ライター紹介

自動車評論家

国沢 光宏 氏

歯に衣を着せぬ原稿で、なにかと話題の自動車評論家。歯切れの良い文章も分かりやすく、多くのファンをもつ。カートップやベストカーなど、多数の自動車雑誌に寄稿するだけでなくWRCなどのTV解説まで幅広い活動を行なっている。

新型プリウス、乗り心地が良いのは意外にもこのグレード!

3月15日に「新型プリウスのGを買うのでよろしく」と超早期にオーダーした甲斐あり、5月30日の納車となった。嬉しいことは嬉しいのだけれど、直近になって様々なことが解ってきたから複雑な心境だったりして。以下、紹介しよう。
 まずグレード。5月26日に行った試乗会で驚いたのだけれど、新型プリウスはグレードによって乗り心地やステアリングフィールが全く違うということが判明した。2タイプのパワステと2タイプのショックアブソーバーが存在するからだ。
 簡単に言えば、15インチタイヤ仕様を選べば、従来型プリウスと同じブラシ付きモーター式電動パワステ+従来型と同じショックアブソーバーとなる。「良い」と言えない乗り心地や、中央付近がやや頼りないステアリングフィールを従来型から引き継ぐ。
 17インチタイヤ仕様を買うと、シャープでステアリングフィールも良い最新型ブラシレスモーター式電動パワステ+乗り心地の良い防振型ショックアブソーバーという組み合わせ。したがって本来なら15インチより乗り心地良くなるハズなのだけれど、タイヤが硬いため「まぁまぁ」という感じ。
 しかし! 15インチ仕様にソーラーベンチレーションシステムを付けると、ショックアブソーバーが防振型になるのだった(パワステはブラシ付き)。こいつに乗ってみたら乗り心地フェチの私でさえ納得できるレベル。ソーラーベンチレーションを付けておくべきでした。ステアリングフィールの良い17インチを買い、オークションで15インチ買った人とタイヤ+ホイールを交換するという作戦なんかも面白かったか?(17インチ仕様に15インチがそのまま装着できるか未確認です)
 いずれにしろこれからプリウスをオーダーするなら、このあたりも考えることをすすめておく。

初期生産車の常か・・・気になるあれこれ、そして燃費は!?

新型プリウス、最初の燃費表示は「27.8km/L」

また、ディーラーオプションで付けたレーダークルーズコントロール(プリクラッシュセーフティとセットで14万7千円)は、先行車の追随モードに入るや敏感過ぎて使いづらいのなんの! 絶えず前後方向にGが出るし、少し車間空けばアクセルをガバッと開けて加速します。
 その他、初期生産車の常で、ボディパネルの隙間が場所によって全く違う。このあたりは「人より早く乗れる」ことを喜ぶか「仕上がりの良いクルマを買いたいか」とのバーター。初期生産車を買った人がドンドンダメ出しをすることにより、良いクルマに仕上がっていきます。レーダークルーズコントロールやクルマの仕上がりだって徐々に良くなって行くハズ。参考までに書いておくと、私が買った先代プリウスも初期生産車。3回リコール出ちゃいました。これからオーダーするような人は、「完成度の高いプリウス」に乗れると思います。
 肝心の燃費は、納車された日に練馬区の自宅から横浜の赤レンガ倉庫まで(一般道10kmと流れの良い首都高52kmという走行距離)を普通に走ってリッター27.8km/L。デキの悪いクルーズコントロール使った割にゃまぁまぁかと。

ちょっとばかりズレているボンネットの右端

ボンネット左側のほうはまあ合っているのだけれど

判りづらいけれど、リアバンパーとリアフェンダーも段差あり