「SHIFT_passion」 スカイラインはときめきをシフトする

 06年11月20日、日産から新型スカイライン セダンが発売された。1957年登場の初代から数えて12代目となる。商品コンセプトは「魅惑・洗練・高性能」。約50年という非常に長い歴史を持つブランドのフルモデルチェンジだけに注目度は高い。とはいえ、月販目標台数は1000台と控えめだ。
 なお国産車では非常に稀有な存在となった2ドアクーペ版については、遅れて07年秋に登場することが公式に発表されている。
日産 新型 スカイライン セダンデビュー!
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歴史的転換を遂げた先代「V35」スカイライン

 長い間、ほぼ日本国内専用車として売られていたスカイラインシリーズ。直6エンジンを積むピュア・スポーツセダン&クーペ、というイメージで、特に走りを愛するユーザーたちに広く親しまれてきた。
 しかし先代V35型スカイラインが、北米で「インフィニティ」ブランド※で売られるようになったことをきっかけにイメージを一新。V6エンジン&FR-L新プラットホーム「FMパッケージ」に、ややサイズを拡大し高級感を増したボディデザインを組み合わせた「プレミアム・スポーツセダン(&クーペ)」として大きく生まれ変わるという歴史的転換を遂げている。

( ※「インフィニティ」:日本未展開の高級ブランドで、トヨタの「レクサス」ブランドに相当 )

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遂にデビューを果たした新型「V36」型スカイライン
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リアには、伝統の丸形テールランプが光る
日産 新型 スカイライン セダンデビュー!(写真はV35型先代セダンと現行型スカイラインクーペ)
先代V35型セダン(左)と、07年秋に次期型が登場する予定のスカイラインクーペ(右)

北米、日本それぞれのユーザーに満足を

 先代モデルV35型が北米で好評を持って受け入れられたことから、新型スカイラインも基本的にそのコンセプトを受け継ぐ格好となっている。
中でもインテリアはインフィニティブランドに相応しく、さらに高級感を高めた印象だ。快適性を高める装備のほか、本アルミや本木目のフィニッシャー、手縫いのステアリングホイール、アナログ時計など、数々のコダワリアイテムも採用している。

 とはいえ、いっぽうの日本では従来からの「走りのスカイライン」の姿を望むユーザーの声も少なからずあったのも事実だ。
 新型では、先代のFMパッケージを踏襲しながら新世代FR-Lプラットホームを採用。新開発のV6「VQ-HR」エンジンを搭載し、吸排気システムやサスペンションなども一新するなど、伝統の「走り」についてもかなりの力が入っているようだ。
 もちろん、高強度安全ボディの採用のほか、横滑り防止装置VDCやフロント/サイド/カーテン各SRSエアバッグ、インテリジェントクルーズコントロール、アクティブAFS、サイドブラインドモニターなど、時代の要求に即した各種安全装備も設定されている。

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 また、世界初の採用となる4輪アクティブステア(4WAS)は、ステアリング操作に対する前後のタイヤの切れ角を車速に応じて調整する仕組みで、低速での取り回しと、中・高速域での安定感や応答性の高さを両立させたという。かつて「R32」型スカイラインなどに採用されていた4輪操舵システム「スーパーHICAS」の発展系ともいえる。実際の試乗が楽しみな装備だ。

 いずれにしても、「走りのスカイラインが帰ってきた!」と思わせる意欲的なニューモデルの登場といってよいだろう。

 いっぽう、先代のイメージを踏襲しつつ、よりスポーティさを増したエクステリアデザインにも注目したい。先代に比べ全高を20mm、全幅を20mm拡大し、プロポーションはよりロー&ワイドとなった。さらに抑揚のある面構成や丸形テールランプなどで、よりダイナミックな躍動感を表現している。

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より質感の高まった新型スカイラインのインパネ周りにはコダワリがつまっている。
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新設計されたVQ-HRエンジンは、レブリミット7500rpmまで軽く吹け上がるレスポンスのよさだという。
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伝統の「走り」についてもかなりの力が入っている模様。試乗が楽しみだ。

