【NISMO FESTIVAL 2006】幻のレーシングカー『R383』

お蔵入りした幻のマシンがシェイクダウン!

 走行可能なレーシングカーを数多く整備・保存する日産だけに、毎回、歴史的モデルを始めとする貴重なマシンの数々が公開される。今回は『R38_シリーズ』と呼ばれる1960年代から70年代初頭にかけて登場した日本GP出場車両が4台揃って登場した。中でも、幻のマシーンと呼ばれる『R383』(写真上)のお披露目は、今回の「NISMO FESTIVAL 2006」最大の目玉となった。

 『R383』は1970年の日本GPに向け開発が進められたマシン。前年の『R382』でシリーズ優勝を果たした日産としては、気合いの入った開発となったのは言うまでもなく、V12DOHC、排気量6000cc、最高出力700馬力以上(!)といわれるモンスターマシンだった。ところがレース自体が中止となっていまい、そのままお蔵入りとなってしまったのだ。以来実に35年以上の時を経て、なんと初めて我々の前で走る・・・!
 オールドファンならずとも涙モノな、まさに歴史的シーンを目撃することとなった。

【NISMO FESTIVAL 2006】
往年の名ドライバーが大集合! 左から長谷見 昌弘、星野 一義、北野 元、砂子 義一各選手。星野選手を除き、実際に現役時代の『R38_』シリーズを日産ワークスドライバーとしてドライブさせたことのある方々ばかりなのだ!!スゴイっ!
【NISMO FESTIVAL 2006】
独創的な左右独立作動型リアスポイラー「エアロスタビライザー」を装着する「怪鳥」こと『R381』。シボレー製V8 5.5リッターエンジンを積み、68年日本GPに参戦した。『R383』に先立ち05年に復元作業が行なわれ、実際にサーキット走行可能な状態に直された。
【NISMO FESTIVAL 2006】
そして自社製V12 6.0リッターエンジン(エンジンの大きさに注目!)を積み、69年日本GPを制した『R382』。現役当時、羨望の眼差しで観ていただけだという星野 一義選手が35年以上の時を経てドライブする。こちらは04年に復元作業が行なわれたものだ。
【NISMO FESTIVAL 2006】
『ポルシェ904』と接戦を繰り広げた『スカイラインGT-B』を生んだプリンス自動車工業が造った『R380』。今回走行したのは『R380-II型』だ。茨城県谷田部のテストコースで高速走行の国際記録を樹立している。直6 2.0リッターエンジンはハコスカGT-R直系のGR8型。
【NISMO FESTIVAL 2006】
 当時テストで実際に走らせたことがあるという長谷見 昌弘氏の手によりスタート。「まだまだシェイクダウンの段階だ」という長谷見氏だが、現役時代を彷彿とさせる激しいサウンドを高らかに響かせて1コーナーに入っていったのが印象的だった。
【NISMO FESTIVAL 2006】
2輪ヤマハワークスから4輪に移行。プリンス〜日産ワークスドライバーとして『R380』を優勝させるなど大活躍した名選手だ。そんな超大物なのにこのフランクな姿勢!素敵過ぎる・・・ちなみにSUPER GTでポルシェを走らせる砂子塾長は彼の息子である。
【NISMO FESTIVAL 2006】幻のレーシングカー『R383』
【NISMO FESTIVAL 2006】

( 写真/レポート:CORISM編集部 )

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