十分なパワーを生み出すV6エンジンを搭載する
大柄なSUVボディに搭載されるのはV型6気筒3.7Lの自然吸気SOHC。従来からクライスラー車に搭載されているのと同じエンジンだが、ナイトロに搭載されるのに合わせて改良も加えられている。151kW/314N・mのパワー&トルクはアメリカ車の古典的なV型6気筒エンジンとしてはそれなりに良く出ている。
ただ、これに組み合わされるのが4速ATというのがいかにも古くさい印象で、4WDシステムも必要なときに4WDに切り換えるパートタイム4WDが採用されている。シフトオンザフライと呼ぶシステムを採用することで、ボタン操作ひとつで簡単に切り替えが可能ながら、切り換えないとFRのままになる。また機械式の直結4WDであるため、タイトなコーナーではブレーキング現象が発生する。
ハンドリングと乗り心地は古典的な雰囲気が味わえる
エンジンやAT、4WDシステムなどが古いことを見ても分かるように、ナイトロの走りは何とも古典的なものという印象。大味なアメリカ車というだけでなく、がさつな印象さえあたえるほどだから何ともつらい。
重いアクセルペダルを踏み込んでもレスポンスは鈍いし、ATの変速ショックも大きめ。ステアリングのフィールが鈍いのは、オフロードを走るときのことを考えたらこれで良いのかも知れないが、オンロードではいかにも大雑把な感じである。もっさりした感じの乗り心地や室内騒音が大きめなことも含め、走りに関しては評価できる部分がほとんどないのが実情だ。
●お勧めグレード
ナイトロは3グレードに330万円弱から420万円までの価格が設定されている。ベースグレードのSEは装備の充実度がやや低くなるので買うなら360万円強のSXTか420万円のR/Tということになるが、その金額に見合うだけの魅力があるかどうかとなると難しい。
大きめのボディサイズやダッジならではの外観デザインなどは魅力となる部分だが、走りに関しては全く魅力が感じられないのが実情だから、積極的には勧められない。この価格帯にはもっと魅力的なSUVがいくらでもあるからだ。デザインがお好きならどうぞ、というクルマである。