フォルクスワーゲン ゴルフ6
派手さはないものの、進化は着実
気になる質感も大きくアップ
世界のFF2ボックスのベンチマークとして、初代より君臨してきたフォルクスワーゲン ゴルフ。もちろんそれは最新の6代目になっても変わらない。ボディサイズは全長で5mm。さらに全幅は30mmも拡大されて1790mmとなっており、ひと回りほど拡大された。とはいえ、ベースの基本骨格は先代をキャリーオーバーしており、デザインもフロント部分に若干の変化があるものの、変わった感はあまりないというのが正直なところ。 もちろんそれがゴルフ6の持ち味であり、安心できる点だろう。そのパッケージングは奇をてらわず、質実に徹したもので、前後シートともしっかりと余裕をもって座ることができるのはやはりゴルフ6ならではといったといったところ。全体の質感もさらに高められているのだが、今までは少々さみしかっただけに、これも6代目のトピックスのひとつだろう。 そして、今やパッケージングに加えて、ゴルフ6の名を揺るぎないものにしているのが、エンジン&パワートレイン系だ。この点も先代譲りで、TSI+DSGの組み合わせを継承。TSIはコンフォートラインがターボのみのシングルチャージ(120ps/20.4kg-m)。ハイラインはスーパーチャージャーとターボのツインチャージ(160ps/24.5kg-m)となる。その内容には磨きをかけているのだが、とくにミッションは大きく進化した。 先代ではシングルチャージのDSGは6速だったのが、今回は7速のみの設定となっている。また7速の場合、クラッチは乾式(6速は湿式)で、この制御もより熟成が図られ、ギクシャク感はほぼ完全に消され、より滑らかな走りを実現している。
[エコ&燃費] 1.4リッター+ターボ過給。さらに7速DSGとの組み合わせという先代と同じスタイルながら、さらに磨きをかけてシングルだけでなく、ツインジャージですら、16km/L台という驚きの燃費を実現しているのはさすが。
[安全性能] もちろん電子制御を大量に装備。横滑りを防止するESPは最新のプログラムを投入する。左右の路面状況に差がある場合でも安定させるDSRや発進をスリップしやすい路面での発進を助けるなどをESPが総合制御している。
[取材時実測燃費] 12.2km/L
[フォルクスワーゲン ゴルフ6価格帯] 275.0〜312.0万円 |
![](https://221616.com/corism/common/img/spacer.gif) |
アルファロメオ ミト
アルファロメオ初のカテゴリー
ターボで、走りと省燃費を両立
従来の147よりもひと回り小さく、ベースとなったのはフィアットのグランデプントで、アルファロメオとしては初のカテゴリーだけにベイビーアルファと呼ばれていたりもする。ただし、そのスタイルは超プレミアムモデルである8Cをモチーフしたもので、とくにフロントまわりを中心に独特な丸みを帯びたデザインでまとめられている。少しばかりマーチっぽく見えてしまうが……。 インテリアもクラスを感じさせない高級感が漂う。単眼式のメーターや丸いエアコンの吹き出し口なども毎度のアルファロメオテイストである。シートは標準のファブリックに加えて、ポルト・ロウナ・フラウ製の表皮を使ったレザーシートも用意されており、こちらのほうがじつにアルファロメオらしい。予算に余裕があればオススメのオプションだ。 走りに関しては、相変わらずATが用意されない(できない)ので、6速MTのみというのは国内での使用を考えるとさみしいところ。ただエンジンはグランデプントの1.4リッターにターボを組み合わせたもので、155psものパワーはパンチも十分。クロスしたギア比もあって、キビキビとした走りを楽しむことができる。このあたりはアルファロメオの真骨頂だ。 また注目なのは、D.N.A.システムと呼ばれる装備でボタンひとつでダイナミック/ノーマル/オールウェザーの3つのモードを選ぶことができるのだが、ダイナミックを選ぶとブースト圧が変わり、トルクが3kg-mもアップし、パワステのアシスト量も変化することでよりスポーティな味わいが高まるといううれしい装備だ。
[エコ&燃費] エコ技術に関しては完全に出遅れているイタリア車。ミトもご多分に漏れず、とくにこれといった技術を採用していない。せいぜい小排気量であるということぐらいか。効率のいいミッションという点でも未だにMTのみというのはさみしい。
[安全性能] 一方、安全性については力が入っている。横滑りを防止するVDCだけでなく、7つのエアバッグや坂道発進をアシストするヒルホールドシステムなどを採用する。ユーロNCAPで5つ星を獲得している。
[取材時実測燃費] 11.3km/L
[アルファロメオ ミト価格帯] 285.0万円 |