アメリカ軍基地近くの中古車屋で売られているラウム 価格は5495ドル(約63万円)だった

沖縄の米軍基地周辺ではドル表示で中古車が売られている

クルマの説明も英語だが日本人にも分かりやすい

 遅い夏休みを取って沖縄旅行に行ったので、私が沖縄で見た中古車事情をレポートしたいと思います。沖縄は少し郊外に出ると、大きな中古車屋さんも多く、那覇市周辺では比較的高年式のクルマを扱う店が目立ちました。

 その中で異彩を放っていたのが、米軍基地周辺にある中古車屋さん。なんと価格がドル表示なっているのです。この辺りだと米軍基地に赴任した人が足として中古車を購入することも多く、そのためドル表示にしたり、クルマの説明も英語で書かれているようです。

 ドル表示だと為替が変動する関係で、少し高めになっているように感じました。それよりも笑えたのが「ベリー クリーン」とか、「グッド タイヤ」「オンリー75000km」といった私にも分かるような英語で書かれていたことです。

 日本語にすると「美車!」「タイヤ9分山!」「走行少ない!75000km」(本土のノリだと結構走っていますが)といった感じになるのでしょう。でも、このフレーズが外国人の心にも響いているのかどうかがビミョーです…。

沖縄の中古車価格は思ったほど高くはなかった

本土で新車登録されて中古車として沖縄に持ってくるクルマも多いようだ。手前が岡山ナンバーで奥が福岡ナンバー

 一般の中古車店を見てみると、価格は意外なほど本土と変わらない感じでした。本土で新車登録され、中古車として沖縄まで輸送されている物件も多いようなので、輸送費がプラスされ、もっと高いかと思ったら意外に普通の価格で売られていました。

 でも、沖縄には鉄道がなく、移動にはマイカーを使う人が多いので、走行距離は総じて伸びています。本土の感覚の1.5倍ぐらいは走っています。そのため、外観を見て安いと思っても、スペックを見ると3年落ちで7万kmぐらいは平気で走っているクルマが多かったです。沖縄ではクルマは必需品なので、大事に乗っている人も多く、古いナンバーのクルマも目立ちました。

沖縄の歴史を感じるクルマも現役で走っていた

1970年代にアメリカでも売れた初代セリカ 珍しい左ハンドルが右側通行時代の名残りを感じさせてくれる

 中古車屋を探しながら那覇市郊外を走っていると、国道沿いに歴史を感じる外観の初代セリカを発見しました。珍しい左ハンドル仕様だったので、写真を撮っていると、80歳ぐらいのお婆さんがそのクルマに近づいて行き、ナントそのクルマに乗って走り去っていきました。

 沖縄は昭和53年まではアメリカと同じように、クルマが右側通行だったために、その当時は左ハンドルの国産車も多かったようですが、30年近く経った今、左ハンドルのセリカを見られるとは思いませんでした。その時はクルマの歴史と沖縄の歴史がクロスオーバーしました。

 海外の中古車事情も面白いですが、日本国内も地方によって特徴があってなかなか面白いものです。