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<1.2L直噴ターボ+6MT搭載! MTのみなのが残念なポイント>


ルノーカングーカングーは2009年にデビューしたMPV。高い全高をもち、広い荷室と車内空間をもつ。欧州などでは、デリバリーバン的な貨物車としても使用されていることから、左右にスライドドアを持ち、リヤのハッチゲートは観音開きというユニークな使い勝手の良さをもつ。

カングーそのものの、クルマとしての動的パフォーマンスは、それほど目を見張るものはない。国産車の方が、燃費も良くパワフル、静粛性も高い。しかし、カングーは少数だが圧倒的な支持を得ている不思議なクルマだ。その人気を支えている大きな理由のひとつが、愛嬌のあるデザインだ。ファニーなシルエットは、クルマというより、まるでペットのような生き物感があるのか、愛着がわくデザインで多くのファンに支持されている。

このファニーなデザインは、2013年8月に変更されたばかり。一部変更されたことで、少々精悍さが増した印象だが全体のシルエットはそのまま。2009年デビューし、そろそろモデル末期に入ったモデルなのだが、意外なほど古臭さを感じさせないのもルノーのもつデザイン力の賜物ということなのだろう。

そんなカングー に、最新のダウンサイジングエンジンである1.2L直4直噴ターボエンジンと6MTを搭載した新グレード 、カングー ゼンが発売された。

このパワーユニットは、84Kw(115ps)/4,500rpm、190Nm(19.4㎏-m)/2,000rpmというスペックを持つ。このエンジンのトルクは、自然吸気2.0L並みのトルクだ。他のモデルに搭載される1.6Lと4ATの組み合わせのカングーは、148Nmなので約30%トルクが増大している計算だ。1.2Lターボは、とくに低回転域から最大トルクを発生するので、数値以上の力強さを感じるだろう。

さらに、6MT組み合わされ、ストップ&スタート機能、減速時にエネルギーを回生するエナジースマートマネジメント、燃料消費量を最大10%削減するECOスイッチといった機能が搭載された。さらに、装備も充実。滑りやすい路面で駆動輪のグリップを最適にコントロールするエクステンデッドグリップ、スピードリミッター&クルーズコントロールなどが標準装備となった。

カングー選びで悩ましいのは、価格設定とMTミッション。カングー ゼン6MTの価格は、241.5万円で、同じカングーゼンの1.6L&4ATも同じく241.5万円なのだ。最新のエンジンだけでなく、大きな装備差があるので、普通ならカングー ゼン6MTをお勧めしたいところだ。

しかし、免許制度でもAT限定なんていう制度もあるくらいなので、MT車はドライバーを選ぶ。また、渋滞が多い場所に住んでいると、MTを日常的に使うには少々不便でもある。MT好きであるのなら、カングーゼンがベストだが、やはりATが欲しいところだろう。そういった理由から、カングーゼンは魅力的ではあるものの、誰にでもお勧めできるグレードではないのだ。

■カングー ゼン価格:6MT(1.2Lターボ)/4AT(1.6L) 2,415,000円