【新車速報】メルセデスベンツ 新型 Cクラス 「アバンギャルドS」 エクステリア

メルセデスセダンシリーズの末っ子

 ダイムラークライスラー日本は、7年ぶりにフルモデルチェンジを果たした「Cクラス」を6月22日より発売する。
 大きい順から「Sクラス」「Eクラス」と続くセダンシリーズの末っ子「Cクラス」は、タウンユースでも扱いやすいボディサイズと、上級クラス同様の造りの良さで定評のある人気モデルだ。
 190シリーズから端を発し、Cクラス名では3代目となる新型は走りの良さを前面に打ち出すいっぽう、メルセデスの一員らしい快適性や高級感も追求したという。

 日本における当初のラインナップは、「C200コンプレッサーエレガンス」、「C200コンプレッサーアバンギャルド」、「C250エレガンス」、「C250アバンギャルド」、「C300アバンギャルドS」の5タイプ。なお、V6 2.5リッターエンジンを搭載する「C250エレガンス」「同アバンギャルド」は、遅れて07年9月下旬の発売となる。

メルセデスベンツ新型Cクラスと、ダイムラー・クライスラー日本社長「ハンス・テンペル」氏
「エレガンス」フロントビュー
こちらが「エレガンス」のフロントマスク。クロームトリムで仕立てられた、文字通りエレガントなデザインだ。
「エレガンス」リアビュー
エアロダイナミズムに則ったリア周りのデザインも、流麗かつエレガントな印象だ。
「エレガンス」インテリア
明るく上品な「エレガンス」のインテリア。本革シートはオプション(28.4万円高)となる。

Cクラスにふたつの顔、「アバンギャルド」と「エレガンス」

 メルセデスのセダンにおいて最もベーシックなCクラスは、様々な層をターゲットに見据えた戦略モデルである。先代モデルでは異形の4灯式丸型ヘッドランプや傾斜したフロントグリルなど、特に若々しくスポーティなスタイリングを特徴としていた。しかし新型では一転、垂直に近いフロントグリルなど、全体にスクエアなフォルムを持つ「立派」ないでたちとなった。ただしボディサイドにはシャープなキャラクターラインが与えられ、ボディ全体のウェッジシェイプを強調するなど、同時にスポーティさの演出も忘れてはいない。

 従来より、走りの良さや若々しさを強調するスポーティグレード「アバンギャルド」と、より高級感を強調する「エレガンス」という、相反する特長を持つ2ツのグレード展開は設定されていたが、新型Cクラスではそれをさらに強調した。
 新型の「アバンギャルド」では大径アルミホイールやエアロパーツなどの装飾に加え、SLグリルと呼ばれるスリーポインテッドスターを中央に配置。それに対して「エレガンス」ではメルセデスのセダンモデル伝統のエレガントなスタイルの格式高いフロントグリルを採用した。つまり、Cクラスの中で、2ツの異なったフロントマスクを用意したというワケだ。

 ボディサイズは全長x全幅x全高が4585x1770x1445mm、ホイールベースが2760mm(※C300アバンギャルドSを除く)。先代に比べ全長で50mm、全幅で40mm、ホイールベースで45mmと、最小限の拡大に留め、従来通りの取り回しの良さを維持した点は、近年急激にボディサイズを拡大する傾向にある欧州車においてひとつの見識といえるだろう。

「アバンギャルドS」インパネ
こちらは「アバンギャルドS」のインテリア。精悍なブラック基調で仕立てられている。
「アバンギャルドS」フロントシート
前席シートヒーター付きの本革スポーツシートが装着される。
「アバンギャルドS」リアシート
パッケージングも見直され、足元周りなどが広くなった新型Cクラスのリアシート。

「AGILITY CONTROL(アジリティコントロール)」で、走りにもふたつの顔

 スタイリングのみならず、走りの面においても新型Cクラスは新たな機軸を示した。それが「アジリティ(俊敏性)」と「コンフォート(快適性)」を同時に高める技術「AGILITY CONTROL(アジリティコントロール)」だ。
 車両重量前後配分の最適化(52:48)を図り素性の良いシャシーとした上で、車速に応じてステアリング操作トルクを調整する「パラメーターステアリング(車速感応式パワーステアリング)」や、ダンパーにかかる力に応じて減衰力を自動的に変化させる「セレクティブダンピングシステム(可変ダンピングショックアブソーバー)」を採用。ハンドリングの俊敏さと安定性や乗り心地を両立させた。中でも「セレクティブダンピングシステム」は複雑なセンサーや電子制御を必要としない純粋な油圧機械式、という点で特筆される。
 なおサスペンション形式は前:マクファーソン式、後:マルチリンク式を採用する。

