レーストゥアレグ2

新規開発のシリンダーヘッド搭載で、最高出力285hp、最大トルク600Nm以上を発揮

 フォルクスワーゲンは、2007年1月、ダカールラリーに新開発の4バルブ化されたTDIエンジンを搭載するレーストゥアレグ2で参戦すると発表した。

 この直列5気筒2.5リッターのディーゼルユニットは、新規に開発したシリンダーヘッドを搭載し、最高出力285hp、最大トルク600Nm以上を発揮する。また、より過酷さを増す砂漠のレースイベントでの使用を考慮し、2ステージターボディーゼルエンジンは更なるレスポンス性能の向上が図られたとのこと。

 この最新型エンジンは、ダイナモ上のテストや実際のレースにおいて、既にその高い性能や耐久性が証明されているという。レギュレーションによりインテークエア リストリクター径が39mmに制限されているため、新エンジンの最高出力は従来型エンジンに比べ10hp程度の上昇に留まるが、優れた吸気充填効果を持つ新しいシリンダーヘッドにより、エンジン回転全域にわたりパワーとレスポンスの向上をもたらしたとのこと。

 また、4バルブ化により、従来片バンクにあった給排気系統が、シリンダーヘッド上の対角に位置(クロスフロー化)するようになり、この結果最高出力がアップしたにも関わらず放熱性はむしろ向上したという。今年のUAEデザートチャレンジで、フォルクスワーゲンのワークスドライバー、カルロス サインツは、この4バルブエンジンのレーストゥアレグで3つのステージ優勝を獲得したとのこと。レース後には「新エンジンはパワフルになっただけでなく、レスポンスやドライバビリティも大きく改善している。ダカールのように刻々とコンディションが変わっていくレースにおいて、とても助かるだろう」とコメントしている。

フォルクスワーゲンワークスドライバー

 今回で29回目となるダカールラリーは、1月6日ポルトガル リスボンからスタート。今年は4台のレーストゥアレグが参戦し、ドライバー/コドライバーには、昨年ダカールで2位入賞のジニエル ドゥ ビリエール/ディルク フォンツィツェヴィッツ(南ア/独)組、カルロス サインツ/ミッシェル ペラン(西/仏)組、過去4回ダカールで優勝経験のあるアリ バネタン/ファブリツィア ポンス(フィンランド/伊)組、昨年ダカール5位のマーク ミラー/ラルフ ピッチフォード(米/南ア)組の計4組。およそ9,000km走行した後、1月21日にセネガルの首都ダカールにてゴールを迎えることとなる。