トヨタはクラウンのフラッグシップモデルとなるハイブリッドを発売した。
クラウンハイブリッドは最新の技術を投入し、驚異的な燃費性能とクラウンらしい快適な走りを実現したモデル。通常モデルとの仕様の違いや、ハイブリッドモデルで気になる走行性能について詳しく解説している。
- この記事の目次 CONTENTS
- 1.達人「松下 宏」が斬る!
- 2.専用アイテム満載でさりげなくハイブリッドらしさを演出
- 3.クラウンハイブリッドのエクステリア&インテリア
- 4.パワフルでスムーズな走りと優れた低燃費を実現!
- 5.走行性能も十分に高いクラウンハイブリッド
- 6.クラウンハイブリッドのスペック情報
1.達人「松下 宏」が斬る!
達人「松下 宏」が5つの評価軸を用いてクルマを評価。

2.専用アイテム満載でさりげなくハイブリッドらしさを演出
2月にクラウンの発表が行われた際、ハイブリッドも同時に発表されていた。しかし、発売はやや遅れて連休明けになり、実際に試乗車が用意できたのがこのタイミングだった。
専用装備で標準クラウンとは異なる外観
ハイブリッドは外観からして標準のクラウンとは異なっている。
専用のフロントグリルにアスリート系のエアロバンパーを装着し、ヘッドライトなども専用のものが用意された。リヤもコンビランプにクリアカバーが採用されるなど、さりげなく違いを示すような差異が設けられている。

オーナーの満足度が高まるメーター
運転席に乗り込んでドアを閉めると、全面液晶のファイングラフィックメーターが「動き出す」。
クラウンのシルエットが3方向から映し出され、さらにスターターボタンを押すとクラウンの文字が浮き上がり、メーターパネルがくるくる回りながら立ち上がってくる。まさに「動き出す」という表現がぴったりのお迎え演出だ。これを見ただけでオーナーの満足度は高まるだろう。
走りのモードによって色が変わる演出も
このメーターパネルはナイトビューを装着したクルマで表示する際に使われる。走りのモードによってメーターのリング部分の色が変わるといった、いろいろな演出が施されている。
また、ナビの一部を取り込むなど、相当に進化したメーターである。

エンジンを使用しないEVモード
スターターボタンを押しても、通常の場合エンジンは始動しない。
状況によっては始動することもあるのだが、普通の状況なら最初はエンジンを使わずにEVモードで静かに走り出すことが可能だ。深夜や早朝に出かけるときなど、周囲に迷惑をかけないで走り始めることができる。エンジンがかかっていないので周囲だけでなく、車内も相当に静かだ。
エンジン始動後の静粛性に優れるクラウンハイブリッド
走り出した後しばらくしてエンジンがかかった後の車内も十分に静粛性は高い。
だが、そもそもクラウンが高いレベルにあるので、ハイブリッドの静かさが際立って優れているという印象ではない。乗り込んですぐにドアを閉じたときの遮断感も同様だ。
3.クラウンハイブリッドのエクステリア&インテリア
クラウンハイブリッドのエクステリア&インテリアについて詳しく解説。
専用の装備で通常モデルと差別化したエクステリア
エクステリアは基本的に通常モデルと共通だが、クリアタイプのリヤコンビランプなどを採用し、さりげなく差別化が図られている。

専用のヘッドランプやグリルを装着し、精悍なイメージを与えてくれるフロントマスク。バンパーはアスリートと同形状のモノを採用する。

ミッションはレクサス GSにも搭載されている電子制御の無段変速式。各部の改良やギヤ比の変更により約10%も燃費が向上している。

文句なしの質感の高さのインテリア
インテリアのデザインは標準モデルと共通で、いかにもクラウンらしい高級感を感じさせるもの。質感の高さは文句なしのレベルを実現した。

