ROUND2:達人によるコダワリ評価

評価するのはこの達人たち
松下 宏

小さくて軽く、誰でも買える価格帯、そして燃費がよいということを信念としてクルマを評論。大本命といわれている車種さえ外してでも自らの信念を貫き通す熱いハートをもつ。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員としても、その信念は変わらない。

片岡 英明

学校の先生から自動車雑誌編集者経て、モータージャーナリストになったという異色の経歴を持つ。元教師ということもあり、分かりやすい評論に定評がある。さらに、クルマの細部まで見逃さない観察力はハンパではなく、徹底的に調べ上げてしまうほど。最新のクルマから、ヒストリックカーまで幅広い知識をもつ。

国沢 光宏

歯に衣を着せぬ原稿で、なにかと話題の自動車評論家。歯切れの良い文章も分かりやすく、多くのファンをもつ。カートップやベストカーなど多数の自動車雑誌に寄稿するだけでなく、WRCなどのTV解説まで幅広い活動を行なっている。

コダワリ評価GO!
エンジン
Engine
BMW 750Li
レクサス LS600hL
BMW 750Li 4.4リッターV8ツインターボエンジン レクサス LS600hL 5リッターV8エンジン
松下 宏

エンジンだけの性能ではレクサスよりも優位に立つのがBMW750Liの4.4リッター直噴ツインターボ。低速域からトルク感のある走りを実現し、重量ボディを余裕で引っ張っていく。

9点

V8 5リッターエンジンとモーターを組み合わせたハイブリッドのパワーソースは圧倒的な性能を発揮する。静かで滑らかに盛り上がっていくパワーフィールは上々のものだ。

10点
片岡 英明

4.4リッターのV8ツインターボはパワフルだ。低回転域からあふれるようなトルク感を味わえる。ただし、パワーをもて余す場面も。740iに積まれている3リッターのツインターボはしつけがいい。

9点

スムーズで、静粛性も世界トップランク。LS460はBMWと比べるとトルクの細さを感じさせる。が、兄貴分のLS600hLはモーターの後押しによって異次元のパワフル感覚。

9点
国沢光宏

ターボエンジンということでアクセル踏んでからのタイムラグがあるんじゃないかと思う人もいるだろうけれど、まったく気にならないレベル。絶対的なパワーも使い切れないほど。

8点

BMWと同じV8エンジンながら、こちらは停止してればエンジン止まってます。走り出しはモーターのみ。少なくとも180km/hまでの速度域ならすべての点において快適。

10点
SUBTOTAL
26点
29点
ミッション
Transmission
BMW 750Li
レクサス LS600hL
BMW 750Li シフトレバー レクサス LS600hL シフトレバー
松下 宏

ATのフィーリングは上々のレベルである。シフトレバーがセンターコンソールに戻ったので、積極的に操作することで、スポーティなドライブを楽しむこともできる。

9点

ハイブリッドシステムならではの無段変速のトランスミッションは極めて滑らかで、極上のフィーリングを実現している。この走りの味は、ほかのクルマでは得られないものだ。

10点
片岡 英明

先代の7シリーズと同じZF製の6速ATだが、つながりは滑らかになり、山岳路などでの制御も緻密になっている。ATセレクターレバーがフロアに移され、使いやすくなった。

7点

LS460は電子制御の8速AT、LS600hLはハイブリッド用電気式無段変速機を採用する。これはCVT並みに滑らかでレスポンスも鋭い。面白みがないと感じさせるほど自然だ。

9点
国沢光宏

ごく一般的なトルクコンタイプのAT。ベンツの7速ATや、レクサスの8速ATと比べても優位点はなし。もちろん悪いというワケじゃないけれど、書くべきことはありません。

6点

トヨタ方式のハイブリッドなので、スタートはモーターのパワー。走り出すとエンジン始動。そのまま滑らかに速度の上昇とリンクして回転が上がっていく。極上のスムーズさ。

10点
SUBTOTAL
22点
29点
足回り
Suspension
BMW 750Li
レクサス LS600hL
BMW 750Li 走り レクサス LS600hL 走り
松下 宏

