ザ・対決 トヨタ エスティマ ハイブリッド VS トヨタ エスティマ
ミニバン同一車種編
トヨタ エスティマ ハイブリッド vs トヨタ エスティマ

悩みどころというのは、なにも真っ向対決のライバル同士にあるとは限らない。ときには身内にだってある。たとえば、今回取り上げるトヨタのエスティマ。ご存じの通り、ガソリン車とハイブリッドがあり、どっちにするかは大いに迷うところではないだろうか。しかもスタイル的にはほとんど変わらないからなおさら。また経済面での差も考えどころで、燃費がいい分、価格差も乗れば乗るほどに吸収できるかというと、素直にそうとは言いきれないのが、エスティマとエスティマ ハイブリッド対決の特徴だ。果たしてどっち?

高橋ゆみ
PHOTO/佐藤靖彦 構成/近藤暁史
モデル/ 高橋ゆみ

ROUND1:ファーストインプレッション

トヨタ エスティマ ハイブリッド
トヨタ エスティマ ハイブリッド
2代目で熟成が進むシステム
ただし価格もアップ!

 先代から設定されるようになったのが、エスティマ ハイブリッドだ。プリウスと同じコンセプトをもち、現行型では「THSII」と呼ばれる。先代ではシステム名は「THS-C」と呼ばれており、フロントがエンジン+モーターで、リヤにもモーターが設置されるというE-fourというレイアウトを取っていた。その名前からもわかるように、モーターをうまく利用した4WDという意味合いあったのだが、その考え方自体は今でも変わりはなし。ただし、現行型ではフロント駆動用にあったCVTを廃止し、リダクションギアや出力の適正配分を行なう動力分割機能が代わりにその役目を果たしている。さらにモーター自体の出力も可変電圧システムを採用することで、フロントが18馬力から143馬力へ。またリヤに関しても68馬力とするなど大幅なパワーアップを図っているのが注目点だ。もちろんこのおかげでパワフルな走りが楽しめるだけでなく、燃費の向上にも貢献している。乗り味に関しても、じつにスムーズで、違和感はまったくなし。踏めばストレスなく、加速してくる。EVモードも付いているので、電気自動車としてある程度走行することもできる。

[エスティマ ハイブリッド価格帯]
363.3〜441.0万円

トヨタ エスティマ
トヨタ エスティマ
初代よりすべてにおいて
洗練された先進性をもつ

 丸みを帯びた独特のフォルムとフロントミッドシップレイアウトという先進性により、その天才たまごと呼ばれた初代。現行型は3代目にあたるが、ワンモーションフォルムなど、その独特のスタイルはしっかりと受け継がれている。とくにデザインは、開発を担当したチーフエンジニアがデザイナー出身であることからこだわった部分であるという。しかし、和道具のテイストを取り入れたというフォルムには新鮮みがあまり感じられないのも事実。それが安心感にはつながっているし、販売的にも好調なのだが、賛否両論分かれる原因であるのは確かだろう。グレード的には2.4リッター直4と3.5リッターV6の2タイプとなる。売れ筋の2.4リッターはCVTのセッティングを省燃費方向に振るなどしているため、乗り味はマイルドだ。そして関心が高いのはクラウン譲りの3.5リッターだろう。なんと国産ミニバン最強の280馬力を達成し、ミッションも6速ATと鉄壁。ウルトラスムースな加速と申し分のないパンチ力はもちろんのこと、さらに静粛性もかなり高いレベルにある。パッケージングに関しても広大な室内を確保し、すべてのシートでゆったりとくつろげる。

