低燃費エコタイヤなのに粘りあるグリップ!
これだけガソリン価格が高騰すると、「燃費によいことは何でもやってやるぅ」という気になっている人は少なくないだろう。ガソリン節約法はいろいろあるが、燃費に効くタイヤに交換するのもなかなか有効だ。
そんなときグッドタイミングでイタリアのピレリからチントゥラートP4とチントゥラートP6というタイヤが2008年夏に発売された。
タイヤの転がり抵抗を20%低減し、実際のクルマの燃費では約2.9%向上するという。30年くらい前の転がり抵抗を小さくした低燃費タイヤは、グリップが低くなって安全性が問題になってしまったが、ピレリ・チントゥラートはハンドリング性能を犠牲にしないで低燃費を実現しているところが凄い。
エコタイヤなのに富士スピードウェイのショートサーキットで試乗会と聞いて耳を疑ったが、実際に走ってみるとサーキット走行も楽々こなせるぐらいの粘りのあるグリップを持っている。急激なレーンチェンジもなんなくこなし、ブレーキの利きも良い。
【日産 マーチ試乗】ハンドルに手応え!動きにダイレクト感!
一般道も走行した。
日産マーチに165/70R14 81TというサイズのチントゥラートP4を履いた。まず走り始めてハンドルがしっかりしているので安心して走れた。直進のときの中央付近の遊びが小さく、少し切ったところから確実に応答性の反応がある。電動パワステのはずだが、ハンドルから伝わる手応えもしっかりしていて動きにダイレクト感がある。
【フィアット パンダ試乗】どこまでも付いてくるグリップ!
フィアット パンダには165/65R14 79TというサイズのチントゥラートP4を履かせた。こちらもハンドルの手応えがあり、コーナリング時のタイヤが粘ってグリップする感触がなかなか良かった。タイトターンでもハンドルを切り込んでいくとクルマの鼻先もどんどん内側に入っていく。大げさにいえばどこまでも付いてくるグリップという感じだ。
【フォルクスワーゲン ポロ試乗】細いタイヤでもデメリットなし!
フォルクスワーゲンのポロは日本仕様では185/60R14であるが、本国仕様の標準である165/70R14 81Tを履いた。タイヤは細い方が抵抗が小さくなるから有利だが、グリップ不足になる心配がある。しかしポロには165/70の方が合っていると思った。応答性は適度なシャープさがあり、しっかりとしていてコーナーを攻めていっても粘りのあるグリップで安心感が高いのが良かった。乗り心地はソフトすぎず腰があるが、ダンピングが良いので揺れは少ない。タイヤが細くなったことによるデメリットはなく、メリットだけ受け取れるようだ。
燃費が向上したP6!
大きなサイズとスピードレンジが上のクラスはP6が受け持つ。こちらはこれまでのP6と同じトレッドパターンを持っているが、トレッドコンパウンドはまったく新しくなって燃費が良くなっている。
チントゥラートP4もP6も2010年から欧州で使用が制限されるアロマティックオイルを、前倒しで2008年から使わないで製造している。ピレリは転がり抵抗を小さくして燃費のいいタイヤを造るだけでなく、製造するときからエコロジーを考えているメーカーなのだ。