ライター紹介

モータージャーナリスト

こもだ きよし 氏

日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)、JAF交通安全委員会委員、セーフティドライビング・インストラクター・アカデミー会長、警察庁運転免許制度に関する懇談会委員、BMWドライバー・トレーニング・チーフインストラクターなど、多数の肩書きをもつ。しかし、実は単純にクルマを運転すのが大好きというモータージャーナリスト。そのため試乗記などは、いかにちゃんと楽しく走れるかがテーマ。走りに関して超一級の分析力をもつ。

保守派な「ロイヤル」!走りが得意な「アスリート」!

 日本で一番歴史があるクラウンが第13代目のモデルチェンジを施した。先代のZEROクラウンになったとき、サスペンションを硬くして走りを盛り上げたから、これまでのクラウンのイメージから大きく変わった。
しかし今回のモデルチェンジは、ZEROクラウンを熟成した感じだ。ベースのシャシー部分では共通パーツもあるが、そのセッティングは大きく異なる。エクステリアデザインも全面的に変更されている。
その結果、乗り味としては、走りの荒々しさはなくなり、しなやかで静かな乗り心地を実現している。
 大きく分けるとロイヤルサルーンとアスリートの2車種になる。5月になると遅れてハイブリッドが登場する。ロイヤルサルーンは保守派で、伝統のクラウンそのもの。アスリートはその名の通り走りを得意とするモデルだ。ちなみにマジェスタはこれまでのままで残る。
エンジンはロイヤルサルーンは2.5リッターと3リッター、アスリートは2.5リッターと3.5リッターが選択できる。

クラウン アスリート 外観フロント

クラウン アスリート 外観バック

クラウン アスリート インテリア インストルメントパネル

クラウン ロイヤル エクステリア フロント

クラウン ロイヤル エクステリア リヤ

クラウン ロイヤル インテリア インストルメントパネル

クラウン ハイブリッド エクステリア フロント

クラウン ハイブリッド エクステリア リヤ

クラウン ハイブリッド インテリア インストルメントパネル

より実用的なエコドライブ支援!

 宮崎県のシーガイヤを基地にして、最初に乗ったのはアスリート3.5だ。タイヤは225/45R18 91Wという偏平サイズのブリヂストン・ポテンザRE050Aを履いていた。しっかりしたグリップによって一般道はもちろん高速道路でも常時安定して走れるから安心感が高い。電動式パワーステアリングはセンター付近がやや手応えが軽いが、これも燃費をよくするためなので、もう少し熟成を待たなくてはならない。
 シートのバックレストが2cmほど高くなったので、ボクのように胴が長いドライバーにとっては背中のホールド感が向上したので良くなった。
 走行中ドライバーから見るドアミラーの感じが違って見えた。Aピラーから離してミラーとピラーの間が空いているから、交差点などで曲がるときに死角が少なくなるというメリットがある。本来の目的は風切り音の低減だそうだ。ミラーの鏡は見やすいが、ミラーのボディ部分も大きく見えるところが新しい感覚だ。
 エコドライブ支援はクラウンのオーナーにとっても嬉しい装備だろう。平均燃費がインジケーター中央に大きく表示されたり、アクセルペダルの踏み方(加速の仕方)でエコドライブを越えてしまっているかがチェックしやすいグラフを表示したり、判りやすくエコドライブをするように誘導している。これまでのエコドライブより範囲を広めて、実際のエコドライブに役に立つようになった。セレクターレバーの後ろ側にはエコモードスイッチもあり、これを押すとアクセルペダルのレスポンスが鈍くなり踏み方が多少乱暴でもエコドライブしやすくなる。

クラウン アスリート エクステリア リヤ

クラウン アスリート インテリア インストルメントパネル

クラウン アスリート タイヤ ホイール

クラウン アスリート エンジン

クラウン ロイヤル エクステリア フロント

クラウン ロイヤル エクステリア リヤ

クラウン ロイヤル タイヤ ホイール

クラウン ハイブリッド インテリア インストルメントパネル

クラウン ハイブリッド タイヤ ホイール

クラウン ハイブリッド エンジン

日本初!緊急ブレーキシグナルを新装備!

ロイヤルの3リッターや2.5リッターエンジンのモデルも試乗したが、クラウンらしく走らせるためには2.5リッターエンジンでも充分だと思った。
 緊急ブレーキシグナルは新しい装備だ。時速60km以上で0.6G以上の急ブレーキを掛けたときに、後続車の追突を防ぐ目的でブレーキランプが点滅するシステムだ。停止するまで点滅しているが、停止すると通常のブレーキランプと同じにペダルを踏んでいれば点灯状態になる。これは欧州車の一部には欧州・北米市場では装備されていたが、日本では許可されていなかったものだ。これから欧州車もこれを装備したモデルが出てくるだろう。