話題の新型車を賢く買う方法、教えます。
マツダ 新型ビアンテ

ミニバンは90年代の中盤から普及を開始し、今や売れ筋のジャンルだ。
それに伴い、ミニバンの中でも人気の格差が広がりはじめた。
売れ筋は全高が1700mmを超えるフラットフロア構造のハイルーフモデル。
ルーフの低いミニバンは伸び悩み傾向だ。
そして以前からマツダが用意していたMPVとプレマシーは、両車とも全高が1700mmを下まわる。
従って苦戦を強いられていた。
そこで08年7月にビアンテを投入したわけだ。全高は1835mmに達し、まさに売れ筋路線。
発売後1か月で、月販目標台数の2倍以上に相当する6000台を超える受注も獲得した。
今後、マツダの国内販売を支える基幹車種になるだろう。

◆本文:渡辺陽一郎
◆データ協力:ガリバー自動車研究所

知の巻:ビアンテが人気の理由

デザインに走りの楽しさを表現した個性的なフロントマスクの<ビアンテ>。
クラス最大の室内空間を誇り、工夫次第で様々な使い方ができる!
マツダ ビアンテ
リセールバリュー: 43%〜51%

 ビアンテは設計の新しいミニバンだから、数年後の下取査定も有利になる。
 しかし、トップクラスではない。ミニバンは実用的なファミリーカーとあって5ナンバー車が求められるが、ビアンテはプレマシーのプラットフォームを使ったために3ナンバー車。フロントマスクの個性も含め、今後の人気は未知数となる。
 従って売れ筋ジャンルのハイルーフミニバンながら、下取査定も有利になるとは断言できない。マツダにとってはボンゴフレンディ以降、久々に登場したハイルーフミニバンでもあり、市場の評価を確定しにくい面が残る。
 その結果、ビアンテの3年後の下取査定は、新車時の43〜51%程度という予測だ。08年に登場したミニバンでは決して高くないが、日本車全体の平均的な下取査定は、3年後の段階で新車時の35〜45%程度。そこを踏まえれば、有利な部類に入るだろう。個性的な外観、快適な居住性などが気に入ったなら、購入に値するクルマといえる。

 ビアンテは両側にスライドドアを備えたハイルーフミニバンだが、ライバル車と違ってフロントマスクが個性的。その背景には2つの意味がある。まずはマツダ車の統一的な表現だ。先代アテンザ以降のマツダ車は、デザインでも走りの楽しさを打ち出している。それをビアンテでも表現すべく、フロントマスクに個性を持たせた。
 2つ目の理由は、クルマ造りの都合に基づく。ルーフの高いミニバンは海外では売れず国内専売。そうなると多額の開発コストを費やせず、プレマシーとプラットフォームを共通化した。一般的なハイルーフミニバンは、燃料タンクをカバーできる位置まで床を持ち上げ、フラットフロアの構造を取る。従って前側は「上げ底」になるが、プレマシーのプラットフォームでは基本骨格が邪魔をしてペダルと床を高められなかった。従ってフロント側の床は低い。そうなるとサイドウインドーのマド枠も下げねばならず、ボンネットとの間にサイドラインの段差ができてしまう。このフロントマスクは、ボンネットとサイドウインドーの段差で生じる視覚的な違和感をカバーするデザインでもあるのだ。
 ちなみに前側の床が低いから厳密にはフラットフロア構造ではないが、段差は2列目の下側に隠した。床が低い分、フロントシートの乗り降りはしやすい。このようにビアンテは、さまざまな苦労を乗り越えて開発された。
 居住性はルーフの高いミニバンらしく優れている。特に注目されるのが3列目の座り心地だ。ほかの車種では左右に跳ね上げて格納するが、ビアンテは座面だけを持ち上げて前に寄せる方式。座り心地にボリューム感を持たせた。
 この方式のデメリットは3列目を格納した時に荷室奥行が短くなることだが、「リビングモード」の活用で解消される。これは3列目の座面を持ち上げても前に寄せず、2列目を大きく後方へスライドさせる機能。本来の目的は2列目の足元空間を広く取ることだが、この状態ならばスライドドアから自転車も積み込める。車内の最後部ではなく、中央部分の広い足元空間を荷室として活用するわけだ。工夫次第でいろいろな使い方が楽しめる。

