メルセデス・ベンツ　CLクラス〜リセールバリューチェック〜

3年後の“リセールバリュー”を考えて、手放すときに価値が高いクルマを選べば、トータルの購入予算はグンと少なくなる。さらに人気のクルマやワンランク上のクルマも選択肢に入れられるってわけ。“リセールバリュー”を把握してトクするカーライフを送ろう。

メルセデス・ベンツ CLクラス

メルセデス・ベンツ　CLクラスの魅力とは？

■本文＆コメント／鈴木詳一（ガリバー自動車流通研究所）

　メルセデス・ベンツは先月27日、全国一斉に新型CLクラスを発売した。今回のフルモデルチェンジで一番変わったのがデザイン。エレガントさとダイナミックスさを美しく調和させたスタイリングは、旧モデルの４灯型のヘッドライトからちょっとつり目気味の２灯式（といっても、中身は４灯式だが）となり、フロントフェンダー付近のデザインはＳクラスの流れを汲んでいる。

　ボディサイズも一回り大きくなったようで、全長＋75mm・全幅＋15mm・全高＋20mm拡大され、迫力も増している。２台並べるとその大きさ・迫力が格段に向上しているのがわかる。

　インテリアはセミアニリンレザーシートやウッドパネル・アルミ素材やクロームメッキを上手にコンビネーションさせ高級感の演出はピカイチだ。ただし、ちょっと古臭さを感じるのは私だけだろうか。

　そして、CL550には、ゆとりのあるパワー/トルクと、シャープなフィーリングが定評の新世代5.5リッターＶ型８気筒DOHC 4バルブエンジンを搭載するとともに、先進の電子制御式７速オートマティックトランスミッション7G-TRONIC Sportを搭載。またCL600には、最高出力380kW（517PS）、最大トルク830N・m（84.6kgm）の強大なパワー/トルクを発生する5.5リッターツインターボチャージャー付V型12気筒エンジンを搭載し、圧倒的な動力性能と、12気筒ならではの静かで滑らかなフィーリングを兼ね備えている。

　CL600に至ってはもはや化け物とでもいえるようなエンジンパワーだ。同じ5.5リッターでもV8とV12の違い、そしてツインターボの威力は絶大である。CL550でも387PSあるので、こちらでも十分速いが…。

　このところのメルセデス・ベンツは、昨年秋のＭクラス・Ｓクラスに始まり、Ｒクラス、Ｂクラス、ＧＬクラスと立て続けに新型車を発売しており、販売は好調。Ｃクラスもそろそろフルモデルチェンジが迫っているので、メルセデスのこの勢いは当面続くだろう。

グレード	CL600
ボディサイズ	5075x1870x1420mm
エンジン型式	275型
総排気量	5513cc
最高出力	517ps(380kW)/5000rpm
最大トルク	84.6kg-m(830N・m)/1900〜3500rpm
10・15モード燃焼	6.2km/l
定員	4人
発売日	2006年11月27日

\19,700,000

リセールバリュー診断

　さて、この新型CLクラスのリセールバリューをチェックして見ると、新型メルセデス・ベンツ CLクラスのリセールバリューはＤランクと低迷。リセールバリューを気にして買うクルマではないのかも知れないが、乗り換えには不向きな車種ともいえる。

　車両価格で2000万円近くもする高級スポーツクーペ。国産のライバルはレクサスSCくらい。そのSCでも車両価格で３倍近い差があるなど、一般ユーザーが購入する価格ではない。そして、このクラスの中古車の場合、新車との価格差が少なければ新車を買ったほうが良い。と考えるユーザーが多い結果だ。

　迫力があって、エンジンもパワフル。走りに関しては問題の無いＣＬクラスだが、リセールバリューだけは平均以下ということでやや問題ありといえるだろう。