マツダ「コスモスポーツ」(1967年5月30日発売)

マツダ「コスモスポーツ」(1967年5月30日発売)

 

累計で約197万台を生産

 マツダは、5月30日、ロータリーエンジン車の発売開始から40周年を迎えたと発表した。これまでにマツダが生産したロータリーエンジン車は、2007年4月末現在、累計で約197万台となっているとのこと。

 マツダの井巻久一 代表取締役社長兼CEOは、「ロータリーエンジンはチャレンジ精神旺盛な企業風土のもとで千達が不屈の精神で実用化を成し遂げた、まさにマツダを象徴する存在である。本年3月に発表した『サステイナブル“Zoom−Zoom”宣言』でお話したように、今後も我々はロータリーエンジンの研究・開発を継続していく。次世代の環境エンジンとして期待される『水素ロータリーエンジン』についても、すでに実用化レベルに至っており、さらに研究・開発を進めていくことでロータリーエンジンによる新しい価値の創造にと挑戦していきたい」と語っている。

 ロータリーエンジン(RE)は、1950年代末頃から世界中の自動車メーカーが実用化に向け研究・開発を進めたが、各種の技術的課題が発生し多くの自動車メーカーが開発を断念したという。その中で、マツダは技術的課題を克服し本格的な量産化に成功し、1967年5月30日に世界初の2ローターRE車「コスモスポーツ」を発売。その後も、「ファミリアロータリークーペ」、「サバンナ」、「RX-7」、「ユーノスコスモ」などのRE車が発売されてきた。現在も、燃費や環境性能の面で様々な改善を施しながらRE車の販売が継続されている。

 2003年4月に発表された「RX-8」では、小型化・高性能化と環境性能の向上を進めた自然吸気の新世代RE「RENESIS(レネシス)」を搭載。「RENESIS」は、イギリスのエンジン技術専門誌「エンジン・テクノロジー・インターナショナル」主催の「インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー」のベストエンジン賞を2003年に受賞し、さらに、部門賞を2003〜2004年にかけて2年連続受賞しているとのこと。

 また、モータースポーツの分野においても、マツダは「コスモスポーツ」発売翌年の1968年からRE車でのレース活動を開始。1991年には「ル・マン24時間耐久レース」で、「マツダ787B」がRE車としては史上初、そして日本の自動車メーカーとして唯一の総合優勝を果たしている。そのほかでも、国内ツーリングカーレースでの100勝達成、アメリカIMSAシリーズでの100勝達成などの戦績を残しているとのこと。

 現在マツダは、地球温暖化要因のひとつとされるCO2を全く排出しない「水素RE」の開発に1991年から取り組み、2006年2月からは「水素RE」を搭載した「マツダRX-8ハイドロジェンRE」を国内でリース販売し、これまでに7台の「水素RE」搭載車のリース販売を行っている。

 なお、5月30日、コスモスポーツオーナーズクラブのメンバーが、RE車発売40周年を記念してマツダ本社を訪れたことをうけ、マツダは歓迎セレモニーを行ったとのこと。今後は、6月2〜3日にかけて、マツダ開発者とREファンとの交流イベントがマツダR&Dセンター横浜にて開催される予定。また、RE車発売40周年記念ウェブサイトをオープンし、REの仕組みや歴史が掲載されるほか、今後予定されている各種イベントの告知を行っていくとのこと。