トヨタ ヴァンガード
コンパクトなボディに3列シートを採用
トータルバランスに優れた新型SUV
マーケティング上手のトヨタが、ミディアムSUVの人気が高まっているのに対して、素早く対応。投入されたのがこのヴァンガードだ。とはいえ、実質はRAV4のロングボディ版をベースとしており、さらに位置づけ的にはクルーガーの後継車となる。それだけに、CR-Vを含めたライバルよりも、少々骨太なイメージもあり、プレミアム性に欠けるのは確かだ。駆動方式についても4WDのみとなる。 ただし、実用性の高さには大いに注目で、まず2列シートだけでなく、3列シートも用意することで、ユーザーのニーズにしっかりと対応。このクラスの場合、ミニバン的な使い勝手も要求されることも多いだけに、2タイプから選べるというのはうれしい。しかも3列目が完全にフロア下に収まってしまうのも特徴で、3列シートを選んだからといって、結果としてラゲッジの使い勝手に不満が出ることはないハズ。ちなみに定員はそれぞれ7名と5名だ。また室内全体のイメージとしては、質感優先のしっとり感あふれる大人のSUVというよりも、メーターやインパネまわり、シート地の切り返しなど、遊び心をうまくプラスしているといっていい。 エンジンは2.4リッター直4に加えて、3.5リッターのV6も用意。前者はCVT。また後者は5速ATがそれぞれ組み合わされ、乗り味は大きく異なる。VSCも含めた安全装備が全グレードで標準装備されているので、最終的には予算は別として、エンジンとシート列数で選べばわかりやすいだろう。
[取材時実測燃費] 9.8km/l
[ヴァンガード価格帯] 264.6〜334.95万円 |
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ホンダ CR-V
日本市場より北米などの海外にシフト
3代目ではプレミアム感を大幅アップ
初代はホンダ初(OEM含まず)のSUVとして登場。オフロード性能よりも、雰囲気はそのままに気軽に街乗りできるシティ派としてヒットを飛ばした。その後、ライバルの追従もあり、苦戦を強いられてきたが、現行の3代目ではメインマーケットを国内から北米などの海外にシフト。それを受けて、イメージを大きくチェンジし、じつにスタイリッシュなスタイルを手に入れた。 実際のところ、それまでの気軽な感じはなくなり、代わりにプレミアム感を全面に醸し出すほどになった。それは流麗かつ、大胆なラインを取り入れたボディを見てもわかることで、実際、海外での人気は高く、ヒットモデルとなっている。内装についても、新鮮みあふれる大胆なデザインよりも質感を重視したまとめ方がなされ、大人のSUV感を強調する。ちなみに、シートは2列のみで3列目は備わっていないが、その分、ラゲッジは広大で扱いやすく、上下2段に分割できるダブルデッキカーゴシェルフなどを装備。ミニバン的な使い勝手のよさも持ち味だ。 動力性能については、エンジンは2.4リッターの1タイプで、ミッションも5ATのみ。駆動方式も、お馴染みのデュアルポンプタイプを採用した4WD以外にも、省燃費性を重視したFFも用意されている。乗り味的には扱いやすいエンジンも含めて、ゆったりとした味付けで、街乗りから高速までオールマイティにこなしてくれるが、若干ボディの大きさゆえの見切りの悪さが気になるかもしれない。
[取材時実測燃費] 8.6km/l
[CR-V価格帯] 246.75〜326.55万円 |