走行距離が少ないのにタイヤが新しい!?

賢い中古車の選び方!Part11「豊富な情報が得られるタイヤの状態」

 ガラスの次にチェックするのはタイヤだ。タイヤは中古車に関していろいろなことを教えてくれる。まずは4本のタイヤの銘柄やサイズがちゃんとそろっているかどうかを確認しよう。もちろんタイヤだけでなくホイールやホイールキャップなどもそろっているかどうかの確認が必要だ。さすがに1本だけサイズ違いなんてことはないと思うが、前輪が2本だけブランド違いの新しいタイヤになっていて、後輪2輪はやや古いタイヤを履いたままの中古車なんてのが展示されていることがある。

 これは前のユーザーがタイヤのローテーションをしないで乗り続けた結果と考えられる。前輪もそこそこ減っているなら前のユーザーが交換したのだろうし、前輪だけが全くの新品なら販売店が交換したのだろう。

 しかもこんなクルマで走行距離が3万km未満だったりした場合にはメーターを巻き戻している可能性がある。普通に使ったなら、ローテーションをしなくても3万kmでタイヤ交換が必要になるようなことはない。4万〜5万kmくらいは走ったクルマと考えるべきだろう。

タイヤの片減りはサスペンションに問題?

 中古車のタイヤを良く見ると、タイヤ面の外側だけとか、内側だけが減っていることがある。これはサスペンションのアライメントが狂っていたり、あるいはサスペンションそのものがダメージを受けたことによって発生するものだ。このようなクルマではハンドルから手を離すと真っ直ぐに走らず、左右どちらかに曲がって行ってしまうこともある。あるいは常に修正舵を与えていないと真っ直ぐに走れないクルマなんてのもあったりする。そうした足回りの問題がタイヤを見ることによって発見できることがある。

スポーツタイプの中古車では、タイヤの外側のショルダー部分が大きくすり減った状態になっていることがある。これは前のユーザーがワインディングなどを積極的に攻めた結果そうなったものと考えられる。スポーティなクルマなら仕方ない面もあるが、そんな使い方をしたクルマはサスペンションを始めボディなどにヘタリが出ていることも多い。走行距離と合わせてコンディションを十分にチェックしたい。

 このようにタイヤからは中古車に関するさまざまな情報が得られる。タイヤをじっくりチェックしながら、なぜそのような状態になっているのか、いろいろと考えをめぐらせると良いだろう。

●次回へ続く・・・