クラウス・ヘドリッヒ氏

デグサ・グループはドイツに本拠を置き、12のビジネス・ユニットをグローバルに展開する製造メーカーである。手がける分野も食品から住宅、そして印刷関連まで実に幅広い。なかでも自動車業界には9つのユニットが携わり、製品を提供しているというグループ内でもメインのターゲット。

10月25日にパシフィコ横浜で行われたプレスカンファレンスでは、オートモーティブ・インダストリアル・チーム(以下AIT)発足を正式にアナウンスした。ドイツ本国からチームリーダーであるクラウス・ヘドリッヒ氏が来日しただけあって熱のこもった会見となり、AITのことはもちろん今後の技術動向にまで話が及んだ。

そもそもAITとは製造部門ではない。
幅広く自動車素材を手がけメーカーとの豊富な開発経験のある同社だけに、そこで培ったノウハウや提案力をAITを媒介に、グローバルな供給を行う昨今の日本メーカーにマッチングさせていきたいと考えているようだ。さらにそこで情報収集を行い、自社の研究開発にフィードバックさせる——メーカー、デグサ、コンポーネントサプライヤーが三つ巴に循環する“ネットワーク型開発”の推進がチームのメインタスクとなるのだろう。
ほかにも軽量構造、表面技術、燃費低減、照明技術といった自動車にはかかせない技術の最新トレンドを詳細に解説。
イノベイターとして日本の業界内にどこまで新風を吹かせられるか未知数だが、今後とも要注目の存在である。