レクサス GS

"GS" というモデルをハッキリさせるマイチェン

 レクサスブランドの上級車として昨年9月のチャンネル立ち上げの当初から販売されているのがGS。今年はGS450hというハイブリッド車を追加するなど、バリエーションの拡充を図ってきたが、今回、レクサスの最上級モデルであるLS460のデビューを控え、モデルの位置づけを明確にするためのマイナーチェンジを実施した。
  
 昨年の発売以来、ブランドイメージは確立されたものの、売れ行き面では決して好調とはいえない点が指摘されているレクサス車の中でも苦戦が目立つのがGSなので、それなりの対応が必要だった。とはいえまだ発売から1年足らずの期間しか経過していない段階なので、今回のマイナーチェンジでは大きな変更は受けておらず、改良は比較的小幅なものに抑えられている。

レクサス GS
レクサス GS
レクサス GS

新色のボディーカラーが魅力的

レクサス GS

 最も変わったのはボディカラーで、新しいラインナップはいずれもほかのトヨタ車と共通のものではなく、レクサス専用のボディカラーとされた。マイカなどの配合量を増やしてキラキラした輝きを表現したのが新しいボディカラーの特徴とのこと。

 ただ、GS450hがデビューしたとき、ハイブリッド専用色とされていたプレミアムライトブルーのボディカラーが、GS350やGS430でも選べるようになったのはやや疑問。ハイブリッド車がさらに埋もれてしまうからだ。
 
 細かな改良点だが、ドアロックに連動するドアミラーのオート格納機能が採用されたのは大いに満足できるポイント。これは私が従来から各メーカーの開発者に主張してきたことなので、正にご同慶の至りである。クルマから降りる前にドアミラーを格納してしまうと、降りるときの後方確認が難しくなる。降りてからでも格納できるようにして欲しいということを繰り返し主張してきた。
 
 まあ、そうでなくてもレクサスGSのドアミラースイッチは、インパネの中に収納されているため、それを引き出してから操作しなければならず、かなり煩わしかった。今回の改良はそれを解消する意味もあったようだ。

レクサス GS

 このほか8気筒エンジンの搭載車に装備されるカーナビは知能化が進められ、路面の荒れた状態のところを通るとその位置を記憶して、次からそこを通るときにサスペンションの減衰力を自動的に調整する機能なども加わった。ここまでくるとカーナビはどこまで進化するのかといった感じだ。

V8の "GS" は少し硬派な仕様

レクサス GS

 試乗したGS430は18インチのランフラットタイヤを履いた仕様。やや硬めの乗り味を感じさせる仕様だったが、乗り心地とのバランスがさらに進化した印象があり、引き締まった感じの心地好い走りを味わわせくれた。
 
 GSは本来、大柄なボディに大排気量エンジンを搭載し、ゆったりした走りを楽しむためのモデルといえる。きびきびした走りではなく、余裕のクルージングを楽しめるのがGSの良いところで、そうした本来的な良さは今回のモデルでも変わっていない。ボディの大きさは、日本では時としてストレスにつながる要素ともいえるが、そのことを除けばストレスのない快適な走りが可能だ。

レクサス GS
レクサス GS
レクサス GS

変更点の少ないハイブリッドモデル

レクサス GS

 今年デビューしたばかりのハイブリッド車GS450hについては、さらに変更点が少ない。というか、ドアミラーの格納スイッチを除けばほとんど変わっていないと考えても良いくらいだ。ただ、改めてGS450hに乗って見ると、ハイブリッドならではの豪快な加速フィールに驚かされる。
 
 発進時は静かで滑るように走り出し、いざアクセルを踏み込むと一直線に豪快な加速を味わわせてくれるのは、ハイブリッド車ならではの魅力である。もちろん燃費の良さも特徴となるが、それ以上にハイブリッドカーが新しい走りを味わわせくれることが大きな魅力となる。

レクサス GS
レクサス GS
レクサス GS

買うならやっぱりハイブリッドだ

 GSを買おうするユーザーにとって、さまざまな選択肢が考えられると思うが、予算に余裕があるならGS450hがイチ推しのモデルだ。

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代表グレード
GS450H
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高)
4830×1820×1425mm
車両重量[kg]
1890kg
総排気量[cc]
3456cc
最高出力[ps(kw)/rpm]
296ps(218kw)/6400rpm
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm]
37.5kg・m(368N・m)/4800rpm
ミッション
CVT
10・15モード燃焼[km/l]
14.2km/l
定員[人]
5人
税込価格[万円]
682万円
発売日
2006/07
レポート
松下 宏
写真
和田清志