トヨタ　ブレイド〜リセールバリューチェック〜

3年後の“リセールバリュー”を考えて、手放すときに価値が高いクルマを選べば、トータルの購入予算はグンと少なくなる。さらに人気のクルマやワンランク上のクルマも選択肢に入れられるってわけ。“リセールバリュー”を把握してトクするカーライフを送ろう。

トヨタ　ブレイド

トヨタ　ブレイドの魅力とは？

■本文＆コメント／鈴木詳一（ガリバー自動車流通研究所）

　2006年12月21日にトヨタが新型車を発売した。その名も「ブレイド」。トヨタはここ数年、年の瀬に新型車を発売している（2002年と2004年は新型無かったが）。「初売り」でのヒットを狙っているのだろう。

　トヨタは10月10日にカローラ・シリーズをフルモデルチェンジ。カローラランクスを廃止し「カローラアクシオ／カローラフィールダー」の２車種に絞り込んだ。そしてカローラランクス／アレックスの後継といえる「オーリス」を登場させるなど、トヨタはハッチバック車のイメージを一新した。そして、新たに追加されたのが、車格が大きく、高級イメージを強めた「ブレイド」である。

　「オーリス」は車幅が176cmと立派な３ナンバー枠。エンジンは1500と1800なので、自動車税は34,500/39,500円だが、車格的には欧州枠である。そして今回発売された「ブレイド」の車幅も176cmと３ナンバー枠で、エンジンは2400ccと車格・エンジン共に立派な３ナンバー枠としてデビューした。欧州市場を狙ったクルマといえよう。

　ライバルとしてはマツダ・アクセラ2.3やフォルクスワーゲン・ゴルフ、BMW１シリーズなどが挙げられる世界戦略車ともいえるクルマだ。勿論世界的にもカローラアクシオが世界戦略車だが、この「ブレイド」もその柱の一つに加えたいところだろう。

　その「ブレイド」の開発コンセプトは、「洒落た大人の高級ハッチバック」ということで、年代的にはカローラアクシオのユーザーより若く、オーリスのユーザーよりは大人を狙っている。価格も200万円前後のオーリスやアクシオと比べてもエンジンが大きいことにより高めに設定された250万円という価格も、ちょっと大人の価格だ。

　どうしてもハッチバック車というのは200万円を切った価格帯のイメージが強いので、ボディ形状から想像するとちょっと高く感じてしまう。しかし、このブレイドはVSC（Vehicle Stability Control） & TRC、SRSサイド＆カーテンシールドエアバッグ、SRSニーエアバッグ（運転席）を全車に標準装備するなど2400ccエンジンとの組み合わせにより今までのハッチバック車とはワンランク上の装備となっているので、価格がちょっと高いのも納得がいく。

　目標販売台数はオーリスと同じ3,000台/月とのこと、１月下旬までの受注は３倍〜４倍の１万台ぐらいにはなるだろう。最近、軽自動車の販売が好調でコンパクトハッチバックから軽自動車への乗り換えも増えているが、ホットハッチとでも言える大人の熱いハッチバックにはちょっと魅力を感じる。

グレード	2.4G
ボディサイズ	4260x1760x1515mm
エンジン型式	2AZ-FE型
総排気量	2362cc
最高出力	167ps(123kW)/6000rpm
最大トルク	22.8kg-m(224N・m)/4000rpm
10・15モード燃焼	13.4km/l
定員	5人
発売日	2006年12月21日

\2,562,000

リセールバリュー診断

　そんな新型ブレイドのリセールバリューをチェックしてみよう。新型ブレイドのリセールバリューは平均的なＣランク。大人の高級ハッチバックということで、若い世代の多い中古車人気は平均的になってしまう。ハッチバックとはいえどこと無くクラウンのような雰囲気を持ち（ヘッドライトのデザインが似てるだけ？）、確かに高級感はあるものの、ユーザーがそれをどこまで求めているかどうかが人気の分かれ道となる。

　今までの傾向では、ハッチバックはスポーティなものが非常に人気が高かったが、高級志向のハッチバックは過去に大ヒットした実績も無いため未知数な部分も多い。それだけライバルが少なく、人気が出ればリセールバリューもかなり高くなることが予想されるので、ギャンブルとしてはいいかもしれない。また、傾向的にトヨタのこのクラスはある程度のリセールバリューを維持するのが定番なので、平均以下になることは考えにくい。お隣さんと同じクルマにはなりたくないユーザーにオススメだ。