この記事の目次 CONTENTS
不人気グレードの自然吸気モデルを購入
走行距離17万km!20年落ちの昭和のクルマの走りは?
スポーツカー好きの心を捉え続ける初代MR2

ライター紹介

モータージャーナリスト

岡島 裕二 氏

自動車雑誌や自動車サイトを経験後、2003年よりフリーとなった若手ジャーナリスト。今まで乗ってきたクルマすべてが中古車という、根っからの中古車好き。レース経験もあるほか、一級船舶免許ももつなど乗り物全般に興味をもっている。

不人気グレードの自然吸気モデルを購入

先日、中古車屋を営む友人から電話があり、「店を輸入車専門の中古車屋にリニューアルするので長期在庫車となっている昭和63年式のMR2を買わない?」と連絡がありました。最初はあまり買う気はなかったのですが、見てみると予想以上に内外装がキレイだったので衝動的に購入を決めてしまいました。
私は以前からMR2が好きで、初代を2台乗り継ぎ、2年前まで2代目のSW20にも乗っていました。ということで今回が4回目のMR2購入です。

(今では考えられないボクシーなスタイリングだ)

人気グレードはプレミア価格が付くことも

初代MR2は昭和59年に発売され、平成元年まで販売されました。したがってほとんどが昭和のクルマで、最近ではオークションでも見つけづらくなってきています。
後期モデルのスーパーチャージャー付(5MT)で車体がキレイだと、業者間オークションでもプレミア価格が付き、40〜50万円の値段が付くことがあるそうです。

(左右を分断する大きなセンタコンソールの下は燃料タンクになっている)

不人気グレード購入も諸経費がかかる

でも、私が買ったのはスーパーチャージャー付ではない自然吸気エンジン車で、しかも走行距離が17万kmも走ったクルマなので資産価値はありません。それでも車体と諸経費を含めると25万円近くかかり、おまけに車検が切れていたり、オルタネーターやタイミングベルトを交換したので、最終的には合計で35万円ぐらいかかってしまいました…。

走行距離17万km!20年落ちの昭和のクルマの走りは?

(インパネもレトロで安っぽいが、前方の視界は良好だ)

早速、自らユーザー車検を取り、試運転を兼ねて大磯まで行ってきました。でも、久しぶりのMT車のスポーツカーでのドライブは厳しい修行となりました…。古いクルマということもあり、前のオーナーが足回りやマフラーを交換しているので、乗り心地は悪いし音もデカイので快適性は最悪レベルです。

快適性は最悪レベルでも走りは良い

でも、低いポジションから眺める景色や、短いホイールベースによるクイックな動きは、最近のクルマでは味わえないフィーリングなので、逆に新鮮な感じを受けることができました。
エンジンは当時1.6リットルでは名機と言われた4A-Gですが、エンジンパワーは120PSしかなく、低速トルクも薄いので全然速くは感じないのですが、思い切り回して走れるのでなかなか面白いです。そして思った以上に不具合はなく、普通に走ってくれます。

スポーツカー好きの心を捉え続ける初代MR2

(リトラクタブル式ヘッドライトも世界的に消滅してしまった…)

夜になってライトを点けると、リトラクタブル式のヘッドライトが飛び出します。これも最近のクルマでは体験できない、なかなかレトロな儀式です。MR2は運転席と助手席の間に燃料タンクがあり、センタコンソールが大きいので室内は狭いのですが、運転席周りは包まれ感が高く、スポーティな雰囲気に溢れています。

(ミッドシップなのでボンネットの下はトランクになっている)

このクルマでしか味わえないスポーティさ

初代MR2は動力性能や運動性能はたいしたことはありませんが、ミッドシップだからこそ実現できた軽快感のあるクルマの動きや、コックピット感覚の強いインテリアなど、スポーツカー好きの心を捉えるものを持っています。現代のクルマと比べるとピラーが細く、衝突安全性が極めて低いことは理解していますが、この雰囲気は初代MR2でしか味わえないものなので、私も三回も購入してしまいました。

初代MR2の今後の乗り方は?

17万kmも走っていますが、エンジンやミッションは調子が良さそうなので、しばらくは趣味グルマとして乗っていようと思います。でも、MR2しかクルマがないと不便なので、今までの乗っていたベンツ(W124の300CE-24)も残そうと思っています。2台あれば、どちらかが壊れても仕事には行けるでしょう。でも、ベンツも16年落ちなので、2台とも壊れる可能性もありますが…。