装備する。こうしたプロテクター関連が装着されることで、高級ワゴンだったA4が、まったく違うワイルドさを身につけ独自の存在感を主張している。

当然、エクステリアだけでなく、悪路での走行性能を高めた専用のラフロードサスペンションが装着されている。カッコだけでなく、本当にラフロードが走れる設定だ。そのため車高は、1,495mmとなっておりA4アバントクワトロに比べ30mmほど車高がアップしている。最低地上高は、A4アバントクワトロの120㎜から、A4オールロードクワトロは40mm高い160mmとなっている。最低地上高をアップすることで、荒れた路面や積雪路面などでの走破性を高めている。

基本的なエンジンのスペックは、165kW(224PS)&350Nm(35.7kgm)と2013年モデルと同じ。アウディA4アバントクワトロが155kW(211PS)&350Nm(35.7kgm)なので、ややパワーアップした2.0L直4ターボエンジンが搭載されている。組み合わされるミッションは、7速Sトロニックだ。

燃費はA4オールロードクワトロが13.4㎞/L。A4アバントクワトロが13.6㎞/L。パワーアップしている分や、車高を上げている分多少燃費は落ちている。さすがに、今となってはそれほど良い燃費数値ではない。それは、ベースとなるA4のデビューが2008年と7年目に突入しており、すでにモデル末期状態だからだ。そのため、最新モデルと比べるとさすがに厳しい戦いとなってしまう。A4オールロードクワトロの場合、こうした燃費やパワー、走行性能というより、BMWやメルセデス・ベンツにないクロスオーバーのワゴン車というユニークな存在にある。また、A4アバントに比べ、リセールバリューも高額な傾向にあるので、A4アバントよりA4オールロードクワトロという選択もありだろう。

アウディA4オールロードクワトロただ、だからといって、諸手をあげてA4オールロードクワトロを勧めるというワケにはならない。やはり、ベースとなるA4が、すでにモデル末期という点が気になる。それは、近い将来、A4がフルモデルチェンジし、より魅力的なモデルとなって登場した場合、いずれ新型をベースとしたとオールロードクワトロも投入されるからだ。フルモデルチェンジすれば、すべての性能が現状のA4オールロードクワトロよりアップするはずなので、もうすぐ旧型になるかもしれないモデルを今選ぶことには慎重になってしまう。とくに、似たようなモデルでフォルクスワーゲン にパサート オールトラック がある。こちらもモデル末期だ。ただし、価格は100万円ほど安い。アウディA4オールロードクワトロは、617万円というかなりの高額車だけに、他車も含めジックリと検討したい。

それでも、とうしてもA4オールロードクワトロというのであれば、近いうちにフルモデルチェンジするということを伝えながら、しっかりと値引き交渉することが重要。今までのように、A4オールロードクワトロは限定車では無い。そのため「限定車なので値引き無し」は通じないから、ジックリと値引き交渉をするといい。ドイツ系のこのクラスは3シリーズやCクラスなどがあり激戦。まず、それらのモデルのワゴン車とシッカリと競合させることが必要。さらに、場合によっては、SUVである最新のBMW X4 やポルシェ マカンなどと競合させてみるのもいいだろう。

■アウディA4オールロードクワトロ価格:6,170,000円