新型「Volkswagen Golf TSI Highline」 エクステリア

わずか5年余りで世代交代したNEW ゴルフ

フォルクスワーゲン グループ ジャパン ゲラシモス・ドリザス 代表取締役社長(左)と記念撮影に応える、フォルクスワーゲン AG 研究開発部門 Dr.ハラルド・ルダネック 車両開発・試作担当専務

 フォルクスワーゲンの主力モデル「ゴルフ」が早くもフルモデルチェンジを実施。4月14日より発売を開始する。今から35年前の1974年に登場した初代 VW ゴルフから数えて、今回の新型で6世代目となる。現行型5代目ゴルフのデビューが04年6月だったから、およそ5年で新型に切り替わったことになり、日本車並みのモデルサイクルとなった。
 6代目 新型 ゴルフは、ボディ骨格やサスペンションなど基本的なプラットフォームは、ボディ剛性や高い操縦安定性などで定評ある5代目 ゴルフから継承したが、さらなる熟成を図り生まれ変わっている。特に新型で注力されたのが「静粛性」の向上だった。風切り音の低減や遮音材の追加、コンフォートタイヤの採用などに加え、同クラスでは珍しい遮音機能を持つフロントウィンドウなどの採用など多岐に渡る。またクラスレスなプレミアムカーとしても愛用されるゴルフに相応しく、インテリアの質感向上についても配慮が加えられた。
 エクステリアについては、ルーフ以外のボディパネルを一新した。デザインを手掛ける際に、ワルター・デ・シルヴァ氏が率いるフォルクスワーゲンのデザインチームが気を配ったのは初代が持つシンプルさだった。水平基調のラジエターグリルデザインで「ゴルフらしさ」を表現。そしてフェンダーからボディサイドのショルダー部、そしてテールランプへとつながる明確なキャラクターラインを通した。サイドモールも廃されたことでシンプルになったが、それでいてエレガントな印象も与える。新型 ゴルフ発表に際しドイツ本国より来日したフォルクスワーゲン AG 研究開発部門 Dr.ハラルド・ルダネック 車両開発・試作担当専務は、このシンプルなボディラインも「ボディの組み付け精度に自信がなければ出来ないことだ」と胸を張る。

1974年にデビューした初代 VW ゴルフ(右)と並ぶ6代目 新型 ゴルフ
1974年にデビューした初代 VW ゴルフ(右)と並ぶ6代目 新型 ゴルフ。イタリアの名デザイナー、ジウジアーロが代表作だと誇る初代ゴルフのシンプルなデザインは、新型デザインの際にも大いに参考にされたという。
新型ゴルフ「TSI Comfortline」グレード
新型ゴルフ「TSI Comfortline」グレードのエクステリア。左右独立式フルオートエアコンや本革ステアリング・シフトなどを採用した豪華版だ。ゴルフファンには、先代の前期モデルまで存在した「GLi」グレードをイメージすると分かりやすいかもしれない。
新型ゴルフ「TSI Highline」グレードのリアビュー
コチラは上級グレード「TSI Highline」のリアビュー。スポーツシートや17インチアルミ、パドルシフトなどスポーツ性を高めながらオプションで本革シートがセレクト出来るなど、先代ゴルフで言うと「GT」グレードに相当する位置づけとなる。

歴代VW ゴルフ史上最高の低燃費、10.15モード燃費16.8km/Lをマーク!

新型ゴルフの上級グレード「TSIハイライン」用に搭載されるハイパフォーマンス版1.4リッター4バルブ TSI ツインチャージャー(スーパーチャージャー+インタークーラー付きターボ)エンジン

