クライスラーのボイジャーは初代モデルが1980年代に登場し、ミニバンの元祖となったモデル。今では世界中でたくさんのミニバンが販売されているが、そのルーツとなったクルマがボイジャーだ。
乗用車系のプラットホームを採用し、3列のシートは中央のウォークスルーを可能とするなど、ミニバンに必須の要素はボイジャーから始まったといっても良い。
現在では標準ボディのボイジャーとロングホイールベースのグランドボイジャーとが設定されているが、日本へは大柄なボディを持つグランドボイジャーのみが輸入される。これは国産の上級ミニバンと明確な差別化を図るためだろう。
ボディはいかにも大きい。全長が5mを超え、全幅は2mを超え、ホイールベースは3mを超えるのだから、半端ではない大きさである。そのためもあって外観デザインはやや大味なイメージを与える部分もあるが、ボディ全体からくる存在感は相当なものだ。
フロントグリル回りのデザインはクライスラーらしいというか300Cを連想させるものがある。これは担当デザイナーが300Cと同じであることも影響するとともに、大胆さや力強さといったクライスラーとしてのアイデンティティーが表現された部分でもある。