6万kmの過走行によって80万円も下取り査定が下がってしまった!

意外なほど大きい走行距離のマイナス査定

中古車は10万kmを超えると一気に価値が下がってしまう

 先日、私の知り合いがベンツの新型Cクラスを買うためにディーラーに下取り査定を行ってもらったところ、過走行が原因で査定額が通常よりマイナス80万円と言われてしまったそうです。

 確かにその人が乗っているクルマは年間で2万5000kmぐらい走るので、4年落ちでも10万km近い走行距離に達しており、過走行といわれても仕方がない距離でした。それでもマイナス80万円は痛いところでしょう。

 その人が乗っていたのは2003年式の先代Cクラスのワゴンで、通常なら180〜200万円前後のものが100万円程度まで下がってしまったようです。

 中古車の査定は年間の走行距離が1万km前後だと、大きなマイナス査定にならないようですが、それを超えると距離に応じてクルマの平均下取り価格より少しずつ引かれていくのが普通です。逆に極端に走行距離が短い場合は、プラス査定になることもあります。

1km走るごとに10円以上は査定が下がることになっている!

 私の知り合いの場合は、平均4万kmぐらいの走行距離のところを、10万km近くまで走ってしまったので80万円のマイナス査定を受けてしまったのですが、このマイナス査定額を過走行分で割ってみると、1kmあたりの査定マイナス分はなんと13円にもなります。

 つまり1km走るごとに13円ずつクルマの価値が減っていくというわけです。これは今回の過走行分から割り出した計算ですが、150万円程度の国産車の新車を買ったとしても、5年間で10万kmぐらい走ってしまえば、査定はほとんどゼロになってしまうので、同じようなことが言えるでしょう。

 したがって一概には言えませんが、ほとんどのクルマは1km走るごとに10円以上は価値が下がってしまっているのです。1kmで10円というと、あまり高い感じはしませんが100km走ると1000円です!

 リッター10km走る燃費のクルマのガソリン代が100kmで1400円なのに対して、クルマの下取り査定が100km走るごとに1000円以上落ちているのはけっこうデカイと思いませんか?

 もちろん、これはクルマの価格が高ければ高いほど、査定額の下落分も大きくなってきます。ベンツのSクラスなどは、1kmで20円ぐらいは価値が下がっていく計算になるでしょう。

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走行距離のマイナス査定を受けない方法

達人岡島が以前乗っていたロードスターは約10万kmで買ったので距離を気にせず乗ることができた

 これを回避するには、むやみにクルマに乗らないことが一番なのですが、それ以外にもいくつか方法はあります。最も有効なのが、下取りや買取に出すことを考えずに、最後まで乗り潰すことです。そうすればいくら走っても、距離のマイナス査定は関係なくなります。

 もうひとつはセカンドカーを持つことです。高額な輸入車に乗っている場合は、距離による査定額のマイナス分が大きいので、中古の軽自動車などをセカンドカーとして所有し、ここ一番の大事な時以外はセカンドカーで行動すればよいのです。

 当然、セカンドカーを所有するコストはかかりますが、小型車ならガソリン代も節約できますし、メインの高級輸入車の走行距離が伸びないので、高額なメンテナンス費用も節約できるかもしれません。絶対に得とは言い切れませんが、駐車場代の安い地方なら有効かもしれません。

 また、すでに過走行気味の中古車を買うという手もあります。走行距離のマイナスは10万kmぐらいまではシビアに判断されますが、12万kmぐらいまでいくと中古車としての価値がなくなるので、いくら走っても関係なくなります。10万km前後の過走行が原因で安くなった中古車を買って乗り潰せば、走行距離を気にせずに乗り回すことができます。年間の走行距離が多い人には、この方法がオススメです。

 そして下取りに出す相手によっても、価格が変わってくることもあります。ディーラーの下取り査定は距離によって一律に計算されますが、ガリバーのような買取はその時の相場や、そのクルマの人気によっては多少走行距離が伸びていても、大きなマイナスにはならない場合もあるので、過走行気味のクルマを売る際は必ずガリバーでも査定を受けてみて下さい。

 まぁ、あまり細かいことを考えるとケチ臭いので止めておきますが、みなさんが乗っているクルマも1km走るごとに10円以上は価値が下がっていくことを、覚えておいてくださいネ。