スズキ ワゴンR  画像 エクステリア フロント

ガソリン200円時代に選ぶクルマ

 ガソリン価格が200円に達しそうな今、一部ではクルマを手放すという選択をしている人もいる。人によってはそれが正しい選択になるケースがあるかも知れない。しかし、生活必需品としてクルマを手放せない人も多い。だから、クルマをそう簡単には手放せない人も多いのではないか。
 だとしたら、リッター200円時代には、より維持費を抑えたクルマ選びが必要になる。クルマそのものの価格の安さを追求するのもひとつのポイントで、それと同時に買った後の維持費が安上がりになるクルマを選ぶことだ。
 そう考えたとき、日本には軽自動車という強い味方がある。
 軽自動車はボディサイズやエンジンに一定の制約が設けられているが、その反面価格そのものが安いし、税制面を始めとする各種の優遇措置が設けられていて、登録車(軽自動車ではない普通のクルマ)に比べると買った後の維持コストが格段に安上がりになるからだ。
 最初に軽自動車の価格についてだが、全体的に登録車よりも安い。登録車では新車価格が100万円を切るクルマは数えるほどしかないが、軽自動車にはたくさんある。軽自動車でも高いクルマはと150万〜180万円というような例もあるが、新車の売れ筋価格帯は90万〜110万円くらいにある。

 

中古車で買えば軽自動車はさらに安上がり

 これが中古車ならさらに安くなる。中古車は新車価格を基準に、主に年式に応じて安くなっていくほか、個々の中古車のコンディションによって相場に違いが出るが、いずれにしても新車に比べると安い。
 古くなればなるほど安くなるので、30万円を切るような価格帯でも買えるが、あまり古い中古車は品質面での不安が高まるので、年式と品質、それと価格とのバランスをしっかり判断することが必要だ。それ以前に、信用のおける販売店を選んで、きちんとした保証の付いた中古車を選ぶことが肝心となる。
 良く言われることに、軽自動車の中古車は値落ちが少なくて割高ということがある。これはある程度当たっている。価格だけでなく維持費も安い中古車を求めるユーザーが軽自動車の中古車を狙うケースが多いため、人気が高くて相場が高めになる傾向が強いのは確かだ。
 人気のない登録車の中古車だったら、値落ち率がずっと多いケースはしばしば見受けられるが、そういう中古車を買っても軽自動車の中古車に比べて得になるわけではない。リッター200円時代には軽自動車の中古車が狙いだ。

高速道路料金から整備費などなど、軽自動車の維持費や想像以上に安い!

 軽自動車はボディが小さくて軽く、エンジンの排気量も小さいから、基本的に燃費が良い。
 ガソリン200円時代には小さくて軽くて燃費の良いクルマを選ぶのが基本だ。
 維持費も軽自動車は安上がりだ。エンジンが小さいのでエンジンオイルの使用量も少なく、オイル交換のときのコストが安く上がる。同じように乗っていた場合の一般的な整備費も、定期点検から車検に至るまで、軽自動車は安い。ディーラーでも整備工場でも、各種整備料金の料金表を掲げているのを見れば、軽自動車が安上がりになるのが分かる。
 クルマに直結する部分だけでなく、たとえば高速道路料金も軽自動車は登録車に比べると安いし、フェリーに乗ることがあるならサイズの小さい軽自動車は安くなる。例外的な話になるかも知れないが、月極め駐車場代だって軽自動車しか止められないようなスペースなら安く上がる。

 

5年で13万円以上安い! 自動車税、年間27300円安の軽自動車

 このほか良く言われるのが税金で、1500cc車だと年間3万4500円かかる自動車税が、軽自動車税だと年間で7200円ですむ。
 新車購入時に負担する自動車取得税も登録車は5%なのに軽自動車は3%ですむ。車両価格が安い上に料率も低いから二重に安くなる。
 新車購入時や車検時に負担する自動車重量税も1500cc車だと3年分で3万7800円になるが、軽自動車なら1万3200円ですむ。

自動車保険料3年で10万〜20万円もお得!

 さらに安いのが自動車保険料だ。自賠責保険料が安いのはもちろん、事故を起こす可能性が低くて発生する損害の少ない軽自動車は保険料率が安く設定されている。保険料は加入の仕方や保険会社によってさまざまなので簡単には表せないが、車両保険まで加入するなら3年間で10万〜20万円の違いになる例はザラにある。

3年でなんと、50万円以上も節約可能!?

 税金と自賠責保険料の部分だけで、軽自動車と1.3L車では3年間で10万円以上の違いが出るが、これに任意の自動車保険料分まで加えると、3年間で30万円くらいの違いになるケースがある。さらに高速代や整備費用が加われば、3年で50万円の差というケースも出てくるのだ。
 このようにいろいろ面で安上がりなのが軽自動車だ。だからこそ年間で新車が200万台も売れ、中古車はそれ以上にたくさん売れている。

 今こそ、軽自動車の中古車を買うときだ。

ガッチリ節約可能な狙い目、軽自動車はコレだ!!

スズキ ワゴンR

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軽自動車の販売ランキングでトップを続ける売れ筋モデル。中古車の流通量も豊富で選びやすい。

スズキ アルト

スズキ アルト 画像 エクステリア フロント

低価格の軽自動車として定評があるだけでなく、中古車相場も割安なのが大きな魅力。

ダイハツ ムーヴ

ダイハツ ムーヴ 画像 エクステリア フロント

ワゴンRの対抗モデル。モデルサイクルの関係から旧型モデルの中古車流通量が増加中。

ダイハツ ミラ

ダイハツ ミラ 画像 エクステリア フロント

軽自動車の定番商品のひとつ。中古車相場の安さとクルマの良さとのバランスに優れている。

三菱 eKワゴン

三菱 eKワゴン 画像 エクステリア フロント

新車価格自体が安くて中古車相場の値落ちもやや大きめなのが魅力。

三菱 i(アイ)

三菱 i(アイ) 画像 エクステリア フロント

クルマとしての魅力は極めて高いレベルにある。新車は価格が高いのが難点だが、中古車なら相場も下がっている。

スバル R2

スバル R2 画像 エクステリア フロント

トールボーイ系ではなく、室内もムダに広くはない。燃費も含めてデキの良いクルマだが、人気薄な分だけ相場も安い。

ダイハツ ネイキッド

ダイハツ ネイキッド

人気薄で絶版車になったクルマだが、クルマのデキはけっこう良かった。中古車の流通量が少なめだが、見つかれば買い得車も。

達人プロフィール: 松下 宏
職業:自動車評論家
中古車の業界誌から自動車誌の編集者を経て、自動車評論家に。誰でも買える価格帯であり、小さくて軽く、そして燃費がよいということを信念として評論。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員としても、その信念は変わらない。そのため、大本命といわれている車種さえ外して...