フロントマスクの上質感がアップした新型Bクラス

国産コンパクトカーだとちょっと期待はずれに終わる?

B200ならインテリアの質感も高い

 少しずつガソリンの価格は下がってはきていますが、昨年から比べれば高値が続いています。そのため最近では大きなミニバンやセダンから、コンパクトカーや軽自動車に乗り換える人が増えてきています。

 ただ、大きなクルマからコンパクトカーに乗り換えると、走りや内外装の質感が一気に安っぽくなってしまい、ちょっとゲンナリしてしまう人も多いようです。確かに国産のコンパクトカーだとコスト最優先みたいなクルマも多いので、ミドルサイズのクルマから乗り換えると、その差は大きく感じてしまうでしょう。

 そんな人にオススメなのが、先日マイナーチェンジを行ったメルセデスベンツのAクラスとBクラスです。この両車なら内外装の質感も高く、走りもメルセデスらしい上質なフィーリングに仕上がっているので、ふたクラス上ぐらいのクルマから乗り換えても高い満足度を得ることができるでしょう。

Aクラスはエクステリア全体の質感をアップ!

グリルが大きくなりベンツのエンブレムも拡大されて高級感をアップ

 Aクラスは1998年にベンツ初のコンパクトハッチバック車として登場。そして2005年には2世代目となる現行型にフルモデルチェンジを行いました。現行型は初代に比べて内外装の質感を大幅に高め、メルセデスらしい上質なコンパクトカーに成長しました。Aクラスは購入者の約5割が女性というほど、メルセデスの中では女性比率の高いモデルです。

 そんなAクラスがフェイスリフトを中心としたマイナーチェンジを行いました。フロントグリルを大型化し、グリル中央のエンブレムも大きくなったので、よりメルセデスらしい高級感を獲得。リヤもコンビランプが短くなって、スッキリとしたスタイリングになりました。

A170はセミオートエアコンなので豪華さは控えめ

 インテリアは大きな変更点はありませんが、標準装備されるオーディオが6.5インチのモニター付きになりました。そのためそのモニターを生かすことで、11万5500円高という低価格で、ディーラーオプションのナビが付けられるようになったのも嬉しいニュースです。

 ただし、従来まで3タイプ用意されていたエンジンは最もベーシックな1.7リットルだけになってしまいました。とはいえ1.7リットルでも、日常的な市街地走行ではアクセルを深く踏み込まなくてもCVTがスムーズな加速を引き出してくれるので、それほど力不足を感じることはないでしょう。

新型はリヤビューもスッキリしたスタイリングになった

 登坂路や高速の流入時など、パワーを必要とする場面での加速感はほどほどですし、ハンドリングもメルセデスの中ではダルな設定なので、ピシッと走る印象はありませんが、高速走行中の静粛性の高さや乗り心地の良さは、さすがメルセデスと思わせてくれるものがあります。

 ボディが小さいのでBクラスほどの使い勝手の良さはありませんが、そのぶん取り回しに優れているので、気軽に乗れる質の高いコンパクトカーが欲しい人には最適でしょう。

Bクラスはエレガントなフロントマスクに変身!

グリルが大型化されより存在感が高まった新型Bクラス

 Bクラスは現行Aクラスのプラットフォームやパワートレインを共用しながらも、全長をAクラスよりも390mmも長くすることでEクラス並みの優れた後席の居住性と、ワゴンのような広々としたラゲッジスペースを実現しています。

 デビューは現行Aクラスよりも約1年遅い2006年だったのですが、その使い勝手の良さから今ではAクラスの2倍近い販売台数を記録しています。

AB両車にモニター付きのオーディオが付き、ナビは11万5500円高で装着できるようになった

 そんなBクラスもAクラスと同時にマイナーチェンジを実施。フロントマスクの中央部分を少し尖ったような形状に変更し、フォグランプ周りのデザインもEクラス風に仕上げているので、マイナー前よりもエレガントな顔つきになっています。内装はシート表皮の変更程度ですが、Aクラスと同じモニター付きのオーディオが標準装備されました。

リヤバンパーの下に黒いガーニッシュが追加された

 BクラスにはB170、B200、B200ターボと従来と同じ3タイプのエンジンを設定。今回は中間グレードのB200に試乗してみましたが、やはりA170よりは2ランクぐらい動力性能に余裕が感じられ、登坂路でも力強く走ってくれました。


 タイヤが17インチになるので、路面の悪い場所では多少突き上げ感が残りますが、そのぶんフットワークの安定感が高まっているので、ワインディングでも安心して走ることが可能です。

Bクラスはラゲッジもステーションワゴンよりも広い

 Bクラスは室内も広く、ファーストカーとしても使うことができるパッケージングなので、ダウンサイジングの人はもちろん、初めてメルセデスを買う人にもオススメできるクルマです。

新車が高ければ中古車という手もアル!

マイナー前のAクラスなら120〜130万円ぐらいから販売されている

 今回からAクラスは価格帯が多少上がり269〜305万円という設定になり、Bクラスは少し下がって299〜420万円という設定になりました。メルセデスの中では低価格ですが、やはりコンパクトハッチバックの中では、かなりの高級車といえるでしょう。

 これでは予算が厳しいという人でも、中古車ならだいぶリーズナブルな価格に下がってきています。Aクラスなら120〜130万円台で手に入る物件もあり、Bクラスでも200万円台前半で探すことができるようになってきました。今後はマイナーチェンジの影響もあり、さらにお買い得感を強めていくでしょう。

マイナー前のBクラスも200万円台前半から探すことが可能

 エクステリアデザインはマイナー後のモデルのほうが洗練されていますが、インテリアは大きな変化がなく、搭載されているパワートレインも共通なので、中古車でもAクラスとBクラスの高いプレミアム感を味わうことは可能です。

 大きなクルマからダウンサイジングする際は内外装の質感が高く、メルセデスらしい快適性を持ったAクラス&Bクラスのようなコンパクトカーを選んでおきましょう。そうすればダウンサイジングしても充実したカーライフがおくれるはずです!

written by 岡島裕二

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