メルセデス・ベンツGL
<メルセデス・ベンツの最上級SUV>
メルセデス・ベンツは、ラグジュアリーSUVであるGLクラスを7年ぶりにフルモデルチェンジし、発売を開始した。

メルセデス・ベンツGLは、北米でのSUVマーケットを主軸に開発されたモデル。メルセデス・ベンツには、Gクラスというクロスカントリー4WDが存在した。当時は、Gクラスと入れ替えという見方が強かったが、Gクラスのノスタルジックさが漂うスタイルは根強い人気を得ていたためか、超ロングセラーモデルとなり、今も併売されている。

メルセデス・ベンツGLそんなGL550のボディサイズは、全長5,125×全幅1,980×全高1,850mm。前モデル比で各+15mm、-20mm、-10mmとなっていて、ホイールベース3,075mmと変更はない。ただし、AMGエクスクルーシブパッケージ装着車と、GL63AMGは全長5,145×全幅1,935×全高1,850mmと、さらにひと回り大きくなっている。この大型サルーン並のボディサイズを生かし、GLは7人乗り。高級SUVに相応しいく、2列目シート(左右)には電動イージーエントリー機能を装備し、3列目シートへの乗降性を向上させている。

先代GLは、まだクロカン4WDをイメージさせるワイルドさがあったが、新型のGLはメルセデス・ベンツの最新デザイントレンドを巧みに取り入れ、都会派の洗練されたSUVテイストがより強くなっている。とはいえ、かなり強面なので、この顔がバックミラー越しに迫ってくるとかなりの迫力だろう。

<700Nmという大トルクを発揮する4.7Lターボエンジン>
メルセデス・ベンツGLパワーユニットは、最新世代4.7L V型8気筒直噴ツインターボBlueDIRECT(ブルーダイレクト)エンジン(最高出力320kW/435PS、 最大トルク700Nm)。組み合わされるミッションは、7速ATの「7G-TRONIC PLUS」。ECOスタートストップ機能(アイドリングストップ機能)を備え、燃費は従来モデルに比べ10・15モード比較で約44%向上している。JC08モード燃費は、GL550が7.9km/L。

新型GLには、新たにハイパフォーマンスモデルであるGL63 AMGが追加されている。搭載されるエンジンは、5.5L V型8気筒直噴ツインターボエンジン。最高出力410kW/557PS 、最大トルク 760Nmを発生。新型GL550に対しては、トルクでわずか70Nmしかアップしていないが、パワーは122psもアップしているのが特徴だ。燃費は、7.4km/Lとなっている。

新型GLのボディ重量は、2.5トン超という重量級。こんなクルマがぶつかれば、大きなダメージとなる。そのため、レーダーセーフティパッケージ(Radar Safety Package、RSP)を標準装備。この装備は、5つのミリ波レーダーセンサーと1つのカメラを用いて前方や左右後方の車両など障害物との距離や相対速度を測定。危険とシステムが判断した場合、自動ブレーキを作動させ衝突の危険性を低減する。

<大きなボディでも楽々? 360°カメラシステムを初採用>
GL63 AMG GL63 AMG

また、道路の狭い日本では全長5m超、全幅2mに迫るボディを持つGLを扱うには不便さがつきまとう。そんな使い勝手の悪さと、大きいボディからくる死角の多さを減らすため360°カメラシステムと呼ばれる装備が初採用された。このシステムは、駐車時や狭い道などで、車両周囲の状況を4つのカメラによって俯瞰で確認できる。さらに、縦列駐車時のステアリング操作をサポートする「アクティブパーキングアシスト」を装備し、ボディの大きい新型GLの死角を無くし、安全性を確保すると共に、駐車や取り回しを容易にしている。

新型GLの価格は、1,290万円。GL63 AMGは1,750万円。走行性能的には、700Nmもの大トルクを出すGL550で十分といったところ。オススメは、これに70万円のAMGエクスクルーシブパッケージを付けるといい。全幅が若干広がり安定感が増して見え、よりスポーティで精悍もアップするので満足度は高い。AMGパッケージなどは、高いリセールバリューが期待できるオプション。短期間での乗り換えに有利となるだろう。GL63 AMGは、ポルシェ カイエン ターボなどとも、十分に渡り合えるハイパフォーマンスモデル。あえて、ポルシェ カイエンでなくGL63 AMGという選択もありだ。カイエンよりひと回り大きく迫力があり、7人乗れるというのもメリットだ。

■メルセデス・ベンツGL価格

GL550 1,290万円

GL63 AMG 1,750万円