マツダ ビアンテ

SPECIFICATIONS

[代表グレード: 23S]
■ 全長×全幅×全高: 4715×1770×1835(mm)
■ エンジン型式:L3-VE型
■ 排気量:2260(cc)
■ 最大出力:165(ps)
■ 最大トルク:21.4(kg-m)
■ 定員:8(人)

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比の巻:ライバル研究

リセールバリューの面で大きくリードをとる<ノア>に
05年の登場ながら、依然売れ行きが堅調な<ステップワゴン>。

VS トヨタ ノア

トヨタ ノア
リセールバリュー: 57〜67%

 ミドルサイズのミニバンで、姉妹車のヴォクシーと同様、好調に売れている。エンジンはビアンテの主力グレードと同じく2000ccだ。取りまわし性に優れた5ナンバーボディ、上質な内外装、多彩なシートアレンジなどが高人気を支える柱になっている。
 しかも、登場したのは07年6月。セレナやステップワゴンよりも設計が新しく、高人気と併せて下取査定も有利になる。3年後の段階で、新車時の57〜67%という予測だ。
 ちなみにこの下取り比率は、ドイツ車まで含めても高水準で、売却時に有利なクルマとなった。ミニバンのユーザーは、就学年齢に達した子供を持つ家庭が中心だ。出費が多い時期に当たるので、優れたリセールバリューは大きなメリットになる。

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VS ホンダ ステップワゴン

ホンダ ステップワゴン
リセールバリュー: 49〜58%

 ステップワゴンは今やミニバンの定番モデル。現行型は3代目に当たり、05年の登場ながら売れ行きは堅調だ。最近は同じ時期に投入されたセレナに販売面で差を付けられているが、それでもホンダの国内販売を支える重要な基幹車種に位置付けられる。
 3年後の下取査定は、新車時の49〜58%という予測。大人気のノアほどではないが、ビアンテの予測値は上まわっている。
 ちなみに下取査定で有利なグレードは、エアロパーツを装着したスパーダ。最近のミニバンでは、スパーダのようなスポーティグレードの人気が高い。価格もアップするが、下取りに出す段階で、ある程度は取り戻せるだろう。

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選の巻:オススメ乗り換えプラン

最後発の強みを生かした使い勝手! 普通のミニバンでは満足しない人にオススメ!!
オススメグレード
23S(\2,650,000)
★★★
オススメオプション
HDDナビ(パイオニア)(\243,400)
★★★
オススメボディカラー
ブリリアントブラック ★★★
合計 オススメオプションを装着した場合の
リセールバリュー
\2,893,400 43%〜51%
ガリバー自動車研究所所長

ガリバー自動車研究所
鈴木詳一 所長

 最広ミニバンとしてマツダからデビューしたビアンテの売りは室内の広さです。最後発の利点を活かし、ライバル車を徹底研究。3列目シートをスライド式にすることで女性でも簡単に後席空間を荷室にチェンジすることが可能です。マツダらしいクルマ作りが随所に表れたクルマに仕上がっています。また、ライバルよりも長いボンネットやフロントガラス付近まで伸びるヘッドライト・ウィンカーのデザインなど、独特のデザインは好みは別れるものの、マツダらしさが出ているといえます。普通のミニバンに満足できないユーザーにおススメです。

極の巻:中古車購入には…

中古車なら現行<エスティマ>の人気グレード「アエラス」が狙える!
ひとクラス上のゆとりを手に入れてみては?
■ エスティマならリセールバリューの面でもオススメ!

トヨタ エスティマ アエラス 2006年式

トヨタ エスティマ アエラス 2006年式
中古車相場:
260万円 〜 300万円
(2008/8現在)

 ビアンテもおススメグレード「23S」ともなるとメーカーオプションのナビを加えると300万円を超える価格に。しかし中古車なら同じ予算で、現行エスティマのエアロ付人気グレードである「アエラス」が買えます。エスティマはビアンテのひとクラス上で質感や高級感が高く、トヨタらしい上手いクルマ作りがされており、スタイルも飽きのこない先進的なものが取り入れられています。多人数で乗ることの多いミニバンなら上位クラスの方がゆとりがあり、数cmの差が快適性に大きく影響します。また、ビアンテはリセールバリューも低いため、将来の乗換えを考えても値崩れしにくい人気のエスティマの方がおススメです。中古車ならオプション品のナビ付モデルを安く購入することも可能です。

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マツダ ビアンテ
( 23S )
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