 独自で実際の事故調査を行うなど、定評のあるメルセデスの高度な安全技術を反映し、新型Cクラスもクラストップの安全性を誇る。6エアバッグや衝突安全ボディといった事故発生後の乗員保護システムのみならず、事故を予見し乗員保護機能を起動させる「PRE−SAFE(プレセーフ・予見的乗員保護システム)」の採用など、メルセデスが誇る安全コンセプト「PRO−SAFE(プロセーフ)」が惜しみなく投入されている。

メルセデスベンツ 新型Cクラス 「C300 アバンギャルドS」 サーキット走行シーン
メルセデスベンツ 新型Cクラス 「C200 コンプレッサー エレガンス」 サーキット走行シーン
メルセデスベンツ 新型Cクラス 「C300 アバンギャルドS」 サーキット走行シーン

エンジンラインナップは3つ

 新型Cクラスのエンジンラインナップは、3タイプ。
「C200コンプレッサーエレガンス」、「C200コンプレッサーアバンギャルド」に搭載されるベーシックな直4 1.8リッター スーパーチャージャー付きDOHCエンジンは従来モデルからの継承だが、走行性能や燃費の改善が図られた。最大出力は従来型より20ps(15kW)高い184ps(135kW)/5500rpmを発生、最大トルクは25.5kg-m(250Nm)/2800-5000rpmを誇る。10.15モード燃費は11.2km/Lをマークする。全車5速ATと組み合わされる。
いっぽう最上級「C300アバンギャルドS」には、V6 3.0リッター DOHCエンジンが、また、遅れて発売される「C250エレガンス」、「C250アバンギャルド」にはV6 2.5リッター DOHCエンジンがそれぞれ搭載され、7速ATと組み合わされる。
 いずれのモデルも、国土交通省「平成17年排出ガス基準75%低減レベル(★★★★低排出ガス)」に認定される(※C250は現在国土交通省に認定申請中)。

 装備面では、HDDナビやBluetooth対応携帯電話ハンズフリーなどの各機能を統括する「COMANDシステム」を全車に標準設定するほか、高級車に相応しい内容を誇る。
 価格は「C200コンプレッサーエレガンス」450.0万円から「C300アバンギャルドS」664.0万円まで。
 なお、C200とC250の各アバンギャルドグレードには、AMGスタイリングパッケージ、AMGアルミ&ワイドタイヤ、前席スポーツシートなどを装着する「アバンギャルドSパッケージ」を60.0万円高で設定する。

メルセデスベンツ 新型Cクラス 「C300 アバンギャルドS」 V6 DOHC 3.0リッターエンジン
トップレンジの「C300アバンギャルドS」に搭載されるV6 3.0リッター DOHCエンジン。
メルセデスベンツ 新型Cクラス 「C200 コンプレッサー エレガンス」 直4 1.8リッター スーパーチャージャー付 DOHCエンジン
C200 コンプレッサー系に搭載されるベーシックな直4 1.8リッター スーパーチャージャー付きDOHCエンジン。
メルセデスベンツ 新型Cクラス 「C300 アバンギャルドS」 HDDナビゲーションシステム
従来型に比べ飛躍的に改善され、非常に見やすい位置へと搭載されたHDDナビの7インチワイドモニター。
メルセデスベンツ 新型Cクラス 「C300 アバンギャルドS」 COMANDシステム コントローラー
ATシフトの手前右寄りに見える丸い銀色のスイッチがCOMANDコントローラーだ。ナビ・オーディオ等の操作がコレで行なえる。
メルセデスベンツ 新型Cクラス 「C300 アバンギャルドS」 電子制御7速AT
マニュアル感覚の操作も行なえる電子制御7速AT。ステアリング側のパドルシフトはアバンギャルドS系に標準装着される。
メルセデスベンツ 新型Cクラス ラゲッジ
ラゲッジルームは従来型に比べ10リットル増しの440リットル(VDA測定方式)。開口部も43mm広がり、使い勝手も大きく向上した。
メルセデスベンツ 新型Cクラス C200コンプレッサー エレガンス エクステリア
メルセデスベンツ 新型Cクラス C300 アバンギャルドS リアビュー

( レポート:CORISM編集部/写真:高木博史・CORISM編集部 )

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代表グレード
C200 コンプレッサー アバンギャルド
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高)
4585x1770x1445m
車両重量[kg]
1490kg
総排気量[cc]
1795cc
最高出力[ps(kw)/rpm]
184ps(135kW)/5500rpm
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm]
25.5kg-m(250N・m)/2800-5000rpm
ミッション
電子制御5速AT
10・15モード燃焼[km/l]
11.2km/L
定員[人]
5人
消費税込価格[万円]
460.0万円
発売日
2007年6月22日
レポート
CORISM編集部
写真
高木博史/CORISM編集部
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