アバルト
<ミッションの選択肢が増えたことで、より多くの人がアバルトを楽しめるようになった>
アバルト500メルセデス・ベンツにはAMG、BMWにはMとハイパフォーマンモデルのブランドをもつ欧州メーカーは多い。フィアットにも、そんなハイパフォーマンスカーブランドが存在する。そのブランド名がアバルトだ。アバルトは、その昔、主にフィアット車をベースにモータースポーツで活躍。その後、フィアット傘下に入り、ハイパフォーマンスモデルを担うブランドになっている。今回は、アバルト500とアバルト595コンペティツィオーネのミッションを一部設定を変更して発売を開始した。

今回の設定変更では、ミッションの選択肢が増えた。アバルト500は、今までマニュアルトランスミッション仕様のみだったのだが、セミオートマチックトランスミッション仕様が追加された。この設定により、AT限定免許の人でもアバルト500が乗れるようになった。

セミAT搭載により、アバルト500のスペックも若干変更されていた。エンジン型式がMTの312A1からセミATは312A3と変更され、MTが99kw(135ps)、セミATが103kw(140ps)と若干パワーアップされている。最大トルクは180Nm、SPORTスイッチ機能使用時206Nmに変化はない。ミッションによって燃費も若干違う。JC08モード燃費は、MTが14.9㎞/L、セミATが13.8㎞/Lとなった。

よりパワフルな595コンペティツィオーネは、アバルト500とは逆にセミAT限定だったのに対し、MT仕様が追加された。595コンペティツィオーネは、118kw(160ps)というパワーと206Nm、SPORTスイッチ使用時230Nmという大トルクを発揮する。車重はわずか1,120㎏なので、その走行フィールは格別に楽しいものになっている。燃費は、MTが14.5㎞/LでセミATが14.0㎞/L。この燃費表示は、少々違和感がある。パワーの低いアバルト500より、よりパワフルな595コンペティツィオーネの燃費が良いのだ。

その違いは、燃費の測定機関が違うことが上げられる。なんと、アバルト500のMTと595コンペティツィオーネのセミATは外国試験機関(UTAC)による測定値。アバルト500のセミATと595コンペティツィオーネのMTの測定値は、日本自動車輸送技術協会(JATA)が行っている。測定機関が違えば、結果は異なって当然だろう。その結果、この燃費値はあまりあてにならないということになるので、参考程度ということになる。まぁ、これもイタ車らしいというところだろう。

ミッションの選択肢が増えたことでアバルトの楽しさを体感できるドライバーが増えることは喜ばしいことだ。とくに、いろんな事情でATしか乗れない人にとってみれば、アバルトの楽しさを体感できる大チャンスともいえる。今回のミッションの新設定で、多くの顧客が制約なしにアバルトのホットな走りを楽しめるようになった。ただし、セミATは走行フィーリングに少々クセがあるので、まずは試乗して決めることをおすすめしたい。

・アバルト500価格:2,688,000円(MT) 2,845,500円(セミAT)

・アバルト595 コンペティツィオーネ価格:3,234,000円(MT) 3,391,500円(セミAT)