総合評価
BMW 750Li 走り レクサス LS600hL 走り
BMW 750Li
レクサス LS600hL
松下宏

高級車としての伝統を守ると同時に、革新的な要素ももつのがBMW7シリーズの特徴。日本車がほとんど諦めてしまった4WS機構を改めて採用してきたことなどにも驚かされる。直噴エンジンとツインターボによる効率の高さなど、これからの時代の高級車のあるべき姿を提示してみせたという点も注目に値するポイントだ。

日本車の水準を超えた高級車に仕上げられた。とくに静かさや滑らかさはレクサスブランドが提示してきた高級車の新しい価値であり、それを最高の形で表現したのがLS600hLといえる。ただ、大柄なボディとハイブリッドシステムのため、車両重量があまりにも重くなってしまったのは難点。もっと軽く作れないものか。

片岡英明

排気量を小さくし、ツインターボを装着して先代以上に気持ちいい走りを実現している。また、フットワークと乗り心地にも磨きがかけられた。VIPカーであっても、このクルマはドライビングカーだ。とくにダイナミック・ドライビング・コントロールを装着した7シリーズは一体感が濃密。キャビンは広く、上質感も負けていない。

今までにない先進性を強くアピールしているが、高級車としての個性はちょっと物足りない。だが、ハイブリッドカーならではの感動的な走りを味わえる。ステレオカメラ付きプリクラッシュセーフティやリヤシートエンターテイメントシステムなど、装備内容も老舗ブランドに負けていない。日本では使い勝手のいいプレミアムカーだ。

国沢光宏

メルセデス・ベンツ Sクラスにも言えるコトながら、今や日本だと大パワーエンジンを搭載する意義がない。7シリーズなら3リッターターボエンジンを搭載する740Liで十分じゃなかろうか。BMWの6気筒、V8と同等以上に滑らかに回ってくれます。価格だって250万円も安い。浮いた予算でプリウスなどいかがでしょうか?

LS600hを買うなら多少高くなってもロングボディを選びたい。このクルマのリアシートに座り、マークレビンソンのプレミアムサウンドシステムで映画なんか見ていたら2時間程度の移動などあっという間。忙しくてなかなか見られない『プリズンブレイク』や『ロスト』の最新版も(24も始まります)堪能できる。

TOTAL
123点
トロフィー 132点