新型スカイラインは2エンジン・6グレード・9タイプ

 V型6気筒新型VQ-HRエンジンは3.5リッターと2.5リッターの2種類を用意する。特に3.5リッター版は、最高出力315ps(232kW)/6800rpm、最大トルク36.5kg-m(358N・m)/4800rpmのハイパワーを誇る。レブリミットを7500prmとする高回転型エンジンで、滑らかでレスポンスの良さを目指したのだという。さらに、左右完全対称吸排気システムの採用や冷熱系システムの見直しにより、将来的な出力向上にも対応出来る構造&レイアウトになっていると日産では話す。これは、今後さらにハイパワーなスカイラインが登場することを暗示しているのかもしれない! ぜひこの先の動向にも注目したいところだ。

 グレード構成は、2.5リッター版ではベーシックな「250GT」をベースに、VDCなどを標準装備したお買い得グレード「250GT TYPE V」、メモリー付き本革シートなどラグジュアリーな装備を持つ「250GT TYPE P」の3グレードが用意される。後輪駆動のほかに、2.5リッターのみ各グレードで4WD車も設定されている。価格は、279.3万円/306.6万円(250GT/250GT FOUR)から331.8万円/359.1万円(250GT TypeP/250GT FOUR TypeP)まで。

 いっぽうの3.5リッターでは、18インチアルミを装着しエアロバンパーを装着するスポーティな「350GT TYPE S」とラグジュアリーな「350GT TYPE P」、そして両車の特長を兼ね備えた「350GT TYPE SP」の3タイプが用意される。なお、新型スカイライン自慢の4輪アクティブステア(4WAS)は「350GT TYPE S」と「350GT TYPE SP」にのみオプション設定となる。価格は348.6万円(350GT TypeS)から380.1万円(350GT TypeSP)まで。

 なお全てのグレードでDSモード付きフルレンジ電子制御5速ATと組み合わされる。先代モデルに一部設定されていた無段変速「トロイダルCVT」や6速MTなどの用意は今のところない。

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『日本のクルマに、ときめきが帰ってくる』 キーメッセンジャーは「渡辺謙」&「イチロー」

 日産期待のモデルチェンジとあって、広告展開も非常に力が入っているようだ。キャッチコピーは『日本のクルマに、ときめきが帰ってくる』。そのメッセージを代弁するキーメッセンジャーとして選ばれたのが、日本が誇る俳優「渡辺 謙」氏とメジャーリーガー「イチロー」選手。日本をルーツとしながらも、世界を舞台に活躍しているところは、2者&1車に共通するイメージで興味深い。
 ちなみに渡辺 謙氏もかなりクルマ好きのよう。11月20日に行なわれた新型車発表の席でも、アメリカで活動する際には自らの運転でドライブするのが楽しいと語っていた。またイチロー選手も以前に日産のイメージキャラクターとして起用された縁もあり、今でもアメリカではインパル※でフルチューンを施したインフィニティQ45(日本名「シーマ」)に乗るほどの日産ファンとして有名だ。

 「便利」や「経済性」だけではなく、「感動」や「ドキドキ」といったエモーショナルな価値観(「ときめき」)を、「走り」のイメージに原点回帰した新型スカイラインから感じて欲しい・・・そんな日産からのメッセージを代弁する、二人のプロモーション展開にも注目していきたい。

( ※「インパル」:日産元ワークスドライバー「星野一義」氏が率いるチューニング&ドレスアップショップ )

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日本が誇る世界の映画俳優「渡辺 謙」が、新型スカイラインのプロモーションにおけるキーメッセンジャーとしてメジャーリーガー「イチロー」選手とともに活躍していく。
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スカイラインのイメージにぴったりな、上質かつちょっとスポーティさも感じられるスーツ姿でキメてきた渡辺 謙氏。
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スポーティさとダイナミックな躍動感を最も表現する新型スカイラインのフロント部。
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