[エスティマ価格帯]
266.7〜388.5万円

エスティマ・ハイブリッド 2.4G
ボディサイズ(全長x全幅x全高)
4800×1800×1760mm
車両重量
1950kg
エンジンタイプ
直列4気筒DOHC
総排気量
2362cc
最高出力
150ps(110kw)/6000rpm
最大トルク
19.4kg・m(190N・m)/4000rpm
ミッション
電気式無段変速
10・15モード燃費
20.0km/L
サスペンション(前/後)
マクファーソン・ストラット/トーションビーム
ブレーキ(前/後)
ベンチレーテッドディスク/ディスク
税込価格
436.8万円
エスティマ 3.5G
ボディサイズ(全長x全幅x全高)
4795×1800×1730mm
車両重量
1800kg
エンジンタイプ
V型6気筒DOHC
総排気量
3456cc
最高出力
280ps(206kW)/6200rpm
最大トルク
35.1kg-m(344N・m)/4700rpm
ミッション
6速AT
10・15モード燃費
9.8km/L
サスペンション(前/後)
マクファーソンストラット/トーションビーム
ブレーキ(前/後)
ベンチレーテッドディスク/ディスク
税込価格
344.4万円
トヨタ エスティマ ハイブリッド

150馬力を発生する2.4リッターのガソリンエンジンにモーターをプラス。リヤにもモーターが設置され、駆動方式としては4WDだ。

トヨタ エスティマ

クラウンなどに搭載される3.5リッターのV6。280馬力ならではのパワフルさと滑らかなフィーリングは極上といっていい。環境性能にも優れる。

トヨタ エスティマ ハイブリッド タイヤサイズ 215/60R17

サイズはガソリン車と若干異なるがほぼ同じ。17インチホイールを採用している。軽量とはいえ、デザイン的にはオーソドックス。

トヨタ エスティマ ハイブリッド インパネ

内装もハイブリッドで大きく異なる部分はない。大型センターコンソールが固定されている。その中には、たくさんのバッテリーが収納されている。

トヨタ エスティマ タイヤサイズ 215/55R17

Sパッケージが18インチになる以外は17インチ。タイヤは215/55R17となる。3.5Gの場合は、樹木のような枝分かれしたスポークが印象的だ。

トヨタ エスティマ インパネ

インパネ部分はハイブリッドと同じだが、センターコンソールがレール上を動くようになっており、2列目に座っても使えるようになっている。

トヨタ エスティマ ハイブリッド インテリア

若干立ち気味なポジションになるものの、見切りもよく、女性でも楽に取り回しができる。シートの造りもかなりよく、満足度は高い。

トヨタ エスティマ ハイブリッド ラゲッジ

現行型から3列目が床下収納になったのが大きなトピックス。ただし収納しない状態では、容量的にはそこそこだ。一般的なミニバン並み。

トヨタ エスティマ インテリア

ボディサイズは先代よりもひとまわりほど大きくなっているものの、不満はないが、室内は広々とした感じはしないというのが正直なところ。

トヨタ エスティマ ラゲッジ

上級グレードのみにメーカーオプションとなるのが、3列目の電動格納だ。シートバックだけを倒すこともできるが、完全収納でフラットになる。

トヨタ エスティマ ハイブリッド インテリア

トヨタも自慢するのが、2列目のキャプテンシート。8人乗りだとベンチシートになるが、できるならこちらを選びたいところだ。

トヨタ エスティマ ハイブリッド インテリア

さすがに上級のアルファードと比べると遜色があるが、十分に広い3列目。大人ふたり座ってもストレスはない。しっかりとアームレストも付く。

トヨタ エスティマ インテリア

もちろんミニバンの命、フラットにもできるのだが、さすがにフルフラットは無理。とはいえ、3列目をリクライニングさせればゆったりできる。

トヨタ エスティマ インテリア

もちろん3列目までハイブリッドと変わるところはない。この変わらないという点が迷いどころになるのだ。使い勝手については互角といっていい。

トヨタ エスティマ ハイブリッド インテリア

7人乗りの場合は2列目がキャプテンシートになるのだが、こちらのほうがゆったりとくつろげていい。オットマンまで付いていて、楽チン。

トヨタ エスティマ インテリア

トヨタ自慢のスーパーリラックスモードがこちら。2列目を真ん中に寄せて後ろに目一杯スライドさせれば、ファーストクラス並みというのがウリ。

レーダークルーズコントロール

3.5Gとハイブリッドで選べるのが最近、普及が進むレーダークルーズコントロール。もちろんプリクラッシュセーフティシステムも併用されるのだが、ただし、オプション価格自体は54万6000円なりと、高額!

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