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<レクサスIS選びは、燃費性能に飛び抜けた300hがベスト>
IS300h価格

ライター紹介

クルマ評論家 CORISM代表

大岡 智彦 氏

CORISM編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員

<レクサスIS選びは、燃費性能に飛び抜けた300hがベスト>

2013年5月にフルモデルチェンジし2代目となったレクサスIS。新世代レクサスの顔ともいえるスピンドルグリルが採用され、スポーティセダンらしい精悍さが増したデザインとなった。

ISのボディサイズは、少々微妙。全長4,665×全幅1,810×全高1,430mmで、わずか10mm全幅が1,800mmをオーバーする。全幅1,800mmというサイズは、多くの立体駐車場の制限となっている。そのため、国内での使い勝手を考えると、1,800mmというボディサイズは重要な数値となるのだ。ISが欲しいと思っても、マンションの立体駐車場の制限が1,800mmまでなら、駐車場に収納できないので物理的に購入することができなくなるからだ。

そのため、ISのライバルとなるBMW3シリーズは、欧州で全幅1,800㎜超のボディをもつが、現在日本に入っているモデルは、多くの立体駐車場に入りる全幅1,800mmに変更され日本専用として輸入されている。また、ほぼ国内専用車のクラウン は、全幅1,800mmを死守している。レクサスは、グローバル車ということもあるが、輸入車がボディサイズを変更してまで輸入しているくらいなのだから、日本を母国とするレクサスはもう少し国内マーケットを考慮するべきだろう。

今回の一部改良では、標準仕様および「version L」のフロントフォグランプにLEDを採用。また、ドアミラーにオート電動格納式、自動防眩、鏡面リバース連動ラストメモリー付チルトダウンを全車標準装備した。

インテリアでは、フロントコンソールサイドのニーパッドを全車に標準装備。ニーパッドは、スポーツ走行をしない人にとってはとくに無くても良い装備。これは、スポーツドライビング時に高い横Gがかかった場合、遠心力で膝が当る場合がある。サーキットのように、長くGが続くようなカーブを曲がっていると、膝が痛くなるケースがあるのだ。こうした装備はスポーツドライビング愛好者にとってはうれしい。

また、安全面でも重要なタイヤ空気圧の警告表示をマルチインフォメーションディスプレイで確認可能とし、センターコンソールとセンタークラスターをダークグレーメタリック塗装とした。

国内マーケットには、新型メルセデス・ベンツCクラスが投入された。輸入車への流出を防ぐ意味でも重要な役割をもつレクサスブランドだけに、今回の一部改良でISの魅力を引き上げライバルに対抗する考えなのだろう。今回の一部改良で、ISの価格は3万円強ほど価格がアップしている。装備向上分を考えれば、十分に納得のいく価格アップといえるだろう。

さて、ISの選び方は、もうハイブリッドの300h以外ない。2.5Lと3.5Lのガソリンエンジンが用意されているが、アイドリングストップ機能さえも無く、燃費やパフォーマンスとも一世代古いものとなっている。燃費が悪い上に、ハイオク仕様なので、経済性も良くない。欧州のライバル車は、ダウンサイジングターボエンジンとして、燃費やパフォーマンスの両立を実現しているので、ガソリン車は完全に後れをとっている状態だ。当然、購入後のリセールバリューも期待できないだろう。

対して、クラウンに搭載されている直4 2.5Lのハイブリッド システムが搭載されている300hは、23.2㎞/Lと優れた燃費を誇る。スポーティなチューニングが施されたハイブリッドシステムも完成度が高く、高い走行性能を誇る。SUVのレクサスNXの2.0Lターボが搭載されればガソリン車の魅力も高まるが、現在のISのラインアップではハイブリッドの300hという選択がベストだろう。

また、よりハイパワーなハイブリッドというのであれば、ISではなくスカイラインハイブリッドという選択になる。3.5Lのハイブリッドなので、そのパワーはISを圧倒。ただし、燃費はその分悪くなる。

IS300hのように、500万円超の車両価格になると、BMW3シリーズやメルセデス・ベンツCクラスなどの上級モデルが買える価格帯に突入する。Cクラスは、現在ガソリン車しかないので燃費性能では300hを上回ることはできない。燃費と走りの総合バランスというのであれば、3シリーズでクリーンディーゼルを搭載した320dが良い。トルクで300hを圧倒し、燃料が軽油なのでガソリンより約20円/L以上安いので、300hと比べても燃料費換算なら同等だろう。こういった特長を理解して、実際に試乗してフィーリングを確かめ、自分の好みや用途に合わせたクルマを選ぶと良い。

IS300h価格

“version L” 5,567,000円
“F SPORT” 5,572,000円
ベースモデル  4,999,000円