BMW2シリーズ
<1シリーズから独立した新シリーズとなった2シリーズクーペ>

BMW2シリーズBMW3シリーズから独立して、クーペモデルが4シリーズになったように、1シリーズクーペが独立して2シリーズクーペとなった。BMWは偶数のシリーズ名をクーペとしており、6シリーズ、4シリーズ、2シリーズをラインアップしたことになる。2シリーズは、そのクーペシリーズで最もコンパクトサイズとなっている。国内マーケットでは、クーペの需要は低く、売れないボディカテゴリーだが、BMWは着実に車種の隙間を埋めてラインアップ強化。数の少ないクルマだからといってモデルを用意しないのではなく、顧客がわずかでもいるのなら、その顧客に十分に満足してもらえるモデルを用意し、BMWファンを増やしているとみてもいいだろう。

2シリーズクーペのエントリーグレード220iクーペSportのボディサイズは、4440×1775×1420mm。先代1シリーズクーペに対して、全長+70mm、全幅+25mm、全高+35mm、ホイールベース+30mmと、ひと回り大きくなった。3ナンバーボディではあるものの、非常にコンパクトなので国内で使う上で使い勝手は高い。

このコンパクトなボディに搭載されるエンジンは、3シリーズなどでお馴染みの2.0L直列4気筒BMWツインパワー・ターボ・エンジンで最高出力135kW(184ps)/5,000rpm、最大トルク270Nm(27.5kgm)/1,250 -4,500rpmを発生する。燃費は320iよりボディサイズが小さいこともあり、16.7km/Lを達成し75%エコカー減税に対応。

BMW2シリーズもうひとつが2シリーズクーペの魅力を最大限発揮するスポーツモデルであるM235iクーペが用意されていて、なんと3.0L直列6気筒BMW M Performanceツインパワー・ターボ・エンジンが搭載されている。このパワーユニットは、最高出力240kW(326ps))/5,800rpm、最大トルク450Nm(45.9kgm)/1,300-4,500rpmを発生し、0-100㎞/h加速はわずか4.8秒(ヨーロッパ仕様車値)という俊足だ。すでにM135iにも搭載されていたが、M235i用に進化している。トルクは同じだがパワーは6psほどアップしているなど、単にエンジンの乗せ換えではないのも好感がもてる。

どちらのエンジンも全長4440mmというサイズは、カローラアクシオより80mm長い程度。そんなコンパクトなサイズに、これだけのパワーがあるエンジンが搭載されている上に、駆動方式はFRなのだから、その走りの楽しさは群を抜くもの。2シリーズクーペは、セグメント唯一のFRで、さらにこだわりの約50:50という理想的な前後重量配分をもつ。かなりエキサイティングな走りが楽しめるクーペであるのは間違いない。

スタイリングは、全幅が広がったことで面の張りの強いデザインとなったことで、筋肉質で力強さをアピールする。ボディは小さいが、小さく見えない力強さが特徴だ。

インテリアは、いつものBMWらしいデザインで安心できる。8.8インチのモニターをもつアイドライブも標準装備だ。

安全面装備も最新のものへ進化した。車線逸脱警告システムや前車接近警告機能、衝突回避・被害軽減ブレーキ、クルーズ・コントロール(ブレーキ機能付)、BMW SOSコールなどが標準装備されている。過不足ない高いレベルにあるといっていい。

2シリーズクーペの価格は、457~615万円。BMW車選びの鉄則は、Mスポーツベースに選ぶこと。Mスポーツは、どのモデルでもリセールバリューが高い傾向。そのため、短期の買い替え時には大きなメリットなるからだ。220iでも、かなり楽しい走りが楽しめるが、FRの走りを徹底的に味わいたいのなら、無理してでもM135iがお勧めだ。0-100㎞/h加速はわずか4.8秒(ヨーロッパ仕様車値)なので、並みのスポーツカー以上の実力をもつ。

■価格

・220iクーペ Sport 4,570,000円
・220iクーペ M Sport 4,810,000円
・M235iクーペ 6速MT 6,010,000円
8速AT 6,150,000円