スパークプラグを外して点検、交換

それは、あまりに突然の事だった…。

 私事で恐縮ですが、毎週一回、山梨県・甲府市にある某FM局にて、クルマ番組のパーソナリティを勤めている関係、愛車のオペル「ベクトラ」で中央自動車道を頻繁に走ります。
 

 生放送も無事終え、武田信玄公ゆかりの温泉にゆっくり漬かり、日ごろの疲れを落としていると、時刻はすでに23時。翌日には取材を控えていた関係、帰路での中央自動車道では、「私設超特急」のような速度で走っていた。
 その時である。いきなり大地震が起こったかのような振動がクルマ全体に伝わり、激しくノッキング。さすがに、出ていた速度が1××キロだったため、一瞬、「三途の川」を渡る覚悟をした。
 とりあえず、減速し、先行する深夜バスの後ろについて法定速度で流していると、先ほど症状は、消えていた。
 相模湖インターで高速を降り、一般道を走ると、ゴー&ストップが頻繁になるため、発進する際のパワー低下、アイドリングの不整脈などが顕著にあらわれてきた。
 今年は、暖冬とはいえ、外気温度計の示す数値はマイナス2℃。真冬の深夜、レッカーのお世話にはなりたくなかった…。自宅までの距離はあと30キロ。頼む、ベクトラよ、走ってくれ…。
 おそらく深夜の「TSUTAYA」にDVDの返却に行くのであろう、若者の乗る原付にも追い抜かれながらも、愛車「ベクトラ」はどうにか、自宅にたどり着いた。
 翌朝、夜明けと同時に、名機?「エコテックエンジン」を細部まで確認したが、目視できる範囲では、異常は見つからない。エンジンオイル、ATF、冷却水ともにすべて正常。残すは、電気系。いまでは、珍しくなった、デストリビューターや、プラグコードも異常なし。これは、スパークプラグだ!と判断し、早速作業を敢行することにした。
 プラグレンチで取り外したスパークプラグを見て、ボクは思わず凍りついてしまった…。

なんとベクトラは3気筒で走行をしていた!

無残にも割れてしまい火を噴いていなかったスパークプラグ

 「ベクトラ」に搭載される「エコテックエンジン」は2.0L、4気筒。当然、スパークプラグの数は4本。丹念に、一本、一本確認するが、特に異常は認められない。電極もまだしっかりしているし、カーボンの付着もなし。しかし、最後の一本が写真のような状態だった。
 碍子(白い部位)と、リングの境目にクラックが入り、まったく飛火していない状態。しかも、リークしており、焦げてしまっている。
 記録簿によると、このスパークプラグは、交換してまだ1年半。専門家の話では、過走行のクルマや、高回転域を多用した乗り方では、短期間でも、このような状態になることは、決して珍しいことではないとのこと。
 その後、純正のボッシュではなく、近所の自動車用品店で購入した、NGK「イリジウムIX」に交換。現在では、あの事件が嘘のように絶好調になった。
 

 どんな、高性能なエンジンでも、一本のスパークプラグが支障をきたせば性能を発揮できないどころか、即「エンコ」につながります。
 エンジンオイルのように、簡単に点検という訳にはいきませんが、給油の際、ガソリンスタンドでも、無料で点検してもらえますので、「しばらく、スパークプラグは代えてないなあ?」という方は、要注意です。でないと、大変な事になりますよ…。
 

 それにしても、3気筒で自宅に戻ってこれたというのも、スゴイ話です。