総合評価
マツダ ビアンテ エクステリア ホンダ ステップワゴン エクステリア
マツダ ビアンテ
ホンダ ステップワゴン
松下宏

個性的なデザインを採用し、走りの性能に優れたミニバンであるのが特徴で、この点では実にマツダ車らしいクルマといえる。ただ、デザインも走りもファミリー向けのミニバンにふさわしいものかどうかとなると疑問の余地がある。2008年に登場したモデルなのに後席中央に3点式シートベルトが装備されないのは何たることか。

かつては5ナンバーミニバンの中で一番人気のモデルだったが、今では日産 セレナやトヨタ ノア/ヴォクシーの後塵を拝している。全体にごく普通のミニバンという感じで、デザインにしても走りにしても、特徴的な部分を見つけにくいのが難点。強いていえば低床プラットホームに基づくパッケージングがステップワゴンならではか。

片岡英明

2リッターモデルを直噴エンジンとし、2WDモデルはATも5速としている。動力性能と実用燃費に不満はないが、ホールドモードの使い勝手は今一歩。慣れを必要とする。乗り心地がよく、高速直進安定性もいいなど、ファミリーミニバンとしての実力は高い。キャビンはサードシートでも十分な広さを確保した。安全装備は物足りない。

マイナーチェンジで2列目にキャプテンシートを加えた。また、余裕ある2.4リッターモデルを用意しているなど、他にはない魅力がある。VSA(横滑り防止装置)やフローリングフロアなどを設定し、予算と好みに応じて選べるのもいい。乗り心地はちょっと硬質になったが、シートの座り心地はいい。荷室の拡大にはコツを必要とする。

国沢光宏

スバル エクシーガを見ると価格競争力で勝負すべく相当に戦略的なプライシングをしてきたものの、ビアンテの場合、むしろ割高な価格設定としてきた。今や価格も強力なアピールポイント。せめてライバルモデルと同等の見積もり金額にならないと、勝負の土俵に立てない。台数を売りたいなら値引き拡大か、特別仕様車を早急に!

走り重視のユーザーなら相当魅力的なモデルだと思うのだけれど、いかんせん3列目シートの居住性やラゲッジスペースをトヨタ ノア/ヴォクシーや日産 セレナと比べられてしまうと厳しい。正直なトコロ、あまり広くないのだ。ただ価格設定がリーズナブルだし、値引きも頑張ってくれる。コストパフォーマンスで選ぶなら、現在もっともお買い得です。

TOTAL
111点
トロフィー 118点