ビアンテはインテリアデザインも相当に個性的だ。メーターパネルはドライバーの正面ではなく、やや左側に寄せて配置されている。センターメーターを採用したノア/ヴォクシーほどではないが、運転中に少ない視線移動で自然に目を向けることのできる位置にメーターが配置されている。
カーナビの位置は、最近のクルマの中ではやや低い感じもあるが、インスト中央の上部に配置されていて、これも自然に目を向けることができる。
室内空間は相当に広い。ミドルクラスの1BOX系ミニバンの中でも最も広い室内を持つのがビアンテだ。ワイドボディにしただけでなく、全長も4715mmという3ナンバーサイズにしたことが、広い室内を作ることにつながっている。このクラスでは室内の広さが売れる要素のひとつとなるだけに、ビアンテではこの点が特に重視されたようだ。
結果として、2列目シートは左右にスライドするほか、前後のスライド量は最大で700mmを超えるほどになった。ただし、シートベルトとの関係でこのスライドは前と後ろのどちらかでしか停止させることができない。前で停止したときには通常のシートベルトを、後ろで停止させたときには3列目用のシートベルトを使うことになる。この状態では3列目のシートは座面がチップアップされていて座れないから、2列目の人がシートベルトを使っても問題ないのだ。
ただ、2〜3列目のシートの中央席には3点式シートベルトとヘッドレストが装備されていない。シートスライドやアレンジを考えるより前に、乗員がきちんと座れる安全な座席を用意することが大切だと思う。
価格設定がやや抑えめになっていることもあって、快適装備はオプション扱いになるものも多い。両側電動スライドドアは23Sには標準だが、ほかグレードにはオプション設定だし、カーナビやSRSサイド&カーテンエアバッグ、アドバンスドキーレスエントリー、オートライトなどはいずれもオプションだ。