総合評価
スバル エクシーガ フロントマスク マツダ プレマシー フロントマスク
スバル エクシーガ
マツダ プレマシー
松下宏

スバルが作った3列シート車らしいクルマに仕上がった。7人がしっかり乗れると同時に、軽快感のある走りを実現するのが特徴で、ミニバンに必須の乗り心地のよさと操縦安定性の高さとを高い次元で両立させたのがスバルらしい。後席中央の3点式シートベルト+ヘッドレストなど、安全装備の早期充実化を望みたい。

月に2000台程度と、一定の売れ行きは確保しているものの、全体に印象の薄いクルマになっているのが実情。際立って特徴的な部分がないためだ。6+ONEのコンセプトもまともに座れない2列目中央席を作っただけのことで、とくに評価できるものではない。それよりも安全装備を重視すべきなのはエクシーガと同じである。

片岡英明

並みのミニバンでは飽き足らない人やワゴン感覚のマルチパーパスカーを欲しがっている人には待望の1台になるだろう。路面に関わらず安心感のある走りを見せる。4WDだけでなくFF車の実力も高い。また、ターボ車を設定しているのも魅力のひとつだ。ただし、横滑り制御システムは2.0GTだけにオプション設定となる。

最新モデルはダイナミック性能に磨きがかけられた。インパネまわりがスッキリとし、スイッチの操作性も改善されているなど、真面目な改良は好印象だ。6+Oneのシート配列やカラクリシート機構などは使いこなすのに多少のコツがいる。2リッターモデルの実力が高くなったので2.3リッターモデルは影の薄い存在。名より実を取る人にはいい。

国沢光宏

スバル車には珍しく、お買い得プライスのFF車からフル装備の4WDターボ車まで幅広いモデルラインナップをもっている。ベーシックモデルならストリームとさえ勝負できるほどのコストパフォーマンスを誇っているし、一方、上級グレードについては300万円超のミニバンと正面から戦えるだけの実力を有す。

いいクルマなのだけれど、3列目シートの居住性に代表されるように"詰め"が甘く、ブランドイメージの構築もしっかりとできていないのが現実である。関東地区などでは、ミニバンを買うときの候補車リストにすら登場しないのではないかと思う。現在のマツダに出されている「宿題」のすべてがこのクルマに凝縮されている感じ。

TOTAL
トロフィー 124点
109点