F1第15戦日本GPに向けたパナソニック・トヨタ・レーシングF1チームによる会見にて

左から、TMG(トヨタモータースポーツGmbH)副社長 木下美明氏、ドライバー ヤルノ・トゥルーリ選手、ラルフ・シューマッハー選手、トヨタ自動車 常務役員兼TMG会長 山科忠氏。

“新生”富士スピードウェイに挑む

 9月25日東京都港区の「グランドハイアット東京」にて、30日に富士スピードウェイで開催されるF1第15戦日本GPに向けたパナソニック・トヨタ・レーシングF1チームによる記者会見が行われた。会見には、TMG(トヨタモータースポーツGmbH)副社長 木下美明氏、トヨタ自動車 常務役員兼TMG会長 山科忠氏、ドライバー ヤルノ・トゥルーリ、ラルフ・シューマッハー両選手が出席した。
 日本で始めてのF1GPが富士スピードウェイで開催されたのは1976年。今回、約30年振りの開催にあたり、富士の裾野に位置する全長4536kmのサーキットは大規模な改修により生まれ変わったが、1475kmという長さを誇るグランドスタート前のストレートはそのまま残されている。

「表彰台も!」両ドライバー、ホームGPへの思い入れを語る

 シューマッハー選手は「これまでは難しいシーズンだった。富士は、なによりチームにとってホームとなる大切なコース。数々の新しい開発を持ち込んでいるので、自信を持ってレースにのぞみたい。今シーズンは良い場面が見せられなかったので、今週末は良い結果に持って行きたい」と語った。
 一方、トゥルーリ選手は「今シーズンは難しかったが、過ぎたシーズンは振り返らず前向きに挑みたい。新しい開発パーツもあり特に空力は今までテストも重ねてきたので、高い目標を掲げ今週末にのぞみたい。トヨタチームにとっても重要なレースになるだろう。富士は誰にとっても初めてとなるコースで、自分の車に合うかという意味も含め探り合いだと思う。でも私自身は自信があるので、今回はポイントをとって表彰台をねらいたい」と意気込んだ。

F1第15戦日本GPに向けたパナソニック・トヨタ・レーシングF1チームによる会見にて ラルフ・シューマッハー選手
F1第15戦日本GPに向けたパナソニック・トヨタ・レーシングF1チームによる会見にて ヤルノ・トゥルーリ選手
F1第15戦日本GPに向けたパナソニック・トヨタ・レーシングF1チームによる会見にて ヤルノ・トゥルーリ、ラルフ・シューマッハー両選手

ダウンフォース、ブレーキ性能、エンジンパワーがポイント

 木下氏は「富士スピードウェイで戦うためのポイントは、ダウンフォース、ブレーキ性能、エンジンパワー」の3点だと話す。空力については、ダウンフォースと最高速という相反する条件に立ち向かい開発されてきたという。またブレーキでは、ブレーキ性能だけではなく、急ブレーキ時の車両の安定性についても注力され開発が行われてきた。さらに大事な部分となるエンジンは、最大の馬力が出せるよう2台ともフレッシュエンジンを搭載するので思いっきり走ってほしいということだ。

“トヨタ流”の挑戦

 市販車では70年の歴史があるが、F1レースへの挑戦はまだ6年というトヨタ。「空力のベーシックな考え方は同じだが、違う世界がある」という山科氏。「聖域なしでひとつひとつ皆でコミュニケーションをとり開発に持ち込むのが“トヨタ流”」だと語り、それはF1での挑戦にも活かされてるという。「前半シューマッハーの調子が良くなかったのは、タイヤと彼のドライビングスタイルとがマッチしてなかったため。ドライバーが結果が出せないときには話しかけたくないものだが、あえて話しかけどんな車にしてほしいのかを聞き出した」というエピソードを明かした。
 また、そんなトヨタを見守るファンへ「なかなか勝てないけれど、トヨタ流で挑戦しトップクラスとも一生懸命戦っているところに共感してほしい。いつかは優勝、と思ってやっている」とメッセージも贈った。

F1第15戦日本GPに向けたパナソニック・トヨタ・レーシングF1チームによる会見にて TMG(トヨタモータースポーツGmbH)副社長 木下美明氏
F1第15戦日本GPに向けたパナソニック・トヨタ・レーシングF1チームによる会見にて トヨタ自動車 常務役員兼TMG会長 山科忠氏
F1第15戦日本GPに向けたパナソニック・トヨタ・レーシングF1チームによる会見にて

( レポート&PHOTO:CORISM編集部 )

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