 新型ゴルフのメカニズムについては、パワーと燃費・環境性能を両立させるフォルクスワーゲン自慢の高効率「TSI」テクノロジーがさらに進歩を遂げた。搭載されるTSIエンジンは当初2タイプ。エントリーグレード「TSIコンフォートライン」に搭載されるのは1.4リッター 直噴 シングルチャージャー(インタークーラー付きターボ) TSIエンジン。7速乾式デュアルクラッチトランスミッション「DSG」と組み合わせられる。最高出力122ps(90kW)/5000rpm、最大トルク20.4kg-m(200N・m)/1500-4000rpmをマークし性能面でも十分な実力を誇りながら、 10.15モード燃費で16.8km/Lと、歴代ゴルフで最も優れた低燃費性能を誇る。
 いっぽう上級グレード「TSIハイライン」には、1.4リッター4バルブ TSI ツインチャージャー(スーパーチャージャー+インタークーラー付きターボ)エンジンを搭載。今回新たにこのハイパフォーマンスエンジンにも7速DSGが組み合わされた。最高出力160ps(118kW)/5800rpm、最大トルク24.5kg-m(240N・m)/1500-4500rpmと高性能ながら、10.15モード燃費で16.2km/Lと、こちらも十分に低燃費だ。
 新型ゴルフでは、安全性能についてもさらに進歩を遂げた。評価基準が変わりさらに厳しくなった欧州の衝突安全基準「EURO NCAP」において最高レベルの5つ星を獲得している。ボディ側の改善に加え、フロント・サイド(前後左右席)・カーテン・ニーエアバッグと、9つのエアバッグの採用により、衝突時の乗員保護性能が向上した。また、ぶつからないための安全デバイスについても、横滑り防止装置ESPやコーナリングライトの装備に加え、オプションのリアビューカメラの採用などでさらなる安全運転の支援を図る。
 価格は「TSIコンフォートライン」が275.0万円。「TSIハイライン」が312万円(ともに消費税込み)。ちなみに、4月より始まったエコカー減税「環境対応車普及促進税制」については、残念ながら2タイプとも対応していない。
 なお、スポーツグレードとして人気の高い「GTI」については、09年末にかけて導入される予定となっている。

フォルクスワーゲン 新型 ゴルフ「TSI Highline」 リアシート
「TSI Highline」のリアシート。リアのシートベルトには、今回新たに着用検出システムが追加され、走行中にシートベルトが外された場合警告音や表示灯が点滅する。
フォルクスワーゲン 新型 ゴルフ「TSI Highline」 フロントシート
写真の「TSI Highline」は、オプション設定される運転席8ウェイパワーシート+レザーシートの組み合わせ。標準装備ではアルカンタラ&ファブリックのスポーツシートとなる。
フォルクスワーゲン 新型 ゴルフ「TSI Highline」 インパネ
エアコンやオーディオなどの操作系にも見直しが入り、より直感的な操作が可能となった。またクロームのアクセントが入るなど、インパネ全体の質感向上も目覚しい。
「TSIコンフォートライン」に搭載される1.4リッター 直噴 シングルチャージャー(インタークーラー付きターボ) TSIエンジン
「TSIコンフォートライン」に搭載され、驚異の低燃費を誇る1.4リッター 直噴 シングルチャージャー(インタークーラー付きターボ) TSIエンジン。
7速乾式デュアルクラッチトランスミッション「DSG」
今回登場した新型ゴルフの2グレードともに採用されるのが7速・乾式デュアルクラッチトランスミッション「DSG」。
フォルクスワーゲン純正のアクセサリーでドレスアップされた展示車両
フォルクスワーゲン純正のアクセサリーでドレスアップされた展示車両。さりげないエアロパーツがプレミアムハッチ「ゴルフ」の雰囲気にマッチする。
4月9日に都内で行われた6代目 新型 ゴルフ発表会場の模様
代表グレード
Volkswagen NEW Golf「TSI Comfortline」
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高)
4210x1790x1485mm
車両重量[kg]
1290kg
エンジン
「TSI」直列4気筒 DOHC 4バルブ インタークーラー付きターボ 直噴エンジン
総排気量[cc]
1389cc
最高出力[ps(kw)/rpm]
122ps(90kW)/5000rpm
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm]
20.4kg-m(200N・m)/1500-4000rpm
トランスミッション
7速DSG[乾式デュアルクラッチトランスミッション]
10・15モード燃焼[km/l]
16.8km/L
定員[人]
5人
消費税込価格[万円]
275.0万円
発売日
2009年4月14日
レポート
CORISM編集部 徳田 透
写真
フォルクスワーゲン グループ ジャパン/CORISM編集部

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