足まわりに関してはやはり一日の長を感じさせるのがBMW。妙な硬さを感じさせない乗り心地のよさと同時に高い操縦安定性を実現している。4WS機構も安定性に貢献する。

10点

標準ボディのバージョンSは外観から想像される以上に軽快感のある走りを実現し、ロングボディのLは極めて快適で優れた乗り心地を示す。ともに上々の足まわりである。

9点
片岡 英明

5mを超えるビッグサイズと3mを超える長いホイールベースだが、フットワークは軽やかだ。ボディの大きさを意識させない。乗り心地もランフラットタイヤとは思えない上質さ。

9点

日常の使用域で良好な乗り心地を目指しているが、BMWと比べるとしなやかさ、軽やかさとも今一歩の印象。扱いやすいが、ステアリングを通してのインフォメーションも薄味だ。

7点
国沢光宏

19インチタイヤを履くグレードについちゃBMWらしくてスポーティ。18インチのロングボディはいわゆる「旦那仕様風」となっており、リヤシートに乗るなら快適だ。

8点

やや正確さに欠けるステアリングフィールながら、リヤシートに座っていれば関係なし。ハンドルを握るよりもリヤの方がずっと快適。ロングボディなら一段と「苦しゅうない」。

6点
SUBTOTAL
27点
22点
デザイン
Design
BMW 750Li
レクサス LS600hL
BMW 750Li フロント レクサス LS600hL フロント
松下宏

一見してBMWとわかる外観デザインはやや保守的な印象も受けるが、従来に比べれば彫りの深くなったボディサイドのラインなど、躍動感を感じさせる部分もある。

8点

大柄なボディの割に、やや存在感が薄いのはフロントグリルの厚さが薄いためか。インテリアデザインは高い質感を示すが冒険した部分はなく、オーソドックスな印象が強い。

8点
片岡英明

クリス・バングルが手掛けた先代は超のつく個性派だった。新型は上質ムードが高まったが、コンサバな印象を受ける。インテリアも合理的になったが、味わいは薄まった。

7点

奇をてらわないオーソドックスなデザインだ。アクの強さがなく、手堅いデザインだから受け入れやすい。リヤコンビランプなどのデザインも美しい。インテリアもコンサバだ。

8点
国沢光宏

先代は迫力大王系のデザインを採用していたものの、新型になって肩のチカラ抜けたのかオシャレになった。ただし新世代BMWに共通するこの顔つきは好みが別れると思う。

7点

なかなか押し出しが利く。BMW 7シリーズやメルセデス・ベンツ Sクラスの横に停めても負けてはいない。とくにロングボディはなかなかの存在感。キチンとオーナーのプライドを満足させてくれます。

8点
SUBTOTAL
22点
24点
プレミアム度
Premium
BMW 750Li
レクサス LS600hL
BMW 750Li エンブレム レクサス LS600hL エンブレム
松下 宏

独特の存在感のある外観デザインやインテリアまわりを中心にした入念な作り込みが印象的で、いかにもプレミアムブランドらしい仕上がりだ。高級車を作り慣れている。

10点

レクサスブランドを象徴するモデルとして高いプレミアム性を表現する。日本車としては群を抜く存在であり、欧米の高級車とも競合できるレベルにまで仕上がっている。

10点
片岡 英明

BMWのフラッグシップだが、遠目からだと新型7シリーズとわかりにくい。これがマイナスだが、乗り込んでしまえばプレミアムな走りを見せつける。先進の装備も数多く搭載した。

8点

トップグレードの600h系ハイブリッドカーはヘッドランプやリアコンビランプなどを差別化し、一段と高いプレミアム性をアピールした。とくにロングボディは目を引く。

9点
国沢 光宏

メルセデス・ベンツ Sクラスと比べられてしまうと弱い。LS600hLとのチカラ関係も微妙。元々プレミアム度を追求したブランドじゃないですから。自己満足出来るなら高得点です。

8点

人気イマイチながらプレミアム度はメルセデス・ベンツ Sクラスに迫る。LS600hL(とくにロングボディ)なら、メルセデス・ベンツ S550と同等のプレミアム度をもっていると考えていいだろう。

9点
SUBTOTAL
26点
28点