フロントシートはサイズもゆったりとしており、長距離ドライブでも快適に過ごすことができる。本革の手触りもよく、高級な印象を与えてくれる。

リヤシートのスペースは十分広く快適にくつろげる。電動のリクライニングはもちろん、シートヒーターも装備し居住性の高さは文句なしだ。

ハイブリッドシステムを搭載する関係で、ラゲッジスペースはやや狭くなっている。それでも実用上不満のない広さは確保されている。

全面液晶のファイングラフィックメーターを採用しており、走行モードによってメーターのリング部分の色が変わるなどの演出が施されている。

スターターボタンを押すとクルマのシルエットやロゴが浮かび上がり、メーターパネルが回転しながら浮かび上がってくる。

4.パワフルでスムーズな走りと優れた低燃費を実現!
その気になってアクセルを踏み込めば、ハイブリッドの走りは実にパワフルなものだ。V型6気筒3.5Lエンジンの動力性能だけでも296ps(218kW)を発揮する。
その他に、電気モーターの200ps(147kW)が加わるのだから、馬力に換算すれば500psに近い性能を持つ。システムとして発揮できる数値は異なるものの、相当な実力を持つパワートレーンであることは間違いない。

システムそのものは先にGSに搭載されたものと同じで、FR用のハイブリッドシステムだ。
ギア比を変更したほか、各部の改良を進めたこと、車両重量の違いなどによって、燃費性能はGSに比べて10%程度向上している。
滑らかで良くしつけられた感じの加速感
加速感については、GSが極めてダイナミックな加速感を感じさせたのに対し、クラウンハイブリッドでは少し味付けの違った滑らかな走りのフィールを実現している。
電気式CVTによってどこまでも加速が伸びていく感じは同じだが、むやみにパワフルな感じではなく、良くしつけられた感じの加速感を感じさせるのだ。
クラウンらしく柔らかな乗り心地
乗り心地はいかにもクラウンらしい柔らかめのもので、サスペンションがしっかり仕事をして優れた乗り心地を実現する。
スポーツモードを選択すると、加減速の応答性やステアリングのギア比などとともに、ショックアブソーバーの減衰力が変わるので、乗り味もやや硬めのものになる。
オプション装着では700万円近い価格に
ハイブリッドの価格は600万円を超える。
それにナイトビューを含めたプリクラッシュセーフティシステムをオプション装着すると、80万円を超えるので700万円近い価格になる。これを装着しないなら、インテリジェントパーキングアシストやクリアランスソナーをオプション装着すれば十分なので、630万円程度に収めることもできる。
ハイブリッドと最新の装備を考えると納得の価格
それにしても相当に高いクルマという印象だが、ハイブリッドの価値とさまざまな最新装備・仕様が用意されることを考えると、この価格も納得すべきものだろう。
5.走行性能も十分に高いクラウンハイブリッド
エンジンだけでも296psを発生するだけに、動力性能の高さには驚かされる。それでいて15.8km/lの燃費を実現したのはさすがだ。

スポーティな走りだけでなく快適性も重視
18インチのタイヤ&ホイールを標準装備する。かなりスポーティな走りが楽しめるのはもちろん、快適性や燃費性能も犠牲にはしていない。

パワフルでとても滑らかな加速感が味わえる。走りのモード切替スイッチをスポーツにすれば、走りも十分に楽しむことができるのだ。

6.クラウンハイブリッドのスペック情報
クラウンハイブリッドのスペック情報は以下の通り。

代表グレード | ハイブリッド |
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 4870×1795×1470mm |
車両重量 | 1840kg |
総排気量 | 3456cc |
最高出力 | 296ps(218kw)/6400rpm |
最大トルク | 37.5kg・m(368N・m)/4800rpm |
ミッション | 電気式無段変速機 |
10・15モード燃焼 | 15.8km/l |
定員 | 5人 |
税込価格 | 619.0万円 |
写真 | 和田清志 |
クラウンのカタログ情報

- 現行モデル
- 令和5年11月(2023年11月)〜現在
- 新車時価格
- 730.0万円〜830.0万円
クラウンの在庫が現在49件あります
以下車両の保証内容詳細は画像をクリックした遷移先をご確認ください。