初代カングーは220万台の大ヒット
ルノーは、9月11日より開幕したドイツ・フランクフルトショーで、人気のスペースワゴン「カングー」の新型モデルを世界初公開した。初代の良さである高いユーティリティはそのままに、より快適性と機能性を高めた。使い勝手の良い左右の後席スライドドアも継承されている。
初代カングーは、コンパクトなボディに高いユーティリティを備えた貨客両用のワゴンだ。1997年のデビュー以来、その独特のエクステリアや使い勝手の良さなどから、商用ユースのみならずファミリーワゴンとしても人気を博し、世界で実に220万台を売る大ヒット作となった。
「メガーヌ」で定評のCプラットホームに進化
先代「クリオ」(日本名「ルーテシア」)ベースのシャシーから、新型カングーではCセグメントシャシーに進化した。ボディサイズは全長で180mm延長されるなど全体に拡大。その多くが室内空間に充てられ、後席のスペースなどが大幅に拡大した。
もちろん荷室スペースも、多彩なシートアレンジなどにより660リッターから最大2866リッターまで拡張可能で、2.5メートルの長尺モノも積載可能となっている。また、室内の収納スペースだけで実に77リッターを確保。初代同様に、頭上左右に付く航空機のような蓋付き収納も健在だ。
エンジンバリエーションは、1.6リッター、1.6リッター16Vガソリンエンジン2種と、エンジンパワーなどが異なる1.5リッターディーゼルエンジン3機種の計5種類。
安全性能で定評のある「セニック」「メガーヌ」にも使われるCセグメントシャシーを使用したことで、高い衝突安全性や、ESP、6エアバッグの設定といったクラストップの安全性能の確保も大きなニュースだろう。
大ヒット作の2代目とあって、新型カングーはルノーにとっても非常に重要なモデルチェンジとなった。同社の中期経営計画である『ルノーコミットメント2009』においても、カングーは最も重要な世界戦略車種と位置付けられている。