全国各地でディーラー特別価格車が販売されている!

ディーラー限定車は売れ残った新車のケースが多い

【関西マツダのチラシ】 約35万円の値引き額は魅力だが…

 週末の新聞に折り込まれるチラシの中に、各地域のディーラー限定車のようなクルマを目にすることがあります。このようなチラシには、『通常車両本体価格250万円のところ特別価格220万円 レッド1色のみ 限定2台』などと書かれたコピーが踊っているケースが多いようです。はたしてこのようなディーラー限定車は、本当にお買い得なのでしょうか。

 まずは、なぜこのようなクルマが売られているかを考えてみましょう。このようなクルマの多くは、いわいるディーラーの在庫車だと思われます。この在庫車は販売ノルマを達成するためにメーカーに多めに発注して売れ残ったクルマであったり、ショールームの展示車などが、このような在庫車になっていくと思われます。

 このようなクルマは在庫車として何ヶ月かディーラーの敷地に眠っていても、まだ一度もナンバーが付いていないので、当然新車として販売することが可能です。

 ただし、製造日から9ヶ月を過ぎてしまうと、新車時の車検に適合したという有効期限が切れて再車検を取る必要が出てきまうので、ディーラー側はその前に在庫車を売ってしまいたと思い、このような大幅値引きを表示したディーラー限定車を販売すると考えられています。

 そのため、ディーラー限定車は新車と同じように購入時から3年間の車検は付くものの、グレードやボディカラー、メーカーオプションを選ぶことができないことがほとんどです。しかも、グレードも比較的安いモデルが目立ち、ボディカラーも無難な色は売れてしまっているので、赤や青、白などが多い傾向があります。

 もちろん、在庫車の中には人気車種にオプションを多数装着した展示車のようなクルマもありますが、たいていはモデルチェンジ直前などで売れ残ったクルマが多いので、その点は注意が必要です。

表示価格だけではそれほど安くない!さらに値引ければお買い得だ

このクルマは限定車ではないがチラシで約14万円値引きが公表されている

 では、このようなディーラー限定車は実際にお買い得なのでしょうか。一見、最初から20〜30万円以上も値引きされているので、非常にお買い得な感じがしますが、実際にはこのぐらいの値引きは、日常茶飯事で行われているケースも多いと思います。

 これはガリバーの221616.comの値引き情報を見てもらえれば分かると思いますが、通常は新車価格の10%前後の値引き額は珍しくはありません。もちろん、まったく値引き交渉なしで、この価格で買うことができるのはオイシイ買い物と言えると思いますが、ディーラー限定車じゃないグレードを選んで少し頑張れば、同じぐらいの値引き額が狙えるような価格設定だと思います。

 したがってディーラー限定車は、チラシよりも値引きの上乗せができないようならば、お買い得車とはいえないでしょう。こちらはボディカラーやグレード、メーカーオプションの選択まで我慢するのですから、それ相当の見返りを要求してもバチは当たらないと思います。

 さらに買う側にとって有利なのは、先ほど説明したように在庫車には製造日から9ヶ月のリミットがあることです。そのリミットが迫っている場合は、ディーラー側もこの機会に売ってしまいたいと考えるので、値引きの上乗せに応じてくれる可能性も高いはずです。

 私だったら最低でもチラシにマイナス5〜10万円ぐらいの価格が出ないと、買う気にはならないでしょう。

 もちろん、限定1〜2台というパターンが多いので、他にも購入希望者がいれば値引きをしてくれないこともありますが、その時はアッサリと諦めるぐらいの気持ちで交渉したほうが無難でしょう。また、ディーラー限定車には、『この週末限り』みたいなコピーも書かれていますが、売れなければ翌週に値上げすることはないので、それに惑わされる必要もありません。

 ディーラー限定車を購入する場合は、同じ車種を扱っている他のディーラーで普通に値引き交渉を行ってみて、それでも大幅に安いと感じることができたなら、購入を決断するのがよいでしょう。