まさに、日産のグローバル化を象徴するモデル


日産スカイライン日産は、スカイラインのハイブリッドモデルに続き、2.0Lのターボチャージャー付ガソリンエンジンを搭載したスカイライン200GT-tを追加し発売を開始した。

今回の200GT-tに搭載されたパワーユニットは、メルセデス・ベンツ 製の2.0L直4直噴ターボエンジン。このエンジンの搭載は、すでに2012年1月に提携が発表されており、北米日産のパワートレイン工場でインフィニティ とメルセデス・ベンツ4気筒ガソリンエンジンを生産されている。このモデルは、その提携による第1号モデルなった。

まさに、スカイライン200GT-tは、各メーカーとの提携を続ける日産のグローバル化を象徴するモデルとえいる。フロントグリルは、北米がメインのインフィニティエンブレムが装着され、エンジンはドイツのメルセデス・ベンツ製、さらにスカイラインという名は、日本で歴史あるモデル名。北米、ドイツ、日本と色々な要素がミックスされている。

こういったモデルが是か非ということは一概に言えないが、スカイラインを日本の伝統食文化である寿司とすると、この寿司にケチャップ(アメリカ的)を付けて、ガリの代わりにザワークラフト(ドイツ的)が付いてくるようなイメージになるので、日本人的には心中穏やかではいられないというのが本音だろう。

そんなメルセデス・ベンツ製エンジンのスペックは、最高出力 155kW(211PS)/5500rpm、最大トルク 350N・m(35.7kgf・m)/1250-3500rpmというパワフルなものとなっている。自然吸気のV6 3.5Lクラス並みの最大トルクをもつので、とてもパワフルな走りが可能。このエンジンスペックは、新型メルセデス・ベンツC250に搭載予定のエンジンとほぼ同スペックだ。エンジンがメルセデス・ベンツ製になったことにより、スカイライン200GT-tのミッションはメルセデス・ベンツ製7速ATとなっている。

スペック的に、少々微妙なのが燃費性能。カイライン200GT-t(タイプSP)の燃費は13.0㎞/Lと、それほどよくないのだ。このサイズ・車重のクルマなら、メルセデス・ベンツ製のエンジンならば16.0㎞/L以上という数値が期待されたからだ。

しかし、これには理由があった。メルセデス・ベンツ製エンジンには、低燃費化技術として成層燃焼リーンバーンが採用されている。この技術がウリのエンジンだったのだが、スカイライン200GT-tには、リーンバーン領域がないのだ。日産は、走りとパワー、レスポンスを重視しての選択というが・・・。

日本マーケットでは、エコカー減税対応でないと売れない時代。そのため、なんとかエコカー減税対応レベルの燃費性能は担保している。

また、ハイブリッドモデルに比べて、車重が120kg程度軽いこともスカイライン200GT-tのメリット。バッテリーやモーターが無い分軽いので、軽快感はハイブリッド車以上だ。この軽快感あるハンドリングと350Nmという大トルクがもたらす爽快な走りが、最大の魅力と言えるだろう。

ただし、メルセデス・ベンツ製のエンジンのため、使用燃料はハイオクになる。これだけガソリン代が高価になると、ハイオク仕様というだけで敬遠されがちになる。こういった部分が、グローバルモデルというだからという言い訳で、日本マーケットに合わない仕様となっていることが残念な部分だ。

■日産スカイライン200GT-t価格: 3,834,000~4,568,400円