総合評価
スバル レガシィツーリングワゴン 走り アウディ A4アバント 走り
スバル レガシィツーリングワゴン
アウディ A4アバント
松下宏

今回のレガシィはボディサイズの拡大をどう見るかによって評価が大きく変わる。日本向けには明らかに大きすぎるサイズになったが、そのことによって余裕十分の室内空間を生むなどのメリットも得ている。走りのフィールは従来にも増して大きく向上し、自然吸気+CVT、ターボ+5速ATとも気持ちのいい走りが可能だ。

メルセデス・ベンツやBMWとは違う新しい価値を提示するブランドとして同等か、ときにはそれ以上の評価を得ている。日本だけでなく世界でも、ほとんどアウディだけが好調な販売を続けているのは評価の高まりを端的に示すものだ。レガシィとは価格差もあるので当然のことだが、クルマとしての魅力でも総合的に上位に立つ。

片岡英明

5代目はDセグメントのど真ん中に直球勝負を挑んだ。ボディサイズは大きくなったが、取り回し性は悪くない。ただし、背を高くしたアウトバックは立体駐車場を使えないことも多そうだ。走りの実力は高められたが、デザイン面でレガシィらしい軽快感が失せたのは残念。また、内装などにコストダウンが見て取れる。

先代は小ぶりだったが、最新モデルは大きくなり、キャビンも満足できる広さと快適性を手に入れた。走りの洗練度も高められている。エクステリアだけでなくインテリアも上質な仕立てだ。高額車であるから当然だが、国際商品として高い実力を備えている。グランドツアラーとしての資質の高さはレガシィを凌ぐほどだ。

国沢光宏

今までレガシィのユーザー層は「プレミアム性」を高く評価してきたのだと思う。けれども新型になって、アコードやアテンザと同じ「仕上がりのいい普通の大きいクルマ」になってしまった。ライバル車も多い。「あえてレガシィを選ぶ理由が弱くなった」と言い換えてもよかろう。果たして順調に売れ続けるだろうか?

評価では高い点数を付けたものの、日本市場だと価格で「お話になりません」。機能や性能で言えばレガシィと互角ながら(実際、欧米では同じ価格帯になる)、日本で買おうとすれば2倍! アウディの熱烈なファンじゃない限り、そこまで高い金額は出せない。BMW3シリーズやベンツCクラスという手強いライバルも存在する。

TOTAL
122点
トロフィー 129点