<クラストップレベルの燃費を確保したまま、安全装備を強化>
人気5ナンバーミニバンである日産セレナがマイナーチェンジし登場した。マイナー前のセレナは、CMなどでとにかく燃費ナンバー1をアピールしていた。しかし、今回のモデルでは、1,200人以上のパパ・ママドライバーを対象にアンケート調査。その結果として、親の視点で最も重要視するのは燃費ではなく「クルマの安全性」だとアピールする。ここでは都合よく、パパ・ママドライバーとしているが、安全装備はパパ・ママ問わず必要で重要な装備。特定の人が必要としている装備ではない。こういった言い方はともかくとして、安全装備が向上したのはとても喜ばしいことだ。マイナーチェンジ後のセレナから、一部の廉価グレードを除きエマージェンシーブレーキが標準装備されている。エマージェンシーブレーキは、低速での追突被害軽減自動ブレーキであり、カメラが装備されていることから、人も認識する機能も装備されている。
セレナが、パパ・ママドライバーが燃費より安全装備とアピールする理由は、ライバルのトヨタ ノア&ヴォクシーがフルモデルチェンジしたことにある。このモデルには、本格的なハイブリッドシステムが搭載されていて、燃費は23.8㎞/Lとセレナを大きく上回る。ガソリン車でも、同等か若干劣っている状態だ。つまり、セレナは燃費訴求できなくなったのだ。
そこで、何をもってすればノア&ヴォクシーに勝てるのか? と、いう答えがエマージェンシーブレーキという安全装備だ。この戦略は、とても単純。トヨタには、こういった追突被害軽減自動ブレーキが用意されていないからだ。トヨタの安全技術は、今、他車に比べ遅れているからだ。そんな理由から、セレナは安全装備をアピールする。
そんなセレナハイウェイスター S-HYBRIDの価格は、2,568,300円。エマージェンシーブレーキを標準装備して、この価格設定はなかなかお買い得と言えるだろう。さらなる安全装備が装備されたアドバンスドセーフティパッケージ装着車は2,654,400円となっていて、86,100円のアップ。ここまでは納得できるのだが、安全をアピールしていながら、サイドエアバッグ&カーテンエアバッグは94,500円という高額オプションとなっている。このあたりが微妙。安全を本気で考えるなら、サイドエアバッグ&カーテンエアバッグをアドバンスセーフティパッケージにセットとするなどし、安価な設定として欲しいところだ。ぶつからない装備も重要だが、ぶつかったときの装備もセットで考えなければ安全装備としてはあまり意味がない。
エクステリアデザインでは、フェイスまわりが大きく変更された。二段構えのヘッドランプなどは、エルグランド的にも見え、日産のミニバンファミリーの一員であることを明確にしている。全体的に高級感が増し、ひとクラス上の存在感がある。ノア&ヴォクシーが強面系にシフトしたのに対し、セレナは高級感でアピールしている印象だ。また、ハイウェイスターのLEDリヤコンビネーションランプは、S字ラインが特徴的な新デザインを採用され、同様に高級感をアピールする。
インテリアは、あまり大きく変化したところはなく、全体的にカラーの変更が中心。ハイウェイスターGには、新規オプションとして、シートのカラー・素材・パネル加飾を刷新したプレミアムハイコントラストインテリアを設定。より豪華な室内空間を創り出している。その他では、一部グレードを除きスーパーUVカット断熱グリーンガラスをフロントドアに採用。フロントウィンドウ トップシェード、3列目シート用パーソナルテーブルなど使い勝手や快適装備をグレードアップ。ミニバンとしての価値を高めている。このあたりの顧客のツボをよく理解した設定は、日産の得意技だ。
ノア&ヴォクシーという強いライバルがいることで、セレナも燃費をさらにアップ。グレード間で若干異なるが。最高燃費は16.0㎞/L。これはノア&ヴォクシーと同じ。このグレードにオプションを装着して、車重が1,660㎏となると15.4㎞/Lとなる。もちろん、全車エコカー減税免税対象だ。
このクラスの特徴は、競争が激しいことでクルマの進化も凄まじい。ドンドンと使いやすく良いものになりながら、価格アップも抑えられている。さらに、今年はステップワゴンがフルモデルチェンジし参戦予定。まだまだ、5ナンバーミニバンの争いは熾烈を極めることになる。
セレナの買い方は、まずはリセールバリューを考えたい。ハイウェイスターはリセールバリューが高いので、このグレードを選ぶのは必須といえる。両側パワースライドドアも装備したいところだ。実際の選択では、ハイウェイスターかハイウェイスターGのどちらかということになる。基本的に豪華装備差なので、予算と好みで選ぶといい。安全装備面では、アドバンスセーフティパッケージを装着したいところだが、子供の安全を考えるのならサイドエアバッグ&カーテンエアバッグも選びたい。両方選ぶと18万円くらいアップする。少し高価だが、もしものことを考えるのならぜひとも選びたい装備だ。
日産セレナ価格
■2WD
20S 2,184,000円
20X S-HYBRID (エマージェンシーブレーキ標準装備) 2,384,550円
アドバンスドセーフティ パッケージ 2,470,650円
20G S-HYBRID (エマージェンシーブレーキ標準装備) 2,688,000円
アドバンスドセーフティ パッケージ 2,774,100円
ハイウェイスター S-HYBRID (エマージェンシーブレーキ標準装備) 2,568,300円
アドバンスドセーフティ パッケージ 2,654,400円
ハイウェイスターG S-HYBRID (エマージェンシーブレーキ標準装備) 2,841,300円
アドバンスドセーフティ パッケージ 2,927,400円
セレナのカタログ情報
- 現行モデル
- 令和4年12月(2022年12月)〜現在
- 新車時価格
- 276.9万円〜479.8万円
セレナの在庫が現在751件あります
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