【トヨタプリウス対ホンダインサイト徹底評価】ザ・対決比較試乗

総合評価

トヨタプリウス

ホンダインサイト

松下宏

エンジンを1.8リッターに拡大し、さまざまな改良が加えられたものの、THS IIそのものはキャリーオーバーで、今ひとつインパクトに欠ける面がある。とはいえ優れた燃費性能を発揮できる点で断然優位に立つのがプリウスで、時代を象徴したクルマであるのは間違いない。さまざまな走りのモードなど、クルマとしての魅力も十分。

ハイブリッド車として初めて200万円を切る価格が設定されたのは大きな注目点。ガソリン車に対してリーズナブルな価格差でハイブリッド車を作れることを示したクルマでもある。その意味で、初めてのリアリティのあるハイブリッド車になった。クラスの異なるプリウスと比較したら負けるが、インサイトにも存在意義はある。

片岡英明

モーターアシストやアイドリングストップは異次元の走行感覚だ。3代目は排気量アップによって余裕を増し、実用燃費も向上した。EVモードの領域が広がり、うまく使えば一段と良好な燃費を期待できる。ゴーストップの多い走行シーンでは敵なしだ。魅力的なファミリーカーだが、プラグインハイブリッドへの期待も膨らむ。

都市部の走行シーンではプリウスにかなわない。が、高速クルージングの多いユーザーなら燃費の満足度は高いだろう。また、フツーのファミリーカーの感覚でステアリングを握れるし、ブレーキも自然なタッチだ。プリウスより自動車らしいのがインサイトの魅力である。もう少し内装の質感が向上すれば一段と輝きを増す。

国沢光宏

もし半年以上待てるというなら基本的にプリウスを考えるべきである。現時点ではクルマの質感も燃費も快適性も価格もプリウス優勢。将来乗り換える時のリセールバリューだってプリウスが優勢。インサイトを買いつつ、プリウスをオーダーしておくという手もあるか？　最悪の場合、キャンセルしたっていいと思う。

現時点ではデザインを除くすべての点でプリウスに届いておらず。価格や装備の見直しを含め、早急に商品力アップを図るべきじゃなかろうか。今買うなら値引き交渉を！　ちなみにフィットのハイブリッドを待っている人も多いようだけれど、どうやらデビューが来年の秋になる模様。スポーツタイプのCR-Zは来年の早春です。