11年間乗り続けている愛車ルノー「トゥインゴ」に今更ながらHIDが装着された。興奮を抑えヘッドライトスイッチを捻った瞬間、「うおおおーっ!何だこの明るさは!」思わず絶叫してしまった。
「トゥインゴ」の純正ヘッドライトは、時代遅れのカットガラスにハロゲンバルブの組み合わせ。“ボワーッ”と淡いヒカリを放ち、夜間走行の多い私には、日々その暗さに怖い思いをすることもしばしば。先日、山梨へ仕事に行った帰り道、漆黒の峠道を流していると、突然目の前に現れたカモシカと衝突するかと思ったほどだ。
ところがHIDの装着で夜間走行の世界が一転したのだ。横断歩道や路側帯のラインはまるで蛍光ペンで描かれたようにハッキリ、クッキリ浮かび上がり、前方を照らすアスファルトは、舗装の凹凸まで確認できるほどにまで視認性が向上。11年落ちの老体に青白い閃光を放つHIDが似合うか否かは別として、安全性向上には大いに役立ってくれそうだ。
今回装着したCRUIZE(クルーズ)HIDキットの取り付けは、基本的に純正ヘッドライトの抜き換えを行うカプラーから電源をピックアップするため、“差し替え”でOK。自らヘッドライトバルブを交換したことのある方ならカンタンに装着できる。しかし、「トゥインゴ」は小さなエンジンルームにぎっしりと臓物が詰まっているため、ヘッドライトの脱着が必要。ボクの技術ではお手上げということで、行き付けの「ルノー神奈川厚木インター店」にて作業をお願いすることにした。
選択した色温度は、現在の「後付けHID」市場で主流となっている6000ケルビン。青白い閃光はファッション性、視認性に優れ最もHIDらしい色味。もちろん車検対応品である。点灯した瞬間は青みが強いのもHIDの特性である。
デュアルバナーということもあり、ハイビーム側もバナーの発光によるもの。色温度が違うのは、最も視認性に優れた4300ケルビンを採用し、悪天候時などの視認性を確保している。ケルビン数は低いほど光の透過率が高くなる。
装着後の詳しいレポートをお伝えしたいところなのだが、月末ということもありスケジュール的に余裕がないのが残念。時間が空いたら郊外にでもゆっくり出かけその威力を再レポートしたい。
生活圏の幹線道路走行で感じたことだが、私のクルマのような小型車や軽自動車では、路上での優位が低いのも事実。しかし夜間走行では、HIDの放つ眩い閃光が周囲のクルマに対して自車の存在を明確とし、割り込みや、急な進路変更などが激減したのも事実。また住宅地の細い路地などでも、歩行者や自転車の発見が容易になり、夜間の安全性が大幅に向上した。
現在、高級車には当然のように装備されるようになったHIDだが、未装備のクルマも少なくない。しかし一度味わうと、夜間運転の視認性向上により、もうハロゲンライトには戻れなくなってしまう。今回紹介したクルーズ製をはじめ最近では、安価な価格で入手可能となった「後付け」HID。快適で安全な夜間走行のためにもオススメアイテムといえるだろう。