今回の東京モーターショーの目玉はFT-86コンセプトだ

これから出る新型車のプロトタイプが多数出品される!

 今年の東京モーターショーは輸入車メーカーの大部分が出展を取りやめているので、少々寂しいのは確かですが、そのぶん国産車メーカーが頑張って、様々なコンセプトカーや今後発売されるモデルのプロトタイプを出品しています。

 近未来の技術の予感させるコンセプトカーも面白いと思うのですが、私が東京モーターショーで毎回注目しているのが、近い将来市販化されると思われるモデルのプロトタイプ。やはり市販を目指した出品車は完成度も高く、来場者の注目度を見れば、そのクルマが市販された時に人気が出るかどうかを予想することができるからです。

 そこで今回は私が今年の東京モーターショーで注目している、市販予定のプロトタイプといえるモデルを紹介いたします。

ハチロクの再来と言えるFT-86コンセプトは見逃すな!

FT-86コンセプトはスタイリングもカッコイイ

 今回の東京モーターショーで私が一番注目しているモデルが、この「トヨタ FT-86コンセプト」です。かねてから噂のあったトヨタとスバルの共同開発による小型FRスポーツモデルがこのクルマで、2リットルの水平対向自然吸気エンジンを搭載しています。全幅とホイールベースは現代のスポーツモデルらしく大きくなっていますが、全長はAE86(ハチロク)に近いサイズに抑えられているので、実際に走らせたらかなり楽しそうなクルマです。

 発売予定は2011年ということなので、実際には次回の東京モーターショーあたりで市販バージョンがお披露目されることになると思いますが、全体的なパッケージングやデザインのフォルムは大きく変更されることはないと思われるので、是非とも今回の東京モーターショーからジックリとチェックしておきたい一台です。

ホンダ ハイブリッドのスポーツモデルが遂に登場

CR-Zは来年2月頃には発売されるハズ

 ホンダブースの目玉となる「CR-Z」は、インサイトと同様のハイブリッドシステムに1.5リットルエンジンを組み合わせた、ハイブリッドスポーツモデル。スタイリングはかつてのCR-Xを思わせるハイデッキのハッチバックスタイルで、狭いながらも後席を備えている点もCR-Xと同様。初代インサイトが2シーターだったので実用性がイマイチでしたが、CR-Zは一応4名定員になるので、その点は大丈夫そうです。

 パワートレインも現行インサイトはエンジンが1.3リットルなので多少パンチ力に欠ける感じがありましたが、CR-Zは1.5リットルエンジンになっているので、外観に見合ったスポーティな走りを見せてくれるでしょう。ショーカーが6MTなので、AT以外に6MTも設定されるはずです。市販は来年2月頃という説が濃厚なので、意外に早く街中を走るシーンを見ることができそうです。

レクサスのスーパースポーツカー「LFA」が遂に市販バージョンで登場!

レクサスLF-Aも遂に市販バージョン「レクサス LFA」が登場する!

 レクサスブースでは東京モーターショーのプレスデイ当日に、2シータースポーツモデル「LFA」が世界初披露されました。このクルマはこれまで各国のモーターショーに度々出品されていた「LF-A」の市販バージョン。レクサスを代表する高額なスーパースポーツカーだけに、かなり気合の入った内容になっています。庶民には高嶺の花とはいえ、一見の価値アリですよ。

 レクサスブースではそのほかに、フランクフルトショーで公開された、コンパクトハッチバックハイブリッド車のコンセプトカーとなる「LF-Ch」も登場します。日本ではハイブリッド車の人気が高いので、このモデルもいずれ市販されることになるでしょう。

ダイハツはタント派生モデルの「タント エグゼ」と小型軽の「イース」に注目

新型ハイトワゴンの「タント エグゼ」は完全な市販予定車

 ダイハツブースの注目株は市販予定車として登場する「タント エグゼ」。タントのような広い室内を持った軽ハイトワゴンですが、タントのウリである助手席側のピラーレスのスライドドアは採用されておらず、ずべてヒンジ式のドアになっています。タント同様にすでにカスタムも用意されており、両方のスタイリングを東京モーターショーで見ることができます。ただし、このまま売ってもタントに勝る部分は少なさそうなので、市販する際には戦略的な価格設定になってくるのでしょう。

全長が短い「イース」も発売されそうだ

 ダイハツブースにはもう一台、「e:S(イース)」という車名の軽自動車のコンセプトカーが参考出品されます。「イース」は全長を軽自動車の規制枠よりも約30cm短く設定したコンパクトな3ドア車で、車両重量も最近の軽自動車としては軽量な700kgと発表されています。エンジンは独自の燃焼制御システムを採用し、アイドルストップを組み合わせることで、30.0km/Lの10・15モード燃費を達成しているとのことです。市販化は明言されていませんが、外観やインテリアの完成度が高いので、近い将来市販されるかもしれません。

スズキはフルモデルチェンジ目前の「アルト」が登場

12月に登場予定の新型「アルト」も出品される

 スズキブースでは12月にフルモデルチェンジされると噂されている「アルト」の次期型モデルが登場します。新型アルトは丸みを帯びたキュートなデザインを採用し、インテリアも曲線を多用したポップなデザインに仕上げています。ミッションも今までは3ATが多かったですが、ショーモデルはCVTを搭載しているので市販車にもCVTが設定されるでしょう。アルトと聞くとベーシックな軽自動車の印象が強いモデルでしたが、このスタイリングでCVTを採用しているとなれば、今までのそんなイメージは吹き飛んでしまうでしょう。

日産は新型「フーガ」やEVの「リーフ」が見どころ

力強いスタイリングの新型「フーガ」も登場

 日産ブースでは東京モーターショー後にフルモデルチェンジされる新型「フーガ」や来年発売予定のEV(電気自動車)の「リーフ」が登場する予定です。新型フーガは現行型よりも力強いデザインに進化しているので、東京モーターショーでジックリとチェックしたいクルマの一台。
 EVのリーフも東京モーターショーの機会を逃すと、市販まで見ることができそうにないので要チェックです。日産は最近、来年からタイで生産するマーチの後継車種と噂されているグローバルコンパクトカーのイメージスケッチを公開したので、願わくばそのモデルのコンセプトカーをサプライズ出品して欲しいところでしたが、どうやらこちらはおあずけのようです。

 このように国産メーカーだけでも、近い将来のニューモデル予備軍を何台も見ることができます。今年の東京モーターショーは少し寂しい印象は否めませんが、これだけ面白そうなクルマが多数出品されますので、是非とも会場に足を運んでみてください!

達人プロフィール: 岡島裕二
職業:モータージャーナリスト
自動車雑誌や自動車サイトを経験後、2003年よりフリーとなった若手ジャーナリスト。今まで乗ってきたクルマすべてが中古車という、根っからの中古車好き。レース経験もあるほか、一級船舶免許ももつなど乗り物全般に興味をもっている。

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