トヨタ プリウス
システムの熟成は大きく進み
走りの質もグンとアップ
初代プリウスが登場したのは1997年のことだから、もう10年ほどが経過しているわけだ。このトヨタの先進性にはただ驚くしかないのだが、今から見ればシンプルであったハイブリッドシステムもTHSからTHSIIへと進化。1.5リッターエンジンとモーターの組み合わせというのは変わるところはないが、まず使用電圧を300Vにまで高めている点に注目で、その結果モーターの出力を大幅にアップさせることに成功している。35.5km/Lという驚異的な燃費を実現するだけでなく、2リッタークラス以上の走りを披露する。また初代では気になったエンジンとモーターの切り替え時のギクシャク感は、2代目プリウスではほぼ皆無になっており、走りの質という点でも完成度は高まっている。また任意でモーター走行に固定できるEVモードやインテリジェントパーキングアシストといった世界初の装備も採用されるなど、話題は満載だ。またガソリン車にハイブリッドシステムを組み込むのではなく、専用ボディとしているのも「ハイブリッド車感」を大いに強調しており、優れた燃費に加えて、気分的な満足感は高いといっていいだろう。
[今回測定実用燃費] 27.8km/L [プリウス価格帯] 226.8〜325.5万円 |
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ホンダ シビック・ハイブリッド
ホンダ独自のシステムで
トヨタとは一線を画す
プリウスの登場から遅れること4年の2001年に登場したのが初代シビック・ハイブリッドだ。その後、2005年にシビック自体のフルモデルチェンジに合わせて2代目へと進化した。システム的には先行発売されていたインサイトのものを継承しており、エンジンとモーターを別々にして協調制御を図るというトヨタとはまったくの別物。簡単にいってしまうと、エンジンとミッションの間にモーターを挟み込むというもので、シンプルで小型というのが特徴となる。それゆえ、搭載車種の拡大も容易といっていいだろう。ただし、モーター自体のスペースが限定されてしまうことから、自ずとその出力には限界があり、簡易型と見る意見も多い。実際、モーターのみでの走行は不可能。アシストも力強いわけではないため、実際の燃費もプリウスと比べると遜色があるのは事実だ。また見た目は普通のシビックというのも、まだハイブリッドが特別な存在である現状では、購入時の満足感が薄いという点で大きなハンディだろう。使い勝手自体は実用ミディアムセダンだけに、取り立てて不満は出ないが、この点も5ドアハッチバックであるプリウスと比べるとどうだろうか?
[今回測定実用燃費] 18.3km/L [シビック・ハイブリッド価格帯] 222.6〜259.4万円 |