エンジンはトルクフルでゆとりある走りが味わえる
搭載エンジンは1.4Lの直噴DOHC+スーパーチャージャー+ターボのTSIエンジンと、2.0Lの直噴DOHC+ターボの2機種。今回のゴルフヴァリアントを機に、直噴エンジン+過給器(スーパーチャージャーでもターボでも両方でも)付きのエンジンはTSIと呼ばれるようになった。なので、従来はゴルフGTIなどでT-FSIと呼ばれていた2.0LもTSIエンジンとなる。
1.4LのTSIエンジンはすでにゴルフGTやトゥーランに搭載されているもので、1.4Lの排気量ながら2.4L級のトルクを発生し、余裕の走りを見せると同時に優れた燃費性能を示すのが特徴。トゥーランには140psと170psの2機種のTSIエンジンが設定されていたが、今回のゴルフヴァリアントには170psエンジンが搭載されている。
このエンジンは低速域でトルクフルな走りを実現するのが魅力で、アクセルワークに対して滑らかで素直な加速フィールを実現する。過給器付きのエンジンというと、とかく段差のある加速を示したりしがちだが、このエンジンは滑らかさが身上で、気持ちの良い走りが味わえる。
2.0TSIはスポーティなサスセッティング
2.0Lエンジンの搭載車はさらにパワフルかつトルクフルな実力を発揮する。こちらもラグや段差のない加速の伸びを示し、胸のすく加速フィールが楽しめる。1.4Lも2.0Lも6速DSGが組み合わされており、スムーズな変速が好ましいフィールを感じさせるのはほかのモデルと共通だ。
足回りは1.4Lと2.0Lで明確な違いがある。2.0L車にはスポーツサスペンションが採用され、タイヤサイズもひと回り大きな17インチになるため、乗り心地はやや硬めの印象。走り志向のユーザーでなければ、16インチタイヤを履いた1.4L車のほうが快適に走れるだろう。
●お勧めグレード
1.4Lエンジンを搭載したTSIコンフォートラインには300万円を切る296万円の価格が設定されている。同じエンジンを搭載したゴルフGT TSIの価格は305万円なのだから、普通ならボディ代で20万円くらいは高くなるヴァリアントのほうが、逆に10万円近く安いことになる。これにはディスチャージヘッドライトが装備されないなど、仕様の違いがあること理由だが、ヴァリアントの買い得感が際立つ感じ。乗り心地の良さも含めてTAIコンフォートラインがお勧めだ。
2.0TSIスポーツラインは335万円の設定で、ゴルフGTIの344万円に対して9万円安い。スポーティな走り志向のユーザーにはこちらがお勧めとなる。